モンスターか、仁王か
モンスターペアレンツとは、我が子可愛さの偏愛から他者を慮ることなく学校などに無理難題をふっかける親のことを言う。
「雅子様は愛子様を思うばかりにあのような会見を」
などといくらかばっても、なさってしまったことは、週刊現代3/27号の衝撃的な見出しのように「モンスターマザー」以外の何物でもなく、それが皇太子妃というお立場であったばかりにあのような騒ぎになってしまった。やり玉に挙げられてしまった子どもたちばかりか、愛子様にもお辛いことになってしまったのでは、と思う。雅子様が、ご自身の「立場」というものをよくご理解されていればこのようなことにはならなかった。皇室と言う強権は、決して振りかざしてはいけなかったのである。
なんていうことを娘と話していた。いろいろと事件を機に雅子様問題に興味を持って聞いた娘だが、この話に対しては、娘がぶちきれた。
「…あんたは、あたしが悩んでいた時に耳を貸してくれなかった。あたしがこんな目に遭っているといくら言っても、たいしたことない、とかあたしもそういうことがあったとか、『あんたにも問題が』とか、全然あたしの話を聞いてくれなかった。あんたは、雅子様以下だわ」
自分の子とは思えないほど賢く社交的な娘だったが、さすがに小学校高学年から中学に欠けて対人トラブルが続出。…それはよくあることだ。なにかとリーダーシップをとる娘は、それゆえに叩かれることにもなった。
私も、娘を過大評価していたのかもしれない。こんなことは娘には当然乗り越えられる試練だとたかをくくっていたし、ああだこうだという娘に、つい「それはこう解釈すれば」「その子にも事情が」なんて無意味に客観的なことを言ってしまう。それを、理解できる子だと過信してしまっていたのだ。
結果、娘は「ママは私の味方になってくれない」と傷ついた。
……けど、私が同じ経験をしたときに、私の母は「やられたら、やり返せ!」だったしなあw
ママはきっと私の味方になって、意地悪な奴らをやっつけてくれる!と期待したのに裏切られた、という思いは私も小学校の頃に経験済みだ。
誰も、私をかばってくれない。
自分が闘うしかない。
反撃するか、迎合するか、いっそ殺してやろうか…そうしたら憎いあいつのために私の人生が台無しでしゃくだ、自殺したってあいつら笑うだけだろうし、絶対生きてやる、なんてことを毎夜考える暗い暗い少女時代を過ごしたが、結局は、自分で居場所を見つけるしかないのだと悟ったのだが。
どうもそういうことが伝わらなかったようで、今も娘は「ママは私の味方じゃない」で私を怨んでいる。
…けど、私はそれなりに娘を偏愛している。
長年二次元の世界の住人ばかり愛していたのに、そんなものを一切忘れるほど、娘は可愛かった。
「あんたは口に入れても痛くないほど可愛いわ」
「口に入れるなーーーーーー!w」
そんなやりとりを何年続けたか。
そんな親馬鹿な私と娘。娘は覚えているかどうかだが、こんなこともあった。
娘がまだ幼稚園だか低学年だかの頃である。
公園…と言っても、下はコンクリートに人工芝というところの遊具に娘が逆さにぶら下がって遊んでいた。
そこに少し年長の男の子がやってきて、20センチほどの石を、娘の頭めがけて投げたのである。
幸い、こめかみをかすめたほどで、娘もとっさに頭をかばって落ちたので大事には至らなかった。
…が、もしも、もしもを考えたら。
頭に直撃したら。
顔に傷が付いたら。
落ちて頭のうちどころが悪かったら。
ぞっとするような瞬間だった。
私はこのくそがき様に、とても平静ではいられなかった。
(#゚Д゚) ゴルァ!!なにするんだ!殺す気か!
…何を言ったのかは、覚えていない。…も、もう少し上品だったと思うんだけど…
くそがき様は、私のそれはそれは恐ろしい形相を見たことだろう。ものすごく怯えていた。おお、トラウマになれ。なるがよい。それはお茶目じゃすまない。命や人生に関わることだ。今の段階で自分の行為が恐ろしいことだと知るが良い。そして二度と、このようなことをするな!
昔読んだ本にこういう文があった(ひろさちやさんの本だったと思う)
-仁王様の顔は、川におぼれる我が子を救おうとする母親の顔です。-
我が子が命にもかかわる「いたずら」をされた時に半狂乱だった私。
もう見栄も何もない。目を剥き、歯を剥き…後にも先にも、よそさまの子にあんなに怒鳴ったのはあれっきりだと思うが、たしかにあの時私は「仁王」だったのだと思う。
仁王のちょっと先にはモンスター。
はっきり言って紙一重。
菩薩か観音か仁王か…モンスターか。
多くの母親はそんなところをうろうろしている。
しかし私が思うのは
「モンスターの子は、自分に優しい親しか見ていない」だろうということ。
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コメント
娘さんそういうお年頃ですものね。
でもお母さんに反抗できるっていうのは、信頼の証ですよ。
私達の親世代は、モンスターはいませんでしたね。教育熱心な親はいたけど、先生を困らせるような人は記憶にないです。
愛子様新学期は登校できるのでしょうか?
投稿: みりょこ | 2010年4月 6日 (火) 22時03分
みりょこさん、ようこそ~!
お気づかい、ありがとうございます。
…そうですねー、昔だってそりゃあいろいろありましたけど、まずは先生を尊重してましたし、たとえ母親が教師よりも学があろうと、そこは一歩引いて、互いを尊重し合い、両輪として機能していたんですけれど、モンスターペアレンツって「あなたどこの大学?w」「あなたのお給料、私たちがいてこそ貰えるんですからね!」と、教師よりも優位だと思うことにあるんですよね…。これまでの皇族方や華族の子女は、そんな風を吹かせることなく、どうしても甘やかされがちなお子様を、きちんとしつけてくれることを期待し、信頼して学習院に入れていたと聞きますけど…
愛子様、今日ご一家で学習院をご訪問だそうで。どうなるのでしょうね。
投稿: 闇鍋奉行 | 2010年4月 7日 (水) 21時01分