もしもクロノトリガーが
夕食を作りながら娘とわいわいしゃべっていたら、PCとDSをやっていた息子が人差し指を口にあて、「し~っ」とやった。
「DSのマイクで音声拾っちゃうから…」
何のゲームをしているのか知らないが、音声入力対応って、大変だな。
一応声を潜めながら娘と「そういえば『君のためなら死ねる』とかあったね~」などと話しているうちに、二人でとある妄想に入ってしまった。
☆もしもクロノトリガーが音声入力対応だったら☆
電車の中。私はDSLを開け、クロノトリガーを再開した。ボス戦。おもむろに、私は叫んだ。
「いろじかけ!」
周囲はぎょっとしたが、気にしてはいけない。これはエイラが、敵からお宝をいただくわざの名前だ。お色気たっぷりに誘惑するエイラ。箱が飛んできたが、残念、「気持ちだけだった…」だった。たしかこのボスはおいしいアイテムを持っていたはず。これをもらわないうちは倒してはいけない。私はマールのゲージがたまるのを待ち、こう叫んだ。
「ダブルいろじかけ!」
さらに車内が凍り付いてしまった。気にしないで下さい、これはマールとエイラのれんけいわざで、お宝を盗む確率をあげるものだから。しかし、「音声が認識できません」のメッセージが出た。しかたない、もう一度。
「ダ・ブ・ル・い・ろ・じ・か・け!!」
小さい子連れのお母さんが、慌てて隣の車両に移った。が、無事にアイテムゲット。…と、アイテムに気を取られてばかりで、マールが瀕死になっている。回復しなくては。
「ベロロンキッス!」
☆
クロノトリガーが音声入力対応じゃなくて、本当によかった。
☆ ☆ ☆
夕方、珍しくバイトが無く、遊びにも行かなかった息子が体の不調を訴えた。「なんか、息が苦しい~……あ、今日俺、全然外に出ていないからかな」
ふ~ん、と聞いていたら息子がはっとした。
「引きこもりの分際で、俺、何を言ってるんだ( ゚д゚)Σ???」
…え、引きこもっていたっけ、あんた??? 最近は学校に行ってるし、バイトもやってるし、一度遊びに出かけたら、朝まで帰ってこないこともザラじゃないか。むしろ放浪癖のほうを心配しているのに。
「『俺は日本に引きこもってる』とか言うわけ?」
ワールドワイドなうちの息子。
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