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2009年1月12日 (月)

鎌倉に行って参りました

ディシディアのスペシャルデーにも関わらず、娘と一緒に鎌倉へ。

歴史や地理がさっぱりだめで、方向音痴。電車などの乗り物にも弱い娘をなんとか鍛えようと、何かにつけて連れ出すようにして何回目? 今回は「海街diary」の舞台ということで、「すずちゃんの鎌倉さんぽ」を片手に出かけることに。

すずちゃんの鎌倉さんぽ―海街diary (フラワーコミックススペシャル) Book すずちゃんの鎌倉さんぽ―海街diary (フラワーコミックススペシャル)

著者:吉田 秋生,海街オクトパス
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すずの暮らす街、鎌倉をあの名場面とともに満喫しよう!というコンセプトだけど、娘はグルメページしか反応しない。不安。

まずは北鎌倉へ。ここから名所をたどりつつ鎌倉駅・小町通り・鶴岡八幡宮へのスタンダードなコースを行くことにする。「どこ行きたい?」「別にどこも行きたくない。早く帰りたい。あじさいソフト食べたい」の娘を、いかに楽しませるか。

細い旧道は、観光ルートということもあって車も人もびっしり。「人ごみ、キライなんだけど」というぶつくさ言う娘だが、コミケには嬉々としていくんだよね、不思議。しかし人が多いからこそ沿道はみやげものやおいしいものを扱うおもしろそうな店がいっぱい。あれもこれもおもしろそう、おいしそう、でついつい買い物。

まずは紫いもコロッケを二人で食べた。甘くなくておいしい。いもや栗が嫌いな娘が、珍しくねだった逸品。

次は香ばしい焼きたてのおせんべい。私はおせんべいが嫌いだけど、この香りにはついつい惹かれる。ちょうど席が空いたので、座ってぽりぽり。……見ると、おじさんが落としたせんべいをそのままおしょうゆにつけて売っていた。……のどかというか…。

銭洗い弁天をめざして亀ヶ谷切り通しへ。山の多い鎌倉には数多く切り通しがあって、昔から行きたかったのだ。

Kamegatani ……昔に行けば良かった。

風情はあるが、胸を突くような坂。ありえない~というくらいの傾斜に心臓はバクバク、息がはずむ。

「まじやばくね?」娘も驚く。が、意外と楽しんでいる様子。廃屋らしきもののあるこれまた急な下り坂を降り、住宅街へ。

さて、銭洗い弁天は……あちこち表示があるが、今ひとつわからない、複雑な道だ。ようやく細い道に「←銭洗い弁天」という看板を見つけ、入る……入るが、この先道があるように見えないけど……

我々が迷い込んだのは「化粧坂切り通し」というところだった。「銭洗い弁天まで600メートル」という表示もどこかで見たが、それは直線距離か?単純な道のりか?

高さは入っているのか?

坂なんていうものではない、立派な登山。

Kewaizaka 地面は湧き水のせいか濡れ、ところどころ凍ってるし、苔むしているし。写真ではわかりにくいけれど、傾斜がすごい。
振り向けば真下に住宅街があるし、かなり怖い。

息が切れる。足が重い。ゆっくり、慎重に上る私。

「まじぱねえっすwwww」
「まじぱねえwwww」

上を見るとトンビらしき猛禽類の影。なんかすごいところに来てしまった……しかし結構娘は面白がっている。

ようやく上りきった。もうちょっと上にある「源頼朝像」は、娘はパス。せっかく来たのに…。頼朝公は、ここから鎌倉を見下ろし、今も守っているかのようだった。野鳥の会のみなさんが何か観察。声をかけてみると「ノスリ」がいるのだそう。

「水分とりたい」と娘がいうので、自販機で温かいお茶を購入。こんな高地だけど、値段が変わらないのはうれしい。のどを潤してしばし休憩していると、
「は、走ってる……」
「えええ…」
海蔵寺方面から男女の団体?が、ボディスーツに身を包み、リュックをしょってすごい勢いで急な下り坂を走っていく。

歩くのも怖いのに…

私だったら確実に下まで転がり落ちる。なんか、人間ってすごい。

ようやく中腹に銭洗い弁天を発見。こ、こんなところにあるのか……

「なに、銭洗い弁天って洞窟の中にあるの?引きこもりじゃね?引きこもり弁天だね」

反抗期の娘が失礼なことを言いながら洞窟を抜ける。しかし、幾重もの鳥居、熱心に参拝する善男善女、銭洗い弁天ワールドに娘もつい、引き込まれる。

100円で線香、ろうそく、かごを借り、ろうそくと線香を供えて参拝(実質これが初詣)いよいよ銭洗いへ。
「お札洗うのってありえなくね?」と、当初娘は言っていたが、皆さん結構お札を洗っている。一応しないで下さいと張り紙がしてあるが、線香の火であぶって乾かしている人が大勢いた。燃えちゃったら怖いなあ……しかしここで洗ったお金は倍になって返ってくるとなれば、洗わにゃソンソン♪だし。

でも私は控えめに1000円札1枚と500円玉1枚。娘も控えめに小銭を洗っていた。

娘が大好きなおみくじも引いた。私は末吉、娘は凶だった。二人でひとつひとつ読み、身を戒めた。ことに娘は慢心、怠惰、攻撃などの情緒不安定な状態なのでひとつひとつ言って聞かせた。

下界に降りた。さあ、「海街」にも出た佐助稲荷だ。朋章とナゾの男が密会したあの場所……と楽しみにしていたが、見事に通り過ぎてしまった。意外と目立たないらしい。
「えーっ!後ろ500メートル!通り過ぎたの~!」と私が嘆くと娘が
「うん、さっきひっそりあったよ」
「言ってよ~~~~~~orz」
これを楽しみにしていたのに。
しかし男二人が暗がりへ……という異様な雰囲気なのは、理解。

さて、鎌倉駅前へ。美観のためか、シックな色合いのマクドナルドに娘も感動。
参道と小町通をぶらぶらしつつ、鶴岡八幡宮へ。私は約20年ぶり。しかしまだまだ初詣の時機らしく、ここもすごい人だかり。というか、娘、屋台しか見ていない!

さあ、スーパーグルメ&おみやげ購入タイム。念願のあじさいソフト(紫いもソフト&抹茶ソフト295円)を食べ、漬物やかわらせんべいなどを購入。しかし楽しい街だ。あの店この店どれも素敵で、このところ全然沸かなかった購買意欲がリミットブレイク!

「さっき洗ったお金、使ったほうがご利益があるのよね♪」といいつつ、それ以上の散財を始めてふと我に返った。

これは、銭洗い弁天の巧妙な罠???

洗ったお金をお守りに、ではなく「使ってこそご利益が」で、善男善女はどれだけこの町で散財しただろう。弁天様のおかげで、どれだけこの町が潤ったことだろう。すごい集金システムだ。
「鎌倉マジックだ!」
娘もその恐ろしさに気づいた。あれも欲しい、これも欲しい、一度開いた財布はとめどなく開く。

このところ不況で人も金も動かない悲惨な状況を見ている身だが、ここはそんなことが嘘のよう。活気に満ち、おもしろい。だからおもしろい事業者も集まる。老舗も新規参入もしのぎを削り、このワクワク感を演出している。不況であればこそ神頼み、ということもあるのだろうし、たしかに「鎌倉マジック」を感じた。

海街作中に出てくる「鎌倉カスター」を行列して買い、江ノ電へ。後半へ続く。

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