歴史と文学と芸術と心理を学ぶ教科書
ふと入った本屋さん。
私は基本的にコミックスフリークで、仕事で訪れる各街に、お気に入りの本屋さんを持っている。それはたいてい、コミックがわかってらっしゃる店員がいるのであろう本屋さん。…いやあ、すべての紙媒体が厳しい世の中、本だってネットでぽちっと買える時代だ。そのくらいのこだわりでもないと、とても生き残れない。
そういう店の多くは、注目コミックの「お試し版」を置いたり、店員さん渾身のPOPを置いたり、ああ、もちろんコミックスにも「カバーおかけしますか?」は必須だ。昔近所の本屋はカバーどころか「コミックスの注文・取り寄せは受けません」くらいの態度でいて、結局いなくなってしまった。質の高い本にこだわるのも結構だが、コミックス=低俗と、お客まで一段低く見ていては…そういうことになるのだろう。
その、ひっそりとした駅前の小さな小さな本屋にふらりと立ち寄り、今すぐ読みたいコミックスを、少し悩んで買ったことがある。そこは今時珍しく、コミックスにビニールをかけておらず(そのくらい店主の目が届く小さな店だということか)、こぎれいな店であった。
レジに持っていって精算。すると店主の老人は、支払いを済ませる間に鮮やかな手つきでカバーをかけ、おまけにレシートをしおり代わりに挟んで渡すのだった。
…ああ、こういう店だから、生き残っているのか…!
なんとなく印象に残り、息子にも話して感動させたことがある。
その店で、またふらふらしていたらNHKのテキストコーナーが目に入った。
小さくとも、「知」を売る店という自負があるのだろう。レジ前に素晴らしく充実したこのコーナー。そのなかでNHK知る楽「怖い絵」で人間を読む というのに引きつけられてしまった。
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探究この世界 2010年2-3月 (NHK知る楽/月) 著者:中野 京子 |
あ~楽しい。ここ数年電車の中では携帯ゲームだったけど、夢中で読みふけってしまった。 絵画の数々を、描かれた人物や事象、描いた人物、それを手にした人物、時代背景などについて解説し、絵の読み方を教えてくれるテキストだった。こんな番組、やってたんだ~!文章も私レベルでも非常にわかりやすく、わくわくしながら読めるもので、歴史嫌いの娘にも激しく読ませたいくらいだ。 |
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