「沈夫人の料理店」を娘と愉しむ
今日は仕事の合間に都合が良かったので、夏休みの娘を誘ってランチをともにした。
開店したばかりの中華店。もとはおしゃれな洋風店(イタリアンだったかな~)だったところに中国人が入ったのだが、これが意外と評判が良い。値段も手ごろだし、おいしいものを食べよう!と。
二人とも「海鮮丼」を注文。ランチで800円。さほど高くは無い。
ああ、熱い。炒められた食材がそれぞれ、油に包まれていつまでも熱く、食感と味を保っている。味付けは品良く、付け合せのザーサイもスープも薄味だがしっかりしている。「これ、何かなあ」と娘が食べた点心は、バナナのフライだった。
満足したのと、娘とちょっと盛り上がったので「銀耳」のスイーツを追加。「インアル、食べようか」「え、まじ?」
「沈夫人の料理人」の中で、「美容に良い」と話題になっていた白きくらげ・銀耳。従姉妹の苦境で、奥様も口に出来なかった貴重な食材だ。これで母娘ともども美しくなるどー! (1人前200円)
そう、あの極上のSM料理漫画「沈夫人の料理人」が、時代を変えて「沈夫人の料理店」として誕生、待望のコミックスになったのである。
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沈夫人の料理店(1) |
時代は近代。が、人物設定は変わらない。
愚直だが、窮地に追い込まれるほど本領を発揮する料理人・李三。
その才能を見込み、李三を助けつつ追い込み、舌を満足させる若く美しい沈夫人。
李三の困った兄や、沈夫人の小間使い愛蓮など、人間関係はそのまま。しかし前作がお屋敷のゆったりとした空間の中で完結していたのに対し、今度は激動の時代を背景に、奥様の経営センスと、李三の腕が描かれることになる。
正直、それほど期待していなかったのだけど。
ああ、頁を繰る手が止まらない。
あの官能的なまでのSMっぷりや料理薀蓄は、前作が勝る気がする。李三は沈家に「買われた」料理人。その身分の儚さと、別世界のように気高く美しい奥様との「差」。それがあの絶妙な関係を醸したと思う。
今作では、李三は変わらず奴隷根性まんまの愚鈍さ。
奥様は世界情勢を把握しながら夫の付属品に終わることなく、自己の才覚と舌、そして李三に賭ける。
李三を「買う」のではなく、「雇う」。
いささか身分差は変わってきた。世界は、動いている。このあとどうなっていくのかと、期待は膨らむ。
……が、とにかく奥様の白い喉が鳴り、
奥様の紅い唇が脂を帯びて微笑む。
それだけでも幸せな私は、料理の才能に欠ける李三か(*´Д`)。
☆
銀耳のスイーツは、私には上品な甘みがひんやりと心地よく、楽しめた。こういう中華系スイーツって、某有名愛○子店で昔「なんだこりゃ…」と思ったし、日本人の感覚からは「甘すぎる」イメージだったが。
が、娘は不満。「なんか、水あめを薄めた感じ」…うーん、ココナッツミルク味とかの方がよかったかな?砂糖嫌いの私にはおいしかったけどなあ。
娘はメニューを見て、芝麻球に「あーこれで『ホフホフ熱い…』と海原雄三ごっこしたかったわ」と言う。
漫画ごっこをするために、食事するわけではないのだけどw
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