娘の邪気を祓いたいのだが
今週末も、娘は私に甘え、上機嫌かと思うと急にキレて怒ったり泣いたりするという状態。
いろいろあるのだろう、となるべく一緒にいて、優しく抱きしめてやり、リラックスした状態で話を聞いてやるのだが、それにしてもどこまでもどこまでも出てくる他人の悪口。
なんでそんなに人を敵に回すのか。
理由を聞けば「なんでそんなことくらいで」「アンタのほうが悪いんじゃ」「そんなことを言ったら嫌われるのは当たり前」というようなことばかり。そうして皆に嫌われて、一人で女王様気取りなのではないかと、痛々しく思える。
「てめえにはわからねえよ」と娘は毒づく。……うーーん、私もそのくらいの年頃は、きっと同じように毒を吐き吐き世界のすべてを敵に回し、勝手に殺意を覚えていたような気がするが、大人というのは都合よく余計なことを忘れる物だから。というか、親の私まで「ホントそいつムカつくよねーっぶっ殺してぇーっ」などと同調してたら、いろいろ終わりな気がする。
かすかに覚えているのは、まるで心の中に違う物が棲んでいるような、自分にもどうにもコントロールできなくなるような、そんな感じだ。日本ではそういうのを「狐がついた」というものだろうし
「エクソシストだな」と口にしてしまった。「はぁ( ゚д゚)?」
一応、某人気少年漫画でそのことは知っている娘。私の知る古い映画とはいささか解釈が違うかもしれないが、一応ある程度は話が通じそうだ。……普通の説教なんか、耳に入れないし。
ぽんぽん、と娘のおなかを軽く叩いてこういった。
「ここに、いろんなものを溜め込んでいるでしょう。疲れるだけだから、そんなもの出してしまえばいい」
「……」
「神社にでも行って、邪気を祓ってもらうか~」
娘はくすっと笑って答えた。
「やだ。邪気を祓ったら、私消滅する」
「あんたは邪気しかないんかいっ」
「無いっwwwww」
いやいやそんなはずはない。この邪気を祓えば、元の素直で純真無垢な娘に戻るはず。本来のあんたは、努力家で、明るくて、みんなに好かれる子のはずだ。
大きな瞳で、神妙に聞く娘。
「けどお寺の除夜の鐘を聞かせて煩悩を祓ったら、服しか残らなかったりして」
「ムキャーーーーーーーーwwwwww!」
私をぽかすかしながら、大笑いする娘。
笑うときは、屈託無く笑うのだがなあ。
最近のコメント