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2008年11月30日 (日)

鈴木先生が大変なことに~子供達と討論能力

金曜日、「鈴木先生」6巻を買った。

電車の中で一気に読んだ。前巻ですでに嵐の予感であったが、どえりゃー展開に息を詰めた。

中学教師鈴木先生は、生徒一人一人をしっかり見てくれ、いつも体当たりで指導してくれると生徒に評判。あまりに立派すぎるので、時に同僚が嫉妬でぶっ壊れるほどの先生である。
これまでも三角関係がこじれた生徒とか、友人の妹(小学4年)と肉体関係になった生徒とかのエピソードで、鈴木先生は中学生達に真摯に「性」を語った。ついでに、「ナマ派」なのも告白した。親も学校も「避妊教育」に重きをおいているこの時代に、一石を投じたのである。

その一石が、彼女である麻美さんに、新たな命を宿させてしまった。

「…うっ…」と口を押さえてしゃがみこむなんて、いまどきドラマでもないだろうというベタな展開を目の当たりにして立ちすくんだ女子中学生たち。

鈴木先生が出来ちゃった結婚?

汚い…

過剰に反応した生徒が暴走し、鈴木先生を「討議」にかけるという。

6巻はそのほとんどが、中学生達の「性」に対する討論で占められる。これまでのエピソードに出てきた子らやそれまで目立たなかった子らが、それぞれの意見をいい、時に傷つき、これまで溜めてきた物を吐き出し、少しずつ理解しあっていく。テーマがテーマなだけに、おいそれと結論なんか出そうに無い。

何が問題なのか?「出来ちゃった結婚」の是非か、教師の行動か、さらには他の誰でもなく、いつも正しかった「鈴木先生」が、そのような過ちをしてしまったのが許せないのか。

ちゃんとした恋人相手だし結婚すれば問題ない、責任さえとれば何をしてもいいのか、出来ちゃった結婚は本当に罪か、結婚という形で生まれなかった子はいけないのか……ひとつのクラスの子供達にもいろいろ出生の事情があり、「経験」のある子、無い子、皆が真剣に涙を流しながら語り合う。

で、当の鈴木先生は被告席に座りながら、何よりも彼らがきっちりと討議することを望み、誘導していく。……この討議をしていれば、きっと傷つく生徒がいるだろうことも担任としては予想していたので、早めにいつもの鈴木説法をやろうかな…と顔をあげるが中村ににらまれてすごすご引っ込むところは笑った。主役はもはや、中学生達だ。

非常に生々しい討議に、一中学生の親としてはどぎまぎするばかり。結局この討議は1巻に収まらず、次に続くらしいが……か、カーベー……wwwwwww

息子が小学生の頃、遠足のしおりに「おやつは300円以内」とあるのに噛み付いたことがあるらしい。

「300円には、消費税は含みますか!?」

息子のクラスでは、それをきっかけにちょっとした討論になったらしい。息子たちは必死で戦い、「おやつは300円以内(税別)」を勝ち取ったという。

「他のクラスのやつが、『え、ずりぃ~』とか言ってたけど、そう思うんなら討論すればいいのに」と、当時の息子は語った。非常に個性的な子で、いろいろご迷惑をかける子であるが、私もその意見には賛成した。私もそうだが、子どもたちは権利を与えられるばかりで、どうもそういった能力が育たないのではないかと思う。不満があれば、理論で勝ち取る。そういう能力の芽を出させるために、少しくらい子供達には不自由をさせてもいいのではないか。

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