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2010年4月21日 (水)

引きこもり息子には鼻の穴を見せろ

ネット解約5人殺傷事件は地道に注目を集めているようで、ちょこまかと報道がされている。

「明日は我が身」の我が家だが、ちょっと驚いた話があった。

30の引きこもり容疑者は、親の財布まで握っていたと言う話である。

被害者である父親の給料を抑え、両親に9万だけを「与え」、クレジットカードも掌握してネットでの買い物に使い、借金まで背負った(背負わせた)というのだ。

な、なんでだ。

いろいろ家庭により事情もあるだろうし、こういう事件が起きたからと言って、すぐに当時者を責めることも同情することもできない。とにかくここまでこじれてしまい、こんな事件を起こしてしまった容疑者Aは、確実にいかん。もちろんそうなのだが。

私はいろいろあった弟を含め父方の男性のほとんどが問題を抱える人格なのでいろいろ学んでしまった部分があるし、どんなに「そうならないように」しようとしても、どうしても自分の思うようには育たない息子、そんな我が家の問題を絶対に解決できない社会のしくみを知り、自分なりに考えたことがある。

この事件の家は、容疑者Aのほかに二人の息子がいた…三男が内縁なのは気にはなるが、引きこもり長男よりははるかに社会に適応していたと言えよう。

羨ましい限りである。普通に考えれば。

心を病む人間は多いけれど、そこでネックになるのが、体力の問題だ。男性が引きこもりなどの問題を抱えた場合、まず、体力で親が負ける瞬間がある。子どもが小さい頃は体罰で抑えられても、10代で体力が逆転すると親兄弟が支配されてしまう。

我が家の場合は早々に夫が逃げてしまったので、私と幼い娘が残され、年老いた私の親がサポートするしかない。娘も私の実家に逃れた。私の親だって、私の相談相手になるしかない。

私の体育の成績は「3」を超えたことはない。

なんでこれで障害者認定されないのかというぎりぎりの運動神経であったので万年「1」でもおかしくなかったのだが、一応逃げずに頑張ったこととか、水泳だけはできた、柔軟は人間離れしていたこととかで1はもらわず、たいてい5段階評価の2だった。

一方夫は体育「5」の人で一応国立大出身。この遺伝子をいただけばオール5も夢ではないわね!wと生まれた息子はたしかに性格以外には申し分のない息子であった。

いささか細く、色白で弱弱しげな印象であったが、中学でのつまずきで不登校になってから、自分を苛めた連中を皆殺しにしてやる、という信念のもとに薄暗い部屋でひたすら腕力トレーニングに努め、修学旅行で風呂に入ったときには、そのたくましい腕に誰もがおののいたという。

脚力もすごい。一度、通報されたらしい。

「お宅の学生が、覗きをする」と。

80度くらいの石垣などを見ると息子は両手をポケットに突っ込み、足だけで高く高く上らずにはいられないのだ。

その先に家があり、何があろうと関係ない。2メートル、3メートル、と高く高く上る。それだけが大きな図体の息子の、「純粋な」遊び。別にそこにある民家や、その先にあるなにかにはまったく興味がないのだ。

「手段のためなら目的を選ばない」

息子が生まれる前に話題になった「機動警察パトレイバー」内、「内海課長」を評するセリフだが、まさにこういうタイプの人間が多く表に出てくることを予言したともいえると思う。この内海課長というキャラクターもいつも「遊んで」いて、それが犯罪になると言っても、そうしたいんだからしょうがない、「動機」なんかない、そうしたいだけ。

その犯罪で、利益を得ようとか、保身を図ろうとか、そういうのがないのだ。

前に書いた私の「友人」が恐ろしく内海課長に顔も性格も似ている。彼もまた、何もそれで利益を得ようとも誰かを攻撃しようとも思っていなかったという。ただ、「できる」からおもしろくてやった。それがあんな騒ぎになって驚いた…

で、それほど筋力と反射神経があり、なかなかに弁も立つ異常性格。そんな息子と私は毎日対峙しなくてはいけなくなったのだ。もちろん体力で、私が敵うはずがない。

…けど、経済的、精神的には負けるわけにはいかない、と思った。

私のお金が盗まれまくりだったけど、それにも一応攻防したし、息子にバイトをさせ、お金のありがたみや社会の仕組みについて学ばせられたのは、我ながら手放しでほめてあげたいくらいである。息子とて管理能力のない父に似た部分を感じ取り、母親にバイト代を半ば管理してもらったおかげでちゃんと運転免許をとる資金が得られたし、今は感謝さえしている。

かつては私の財布に平気で手をつけたが、今はきちんとけじめをつけている。自分が働いたことで、親の言うことも理解したようだ。

行き詰る、引きこもる、のはまだしょうがないが、なんで親の給料まで掌握されてしまうのか???よほどこずるくやったのか。

その情報は公表し、ぜひ対策を呼び掛けていただきたい。このような悲劇を2度と産まないために。

親は、こういう子どもには絶対に屈してはならない。体力では負けたとしても、経済的、精神的に絶対に優位に立って、導かないといけない。

私は今、自分より10センチほど大きい息子が怒鳴ってきたら、自然に顎をあげて対する。同じオタク仲間として接することも大事だし、決して息子に屈しないことを示すことも大事。

背は伸ばせないけれど、体力で敵わないけれど、おまけに理屈でも相手は一人前だけど。

それでもかーちゃん、あんたが一人前になるまで負けないから。

「だからなんじゃ! そんなことは世の中じゃ当たり前じゃゴルァ!」

という心を顎の角度に出す。

荒川静香さんばりののけぞりで、同じ…いや、低い場所でも少しでも自分が高みにあるように錯覚させられるように。

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コメント

こんにちは。いつもお世話になります。

世の中には、たとえそれが起こる可能性が1%以下だろうと最悪のケースを想像できる人と、想像できない人がいるんだと思います。あるいは、ある面では非常に用意周到なのに他の面では抜けてるとか。

闇鍋奉行さんの子供さんの人格教育には本当に頭が下がります。親なればこそですよねえ。
私の実家方面で将来子供の問題が起きそうな予感があるんですけど、親戚とはいえよその家、積極的に口を出す気にはとてもなれません。何かあったら母だけ引き取ります。

投稿: mura | 2010年4月21日 (水) 11時11分

家庭内暴力をググると、enablerという言葉がヒットしました。


暴君でいさせてあげる人という意味のようですが、財布をにぎられるって理解不能ですね。


してあげて良いこと悪いことの境界は難しいですが。

投稿: みりょこ | 2010年4月21日 (水) 16時17分

muraさんようこそ~!
うちなど初めから崖っぷちですが「まさかうちの子に限って」という家庭がそういうことになることもあるでしょうね。
プライバシーもあるでしょうが、なぜこういうことになってしまったのか、情報が欲しいです…
クレジットカードをとられたら、あるいはクレジットで買い物した(暗証番号などが残った)PCを奪われるくらいは予想できますが、なぜ父親の給料まで抑えられてしまったのか、カードを使用不能にできなかったのか、大人があれだけいる家庭で、長男をなんとかできなかったのか、など疑問が膨らみます。

投稿: 闇鍋奉行 | 2010年4月21日 (水) 21時52分

みりょこさん、ようこそ~!

暴君でいさせてあげる人…
ううむ、たしかに「暴君」はそういう人の存在で生まれますよね…自分が「優しい」「愛している」などと思っているうちにenablerになってしまい、結果的に大切な人を暴君にしてしまうこともあるかもしれません。

……なぜか、皇太子殿下を思い浮かべてしまいました…

投稿: 闇鍋奉行 | 2010年4月21日 (水) 21時57分

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