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2008年8月20日 (水)

娘にのろいをかけてみました~イヤな世界地図の覚え方~

新しい塾に通い始めた娘が落ち込んできた。

苦手教科はともかく、超得意!とこれまで周囲を見下してきた教科さえ、わからないという。

自分で希望して、10年以上通って期待の星扱いされたところを辞めてまで決めたレベルの高い塾だ。当然アタシは高レベルクラス!と意気込んでいたのが普通クラスに振り分けられ、テストを受ければ自分の程度を知らされる……どーせアタシなんて…というくらいに落ち込んでいる。

「けどまあ、今そういう現実を知ってよかったんじゃない?来年の今頃それを知ったら大変だけど、今なら、あんたの力ならすぐに追いつけるよ」

と、励ました。何かと鼻っぱしらの強い娘、今鼻を叩かれるほうが良いと思う。部活でも、舐めまくっていた初段試験に落ちたし、神様はきっと娘に試練をお与えなのだろう。

でも「どーしても社会はムリ! 歴史も地理もわけわかんない! てかどーでもいい!」などという娘には何度も言う。

「社会は、これから一生付き合う教科だと思っていい。自分が関係ねーよと思っても、日本の歴史は自分たちが背負っていかなくてはいけないし、主権在民である以上、知らない、どうでもいいではすまないくらいの、1億分の1くらいの王権を担うことになるのだ。1億分の1くらいでよかったこと。本来の王家に生まれたら、もしかしたら自分のあずかり知らぬところに嫁ぐ…くらいならラッキーで、修道院で育って、ただ殺されるだけの運命にたつこともあるわけよ?」と、ベルばらやFFTなんかを例にして話してみる。

まあ正直、歴史考証なんか関係ないような、漫画やゲームのファンタジーでも、実際の歴史を知っているかどうかで楽しみ方が変わってくるわけで、そのためにもあたりまえに歴史だの地理だのは義務教育の範囲くらいは学び、どんなに妄想や薄汚れた傾向でもいいから+αを楽しんでおけよ、と思う。

娘のために、「日本ホモ史」を語った。

大奥のあれこれも語ってやった。そんなん、親に隠れてこっそり調べろやという気もする。

「後白河天皇」という言葉を覚えて帰ってきたので、「その人はむしろ上皇のときに○○、ところでそういう上皇がする政治をなんていう?」とか「後醍醐天皇」という言葉を覚えてきたので「あー、その人、天皇125代で、唯一生きてるうちから自分でその名前を言い出したヘンな人~」などと、教科書に載ってない話をしまくる。天皇でも将軍でも、中学の教科書に載るくらいの人って、意外と変わった経歴の人が多いから、ちょっと調べてみ~と、誘ってもみる。……あんまり、点数に直結しない気もするけど、まったくあやふやな霧のような地理とか歴史とかであるよりは、よこしまでも興味をもてればいいと思って。

「地図とか、マジ市ねとか思う」という娘。なんと情けないことを。
私は昔、娘と同じ年で、地理で唯一満点をとって学校に絶賛されたものだ。

それは、「ベンガル湾」という湾を、なんとなく地図を眺めていて、当時大好きだったアニメボルテスⅤの敵役「ベンガル将軍」に名前が似てるわね~~~と、それだけのよこしまな理由で正解できたのだ。そんなアニメなど興味の無い秀才たちは、思いも寄らなかっただけなのだ。

けど、どんなによこしまでも点は点だ!

というわけで、私は必殺技を繰り出した。

「地図って、おもしろいけどなあ。ママなんか、トイレに貼ってる日本地図だけでも萌え萌えだわ。なあ、この美しい海溝を見ろよ…駿河湾とか、富山湾とか、なんでああいう上手い物がとれるのかわかるよなあ。」

なんてことはともかく。

「バルト3国の位置を覚えるのに、こういうのがあるのよ。さあ、覚えなさいよ、タマフィンフィン」

それは、北欧の3国を男性器にたとえて覚える必殺技だった。ていうか、それほどまでしなくちゃ、覚えられないのかよっという人のための救済措置、というかのろいだ。

現に、そんなこと常識ですわと高学歴を誇る2ちゃんねるの奥様たちも、この「タマフィンフィン」にはもだえ、あえぐ始末。ちょっと忘れた頃に「タマフィンフィン」といわれただけで、奥様方はもだえまくっておいでであった。

「この『タマフィンフィン』を覚えたら、一生のろわれるのよ。今まで覚えられない、興味をもてないという北欧の地図も、これからは『タマフィンフィン』があなたを支配するわ。どう?

砂に水がしみこむように、タマフィンフィンが入っていくでしょう? もうあなたはタマフィンフィンの呪縛から逃れられないの。一生、北欧の地図を見れば「タマフィンフィン」が脳裏を掠めるのよ、おーほっほっほっほ!」

「ねーよ!」と娘が突っ込んだ。しかし彼女がタマフィンフィンののろいにかかったのは、誰の目にも明らかであった。

決して仲は悪くないが、口が悪い子どもたち。娘が兄に言う。
「おーい、初代 中二階堂! ご飯だぞ~」
中二階堂というのは、ごくマニアックな層で受けている漫画「ミツルギ」の、変態高校生である。息子は、なんとなくその中二階堂君に、妙に似ている。

「うるせえ、この元祖中二階堂」

中二階堂君に妙に似ている息子が、娘に暴言を放った。……たしかに、娘は美人で優等生な女子中学生という、どこの「吉祥天女」かよな少女だが、ママに対してのセクハラはどこのオヤジかよ、というレベルだ。

一方、うちの息子ときたら、バッグ一杯の美少女フィギュア、美少女同人誌を持ってはいるが、これでも一応優等生。

その優秀で美しい子どもたちが、「元祖」「初代」と言い合う。

「なんだか、元祖とか初代とかって、ラーメン屋の争いみたいね」と、私は優雅に笑ったが、「争ってるんじゃねえ、押し付けあってるんだ」と、息子が軽く名せりふ。

…まあとにかく、普通に年表とか地図とか覚えてつかあさい……

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