期待するから、厳しくなるよね
いろいろFF13をほめたたえている私だが、大満足かというと、やっぱりそうではない。
定評のグラフィックだが☆5つを満点とするなら
☆☆☆☆・
くらいだ。息子はもっと手厳しく、2つ、せいぜい3つだという。
背景は美しいし、キャラクターはかっこいい。
が、それはPS3ゲームとしてはごく当たり前のこと。ちょっと名の知れた大作だと、どれも負けず劣らずリアルで、緻密である。PS3の性能をそのまま評価にするわけにいかないのが、FFブランドだろう。これまでそのハードの限界に挑んできたのだから。
息子はメタルギアソリッドの最新作を例に挙げる。冒頭、主人公の老いた姿に衝撃を受けたという。刻まれたしわ、白髪…それが肌理の細かいところまで描写されるところが、「PS3の能力を生かした!」と思えたそうだ。
FF13の冒頭も、大容量を生かした美麗ムービーが流れる。ライトニングのアップを性能のいいテレビで見れば、目じりの小じわ、肌理、毛穴、かすかな隠れシミまでしっかり見える。すごい。たしかにすごい…が、あまりうれしくない。(ライトニング的に)
極端な話、漫画チックなキャラクターでも構わない。実際にはあり得ないような「究極のファンタジー」を楽しみたくて、ゲームを起動するのだ。見たいのは、ハリウッドムービーではない。日本の、ちょっとオタクチックな雰囲気のある「ファイナルファンタジー」なのだ。
FF13冒頭シーンと、FF7の冒頭シーンの酷似についても息子と話した。ライトニングの風貌はクラウドと良く似ているし、元精鋭軍人という設定、それに期待するレジスタンス黒人、彼らを乗せながら未来的な幻想都市に到着する列車……
「劣化だな」
息子は吐き捨てる。非常に酷似しているが、FF7のそれは短時間で世界観を理解させ、列車のアナクロなデザインを際立たせながら、プレイヤーを興奮させて「元ソルジャー1st・クラウド」としての冒険に旅立たせた。
が、私はクリアした今も、「コクーン」の全容をつかみかねている。
なんで、「コクーン」を瞬時に理解できるような映像がないのだろうか。これを理解しなくては、物語もわからないのではないだろうか。
体験版や、冒頭の印象では図れないようなかなり広く美しい土地であるし、まずはこれを見たかった!
美しく、緻密な映像にはおおむね好感を持っているが、キャラクターも背景も、何もかもどこかの映画か、FFシリーズか…で見たことのあるようなデザインばかりなのも残念。「ファンタジー」なのだから、もっと冒険してもいいと思う。空は青い、植物は緑、水は美しく澄んでいる…なんていう固定観念にもとらわれる必要はない。一か所でもいい、「こんな場所、見たことない!」と感歎できるような風景があればよかった。昔のスーパーファミコン「クロノトリガー」のドット絵で描かれた古代の浮遊大陸や、時の最果てのほうがよほど新鮮というのはなんなんだ。
丸い「繭」の内側に、多くの街や山河、海があり、多くの人々がファルシによって何の不自由もなく生活している世界…
これをきれいに描写するだけでも物語への理解と期待を深めたことだろうにと思う。
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コメント
私は★3つですね。
世界観と戦闘はいいと思いますが、ストーリーや演出は微妙な部分が多かったですね……
7章ではライトニングさんが悟り始め「飼われていたんだ!」…!?(゚Д゚)…!?(゚Д゚)…ポカーンでした。
投稿: クスオ | 2010年1月 7日 (木) 07時20分
クスオさん
おー結構厳しいですね。
「飼われていたんだ」は、私はさほど違和感を感じず「ポカン顔のライトニング姐さん、可愛い」とか思ってしまったのですがやっぱりこれももう一工夫で問題なく理解できたと思うんですよ…これまでぬくぬくとファルシに守られ、安寧な生活を送っていた彼らが、下界のルシになることによって徐々に矛盾に気づいていき、狭いコクーンの中で「飼われる」存在にすぎなかったと気づくのに至るエピソードと、コクーンの全景。最初のシーンではコクーンはとても理想郷とは思えないし、息苦しくて「とっとと下界に行きたいなあ」なんて思ってしまったので
投稿: 闇鍋奉行 | 2010年1月 7日 (木) 20時13分
早く外の世界に出たくてたまりません。。
ずっとフィールドが屋内で、
しかも機械的なものばかり。。
暗い気分になります><
オープニングのような広大な台地がもっと見たいです。
自分でも作られた自然(テレビかつCG)が見たい
と思うことにびっくりしました。。
投稿: ぼん | 2010年1月 7日 (木) 20時39分
ぼんさんようこそ~!
早く下界へおいでませ~…コクーンの中にも風光明媚なところがありますが、全般的に狭くて暗くて冷たいですよね…でも、もう戻れないと思うとなぜか恋しいコクーン…早く2周目やりたい…
下界は広すぎて、雄大すぎて困る部分もありますが、かなり自由に冒険できます。頑張ってください~
投稿: 闇鍋奉行 | 2010年1月 7日 (木) 21時00分