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2008年10月11日 (土)

発達障害児と「職場」

娘が職場体験をやってきた。最近は3日もやるのか。うちの職場もよく受け入れるが、昔の1日でも、相当負担があったのに、2日受け入れろと言う中学が増えてきて、それだけで会社が潰れそうなのに、3日だと完全に断らざるを得ない。なんでも「1週間くらいやらせろ」という声もあるらしいが……民間企業と教育現場には、いろいろ温度差がある。

中学時代に不登校であった息子の場合。私は息子に「職場体験」をさせることを期待していたのだが、我が家に「職場体験希望アンケート」のお手紙が届いたのは、職場体験がとっくに終わってからだった。
「…わざとだろ…」
「……まあ、学校側もあんたみたいな子をお店側に出したくないんだろうね…」

民間企業に勤める身として、それは理解できる。万一トラブルなどがあると大変なので、どんなによくできた子でも、一日つきっきりになるのだ。不登校、暴力、他動までは行かないけれど今までもトラブルがあった子を職場体験に出して問題でも起こされたら、来年から受け入れてくれないかもしれない。

しかし、こういう子だからこそ、職場体験が必要なのだ。親として、また同様の自閉傾向だったのが高校のアルバイトで好転した当事者としては「不登校や発達障害の子こそ職場体験を」と願い、一社会人としては「職場体験は迷惑」と思い、思いは複雑である。

発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922) Book 発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)

著者:杉山 登志郎
販売元:講談社
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たまたま先日、この本が目に付いて購入。発売1年にもならないのにもう15刷とは、本当に売れているらしい。また必要とする人も多いのだろう。非常に読みやすく、症例をあげながら幼児~青年期までを追っており、自閉の子を持ち迷う親には大変参考になり、勇気付けられる本だ。

うちの子の場合、特異な言動もあるがはっきり「異常」といえるかどうか微妙なラインだ。知能の遅れもない。しかしそのおかげで専門的な療育が受けられずに大きくなってしまったので意外とやっかいなケースだ、と自分でも思っていたが、本によると本当に、自閉の子では知能が高いほうが、就労が困難なのだそうだ。そして筆者は「早期療育」と「早期の職業訓練」が必要だという。

私は「自分がそうだったから」という理由で息子に15の頃からアルバイトをさせたが、本当にこれが良い結果を生んだと思う。「できなくて当たり前」の年頃からみっちり厳しく指導してくれたおかげで、息子は随分常識的になり、社会の中で生きていく力を身につけてきた。最初は声が小さい、きちんと挨拶が出来ないなどと言われて傷ついていたようだが、「1年はがんばれ」と励ました。そのうち「遅いが、レジは正確だ」などと褒めてもらえるようになり、「トイレ掃除など、人の嫌がる仕事も積極的にこなす」「謙虚で誠実」「商品知識もあり、商品管理が完璧」と、自分自身も周囲も、美点を見出してきた。なんでも時給のあがるのも早いらしい。バイト料が増え、親の財布を狙うのもなくなってきた。

「俺、そんなに働きたくないのに、すげーシフト入れられる」とぼやいていた。この3連休も休みなしだし、忙しい日ほど呼ばれるという。それだけ信頼されているということだし、これからどういう進路に進むにしても基礎的なことをできるようになったことは大きい。息子も昨日「俺、中学でつまずいてよかった」と言う。そうかもしれない。大きく後退してしまったが、そのおかげで得た物も多かった。

バイトを禁止している高校が多いと思うが、自閉であるなしに関わらず、「15才」のまだ心のやわらかいうちから、人に頭を下げたり、挨拶をしたり、笑顔をふりまいたり、責任感を持って働くことを教えるほうが良いと思う。中学の職場体験のような「お客様」体験を何日もやるより、ずっと良い。

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