漫画と季節感
テレビで、「凧揚げをして正月気分を楽しむイベント」のニュースと娘と見た。
「そういや、うちって凧揚げしたことないね……」
子どもが小さい頃、夫に何度も正月らしい正月をしようと言ったのだけど、夫はまったく興味を持っていないようだった。だから、うちの子供はおせちやお年玉はともかく、凧揚げや独楽遊びをしてないし、羽根突きもやっていない。まあ、平成生まれの子ども達では、そう珍しいことではないかもしれないが。
「そういえば、最近の少年漫画とか、そういうネタがないと思わない?」
娘が、ひざを打った。
昔、私の子供の頃の漫画といったら、正月には羽根突き、初詣、福笑い、お年玉といったネタで埋まったものだ。
節分には豆まき。
春には花見。
夏には海水浴でスイカ割り。
秋には焼き芋。
ついでに、銭湯ネタというのもよくあって、もう銭湯なんかなくなったような時代でも、主要キャラクターがみんな「風呂が壊れた」と銭湯に集合、という漫画も見られた。たまに旅行するなら、商店街の福引で当てるのだ。こんなパターンの中でキャラクターを回すのが、児童向け漫画だったのだ。
高橋留美子は、このパターンをよく使っていた。「うる星やつら」が懐かしい。夏には美少女たちの水着や浴衣、初詣では振袖姿が誌面を彩った。少年少女向けのラブコメでは、浴衣姿にドッキリ、おみくじにドッキリ、でストーリーが進んだ。
「しかし、今は見ないよね……殺人ノートの話とか、殺人ウイルスで日本が滅ぶとか言うストーリーで、いきなり振袖ヒロインが『あけましておめでとうございまーす』とかw
「ちょwたしかに。『D.Gray-man』とかでも、そういうノリはないな。銀魂とかも…」
「『銀魂』(まだ読んでないけど)は、まだあるほうじゃない? ちょっと異常な正月になってるかもしれないけど」
「あーそうだwテニプリは…」
「あれは、別の意味でありそう。いきなりキャラクター達がおせちつつき始めたり」
「あるあるw」
ジャンプ系はあんまり読んで無いのであくまでイメージだけど、娘が激しく同意してくれたので、大体合っているのかも。
そんな少年少女漫画のなかにあって、もはや唯一かもしれないくらい、そのパターンを行くのが「さよなら!絶望先生」だろう。
恵方巻やひなまつりに花見、七夕、お盆などなど季節ネタと時事ネタを盛り込み、美少女達の水着や浴衣、振袖姿を楽しませてくれる。そろそろ全員のお風呂が壊れて銭湯に集合するだろうか。一体何度、高校2年の夏を迎えるのか。
「その絶望先生だけど、この前の号ではネタがいっぱいの正月に合併号で休刊になるのに絶望してたよ」と教えると、娘はころころ笑っていた。
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