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2009年3月19日 (木)

「彼らの犯罪」~樹村みのり~を手に入れた

彼らの犯罪 Book 彼らの犯罪

著者:樹村 みのり
販売元:朝日新聞出版
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沈黙の少女漫画家・樹村みのりさんが、また作品を出していた。

と、えらそうに書き始めたが、私は彼女のことを本当に何も知らない。子供の頃からなんとなく見ていた作家で、「マモル君が死んだ」を著すようなすごい力量を持ちながら、同期の少女漫画家のような華々しい活躍はなく、ふいっと消えた人、のような印象。

が、地味に活動されていたんですね…orz

この本は、3つの大きな作品と、いくつかの短編が収録。3つの方は、同世代の方なら誰でも思い当たる、「あの事件」の裁判傍聴記や体験談を主体にしている。

若い女性を監禁、複数で暴行し、死に至らしめた少年(当時)達。
暴力と怠惰に耽る息子を悲観し、殺害した良識ある夫婦。
お金の要らないユートピア……その手口。

生々しい言葉の描写に胸が詰まる。が、やはりいつもの「樹村スマイル」。

多くの登場人物たちが、微笑を浮かべながら、陰惨な事件や恐怖を語る。

作者の目線は、微笑を浮かべながらも怜悧だ。被害者、加害者の双方に思いを馳せながら、見事に事件を分析していく。

いつもながら、私小説的な作風の方なのでどこまでがノンフィクション、どこからがフィクションなのかもよくわからないが、物語として楽しみながら、常人には理解しがたい事象を読み解ける心地がする。

……これらの作品が、樹村みのり「空白」の時代に描かれていたことを、目次で知る。

で、2つめの「親が・殺す」は、私への良い戒め……。

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