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2009年7月13日 (月)

娘が修学旅行に行ってきた

新型インフルエンザ渦で延期になっていた娘の修学旅行がなんとか行われた。観光地ではじける娘、あれほど「余計なものは買うな」と言ったのに、山のような八つ橋と、漬物、そして私にせんとくんのグッズを買ってきてくれた。ありがとう~せんとくんはうれしい!

娘は京都・奈良のあれこれを語ってくれた。私にとっては京都・奈良は故郷のようなもので、何度も行ったものだが、娘が「んで、飛鳥寺行って~~」というのに思わず興奮。

「あ、飛鳥行ったの???うらやましい!」

私も小学生の頃にわがままを言って祖母に飛鳥に連れて行ってもらった。手塚治虫の「三つ目がとおる」に触発されたのである。奈良とは言っても奈良中心から離れているため、二度の修学旅行では立ち寄ることが出来ずあれっきり。しかも電波ゆんゆんオカルト娘だった私は、石舞台くらいしか現物を拝めずなんだか消化不良。しかし、飛鳥大仏のお顔と、近くの民家でかんぴょうが干されて揺れている情景は懐かしく思い出されるのだ。今もあんな牧歌的なのだろうか。ゆるキャラがうろうろ愛想を振りまいてたりするんだろうか。

「んで、なんかの首塚に行って~」

うわあああああ懐かしい!私も行った。何もわからないまま「心霊写真でも撮れないかしら」と写真を撮った痛い想い出がある。…が一応娘も受験生。一応、突っ込んでみた。

「なんかのって…なんだよw」
「え~なんか知らん。なんかここまで首が飛んできたとか」
「……蘇我入鹿じゃないの?」

何でそんなことが起きたのかは知らなくても、なんとなくみんな知っている645年「大化の改新」。まさにそこが現場なのだ。ついでに、蘇我入鹿といえば、娘も学校で読んだ「日出処の天子」の続編にも出てくるだろう。その飛鳥は、あの舞台なのだぞ。飛鳥に行くなら、もうちょっとその辺を話してやればよかった。

漫画で歴史を勉強するのは邪道だが、漫画から何か興味を持つことは有りだと思う。私なんか全編、それだw漫画のおかげで運動音痴のオタクなのに野球や釣りの話ができるので、今営業職でも役立っている。

「日出処の天子」も本当におもしろく、そのまま図書館でその時代の本を読み漁った。この漫画は実に大胆な設定で、「そんな馬鹿な」と思いながらもついつい引き込まれる魅力に溢れている。「どこまでが本当で、どこからが創作なのか」と興味を持って調べたが、ちゃんとつじつまを合わせているのに、もっと驚いた。……いやもちろん、聖徳太子がホモの美形で超能力者などとはさすがに当時も思わなかったがw、史料が少ない古代だけに「嘘はほぼ言って無い」レベルにまでいっている。これを教科書代わりにしてはいけないが、まるっきりでたらめでもないのだ。そして、おもしろければなんぼのもんだ!

で、いろいろ本を読みふけっていて気づいたことがある。今度娘に問いかけてみよう。

「日出処の天子の中で、誰が一番勝ち組だと思う?」

強力な豪族・物部氏は蘇我氏に滅ぼされた。世は蘇我のもの。天皇との結びつきも大きく、主要人物のほとんどが蘇我の血を引いている。主人公・厩戸皇子もまた例外でなく、ラストでは伯母を推古天皇に仕立て、操りながら蘇我本家をもしのぐ実権をつかむことを示唆する。

が、すぐに描かれた続編「馬屋古女王」では、厩戸皇子の築いた上宮王家の終焉をほのめかす。蘇我氏もまた、すぐに大化の改新で歴史の表舞台から退けられるのを小学生でも知っている。

そのあと頭角を表すのが、彦人皇子の子・田村皇子なのだ。

押坂彦人皇子といえば、「日出処の天子」の中ではいつも「コホ」と咳払いをしながらコマの角に適当に描かれていたチョイ役。敏達天皇の長子ではあったが、生母が蘇我氏でない広姫であったため皇位争いから外れてしまい、この物語の中ではとことん脇へと寄せられ、舎人の淡水が活躍した時も小人物っぽく描写されている。明らかに人生の負け組。しかし何も野心を持たずに皇子として生き延びてみれば、息子が舒明天皇となり、天智・天武天皇が生まれ、持統が生まれ、天皇が最も政治に関わり国家の基礎を作る時代を作ったわけだ。この血統はなんだかんだで今に続いているのだから、美形の厩戸皇子や毛人なんか目では無い。娘よ、嫁に行くならこの男だ!w

というわけで、歴史はおもしろい。

いつも自分のブログのトップにある「検索フレーズランキング」を妙に楽しみにしている。ああ、なんという混沌。自分の興味の幅が節操無いのでいつもすごい「闇鍋っぷり」なのだ。

しかし今日の闇鍋っぷりは凄まじかった……「雅子様」「愛子様」「皇太子」「廃太子」「平成皇室論」というなんだか恐れ多い検索ワードに混じって「クラウド 女装」とか! 「ロリコンフェニックス」とか!

ついでにランキングには出ないけれど「いうことないからちんちんだー」というフレーズで来てくださった方もいた。先日は「セフィロスの育児日記」という、私も書いた覚えが無いものがランキングしていて驚いた。自分でも予想がつかない闇鍋が、このブログである…orz

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コメント

歴史は面白いですよね。
まぁよく分かりませんが…。

投稿: たかきち | 2009年7月14日 (火) 04時08分

たかきちさん
何事も、興味を持つことですよね。

投稿: 闇鍋奉行 | 2009年7月14日 (火) 07時21分

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