娘に「怖い絵」を読ませるよう努力してみた
本と言えばラノベかBL、mixiやツイッターやニコ生に夢中でろくに本を読もうとしない=歴史も文化もわからない娘に、先日気に行ったNHK「知る楽」のテキストを勧めてみた。
このくらいの年の女の子は、猟奇的な話が大好きだ。
同性愛や近親相姦、拷問に処刑、性病の歴史や売春の歴史、そんなおぞましい話が大好きだ。
そんな「痴的」好奇心でもいい、なんでも興味を持てばそこから「知」への道が拓けてくる。
…何もしないよりはましであるorz
しかし娘、なかなかこの美味しいお菓子に飛び付かない。親が薦めるものなんて、どうせ苦い薬だろうと踏んでいるのだろう。
そこで少しずつ、題材になっている絵を見せたり、興味深そうなエピソードを読み上げてみる。マリー・アントワネットが処刑台に引かれていくところのスケッチとか、イワン雷帝が息子を殺してしまった絵とか…どうだ、楽しいだろう!
ちらちらと、こちらを見始める。釣りでいえば、竿先の動きに釣られて獲物が興味を持っているところだろうか。が、なかなか食いつかない。そこで私は大きな餌をまいた。
「ほら、このゴヤの『我が子を食らうサトゥルヌス』。サトゥルヌスは、サターンの語源になったんですって」
この絵は、誰の心も凍らせる恐ろしい絵だ。まずこれに魅入られない乙女がいるだろうか。
「サトゥルヌスは、自分の父・ウラヌスを殺したために、同じように自分の子供に殺されるという予言を受け、こうして我が子を殺していく、という話ですって。で、サトゥルヌスがウラヌスを殺した時にピーーーーを切り取って海に捨てたら、そこから生まれたのがヴィーナスですって」
この本では、これまた有名なボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」にもつなげていく。それぞれの絵を知っていても、なかなかその神話や元ネタに触れる機会がないので、この二つの絵が連続した物語になっているとは知る機会が少ない。ああ、そうなんだーという知的興奮とともに訪れたのは
「…セーラームーンで想像したらいやだなあ…」
というイヤな光景だった。
娘は、この大きなエサに食いついてきた。
「ピーーーーって…ちんこか???」
うら若き乙女が、そんな言葉を口にするもんではありません。
「ちんこか?ちんこなのか???」
お母さん、知りません。よりによって、そんなものに食いつくものではありません。厨二通り越して小学生男子かよ。
ただ、そのあと少し本を読んでいた。
だからこの仕事は成功といえる!
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