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2008年11月17日 (月)

明智抄、久々のコミックス!~「河童少女(エンコウショウジョ)」

待ちに待った明智抄作品が本日発売!

予約しなくちゃ手に入らないんじゃというくらい、レアだと思っていたがなんと出版社とタイトルが覚えられず、この日を迎えてしまった。

「河童少女」と書いて、「エンコウショウジョ」と読む。

エンコウ?

河童がエンコウ? ……援交?

普通に「えんこうしょうじょ、下さい」といえば、相手にそのように脳内変換されてしまいそうだ。

河童少女 (ぶんか社コミックス) Book 河童少女 (ぶんか社コミックス)

著者:明智 抄
販売元:ぶんか社
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エンコウ……猿猴、であった。

エンコウとは、河童のような姿をして水の中にいるが、「親に殺されたり、捨てられた子ども」の成れの果てである。

この本では6編の「E・N・K・O・U」が収められており、「子を殺す親(大人)」の物語がつづられている。

明智抄の作品は、明智抄にしか描けない。

当たり前だけど、毎回そう思う。一見ユーモラスな河童や、カエル(同時収録『砂漠蛙』)の姿に秘められた哀しみを、そして病んだ人の心の底をこんな風に描ける作家はそうそういない。

慈しみながら、子を捨てるor殺すことを選択した人、独りよがりな考えから子どもを殺す人。いずれも描写は容赦が無いし、ショッキングな場面が続く。

だが、なぜ私はこんなに胸を熱くし、泣けるのだろう。
なぜ時に、救われるのだろう。 この、救いの無い物語に。

作品によっては実在の事件を髣髴とさせるものもあり、「殺す側の心理」に相当肉薄しているのではないかと思える。ホラーコミック誌連載なので、当然ホラーなのであるが、怖さの質がどこか違う。

自分の心の中を暴かれているような、そんな恐ろしさ。

初期代表作「女の十字架」に出会ってから、「なんでこの人、私が心の奥底にしまって誰にも見せていないイヤなものを、物語にしちゃうんだろう」と恐れっぱなし。そして、救われっぱなしである。だから、私にとっては誰よりも怖い作家さんなのである。

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