鎌倉へ行ってまいりました~江ノ島編
江ノ電で、江ノ島に行くことにした。
のんびり、ぶらり、ローカル路面生活電車の旅……というイメージは今は昔。休日ともなれば観光客で殺伐とする電車になっている。
人ごみと乗り物がキライという娘、駅のホームにびっしり並ぶ人を見て超不機嫌モード。だからてめえは俺のことがわかってないんだよ、イヤだっていってんだろ、あーもう死ぬしかないな、などとブチ切れて愚痴愚痴言うが、もう、私もスルースキルを身につけた。周囲の皆様には驚かせ、不快にさせて申し訳ないが、この子、この状態で恥ずかしいからといって家に閉じ込めていては、ダメ。
まあ、混むといっても、通勤電車に比べれば余裕。娘には負担かもしれないが、こういう環境に適応できなければ、首都圏では何もできないからね。……てか、あんたコミケに行くバスは平気じゃないのかと。
途中下車をしながら、江ノ島へ。なんだかんだで風光明媚。4姉妹が住む家の最寄り駅極楽寺。朋章がサーフィンしていた海が眼前に拓け、「海街diary」1巻の表紙になっている鎌倉高校駅を通過し、みぽりんの家があると思われる腰越を通過。気分が悪くなったと降りた七里ガ浜駅では、目の前の家などをウォッチング。すごい地形に立つ家は見所満点。やっぱりここでも娘の恫喝を右から左へ受け流し、まあ、まずはせっかく遠くに来たのだから普段見られないものを楽しもうやと、見所を探すコツを教える。気づくと、娘も楽しみ始める。
やっと江ノ島駅についたが、もう4時。
「疲れた。休みたい。何か食べたい」
うん、同意。時間はあまりないけれど、ちょっと休める場所があるといいなあ。
でも、あまり甘やかしてはいけないし。
「そうだねえ。でももう随分食べたし、シラスソフトとか、そういうのがあったら食べてもいいけどねえw」と答えた。
「ちょwwwwwしらすソフトwwwwwしらすアイスとかwwwwwww」
「まあ、そのくらいインパクトないとねえ?wwww」
などと冗談を言いながら、江ノ島への道を歩いていると、こじゃれたイタリアンのお店を発見。
「本日生しらす入荷!」
の文字が目に入る。シラスはこのあたりの名産で、海街でもたびたび出てくる。ミポリンはしらす猟師の娘だし。生しらすを買って帰るのはあきらめていたけれど
「生しらすカルパッチョ」580円の文字に心が躍った。少し足を休めて、トイレも済ませたいし、しらすカルパッチョと鎌倉ビール、娘はケーキで休憩しようかな。
意気投合し、入店。ファミレスやカラオケボックスやネカフェしか知らないような娘には、ちょっと新鮮なオシャレなお店。恭しく接客してくれたお姉さんに注文。
「生シラスのカルパッチョと…」
お姉さん、顔を曇らせた。
「申し訳ございません。生シラスは切れてしまいまして……シラス抜きの魚のカルパッチョなら…」
ええええええええええええええ((BREAK)それが目当てで入店したのに?
「じゃあ、コーヒーで。チーズケーキと、紅茶で」
「お食事は、よろしいですか?」
いいです……。
とりあえず足を休め、お茶を飲み、回復。トイレはオシャレだし、それはそれで満足。娘にもこういう観光地ではトイレは絶対行っておけと勧めた。伝票を見ると、チーズケーキ500円。メニューには「ケーキ380円~」としかなく、娘は気を使って、一番安そうなこれを注文したようだけど。まあ、こういうオシャレなお店にはよくあること。文句を言うのも野暮というもの。娘、「すごくおいしい♪」と喜んでいたのでよし。
潮風、波の音、夕日。
トンビは、ここでは本当に凶暴化していて、あちこちに「トンビに注意」の看板を見るけれど、気流に乗って舞う姿は美しい。かもめとトンビが夕空に舞い、魚を狩る姿はそれはそれで美しい。
江ノ島は、鎌倉とはまた違ったノリで、娘に言わせると「ださい」
けど、そのダサさがたまらない。酷評した娘でさえついつい夢中になるダサさ。しかしおいしそう。
で、「しらすアイス」を見つけてしまうわけだ。
「ちょwwwwwwwしらすアイスwwwwこれがあったら買ってくれるっていってたよね?w」
「ちょwwwww斜め上の発想、観光地まじぱねえw ……けど、あんた寒いって言ってるし、もういいよね…?」
「食べる!これは食べないわけにはいかない!」
というわけで、しらすアイスとしらすコロッケを食べる。どこまでも観光地の罠にはまる私達。けどそれが楽しい!
しらすアイス、本気でおいしかった。甘さ控えめ、塩味で、しらすも入っていて。娘、しらすアイスだけでも湘南に通いかねない勢い。
また参道の土産物屋を冷やかしつつ、弁天様参拝。……W弁天さま参拝って大丈夫なんだろうか。
空には満月。夕闇に浮かぶ夜景は美しく、てくてく歩きながら部活のこと、対人関係のこと、いろいろ話した。こういう時間を持つのも、このお出かけの目的。
先ほど生しらす売り切れだったオシャレな店だが、あれから1時間以上たった頃に通っても、まだまだ「本日生しらす入荷!」で、「生しらすカルパッチョ580円」の黒板はそのままだった。「アラ、生しらすカルパッチョですって」と立ち止まる観光客多数。…きっと、そう思って入って、「もうしわけありません」→「じゃあ普通の海鮮カルパッチョで…」というお客も多数だろう。
「これは、江ノ島の罠だねw こんなに時間が経っても、この看板引っ込めないって、立派な釣りだわw」
「あーw」
歴史や地理はどうかわからないけれど、結構娘の社会勉強になったと思う。
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