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2010年5月20日 (木)

やっぱり出席日数は大事だね

…すごい、あれほど「この子は大丈夫か」っていうか、2ちゃんではもっとひどいことを言われたこともあるうちの息子が、前の日記で一気にヒーローだ。
なんか、「うちの息子は使える人材」って連呼しているようなブログになっているw(22年5月20日現在)

しかし、現実はやはり厳しい。実際に息子の能力を認めた企業があるわけでもなく、今も「フリーター」という不安定な状態である。娘が「特待生」と言っても、それでめでたしめでたしとはいかないのが現実である。息子は言う。

「…妹が特待生で、俺は肩身が狭い…('A`)」

…言うな。私のトラウマに触れる。

何度か書いているが、私はテストの成績が良いこと以外に、何のとりえもない子どもだった。

別にガリ勉などではない。親はおおらかで、勉強を強要したことなど一度も無い。物心ついたときから本が大好きな早熟な子どもで、知識は豊かだったし、当然テストなんか楽勝。

一方で、自分も感じているのだ。
「…でも、この子は世間では通用しない子ねw」
だと。

私なりに焦ったが、挨拶も愛想笑いもできないし、お礼を言うとか弔意を述べるとか、どうしてもできない。お友達が遊びに来たとしても、黙々と本を読む以外に何もできない。時々何か楽しくて夢中でおしゃべりしたり遊びに興じたりした記憶があるのだが、そういうときには相手は引いていたらしい。

本を捨て、体育や裁縫や料理に努力したこともあったが、私の評価は変わらない。

「そういう、受験に関係ない科目には興味が無いガリ勉女。…将来どうやって生きていくのやらw」

そんな私をさらに傷つけたのが、母のこんな一言だった。

「あんたが勉強できるから、比べられてあの子が苦しんでいる。あの子がああなのは、あんたのせいだ」

……人生の何も良いことなく、若くして自ら命を断った弟のことだ。

絶句した。

別に、弟を苦しめたくて勉強ができたわけではないし、勉強しかできない自分に劣等感を持っていたくらいなのに。
弟は男だからと姉の私よりも何かと優遇されていたのを不服に思っていたくらいなのに。

もちろん、母親も追い詰められていたのだと思う。が、当時の私はそれを受容するほど寛容ではなく、結局私も荒れることになったのだが。

…まさか、「自分のクローンか」と思った息子が、こんなことで妹にコンプレックスを感じる日が来るとは思いもしなかった。いくら似ているとはいえ、同じ道を歩むわけではないようである。

「何言ってるの。…もしもあんたの出席日数が足りていれば、あの学校では年間20万の優遇があったんだよ」
「えっ!」

娘の特待は年3万。あるだけうれしいことだが、息子の学校の規定を読むと、もしも…もしもだが、息子が中学や同級生らに不満を持ちつつもとりあえず学校にだけは通い、適当に成績をあげていれば、あの学校では軽く年20万の特待付で迎えられたはずだ。

「その前に、出席日数が足りていれば、あの学校に行くこともなかっただろうと思うけど」
「そうだなw」

息子、さらっとその現実を受け入れた。ちょっと前ならこんな会話だけで壁が壊され家具は破壊され私は半殺しのめにあっていたのだけど。

毎日決められた時間に出て、席に座る。

それだけのことでも、能力の有無に関わらず十分な社会評価を得られるのだ。私は愚鈍でそれしかできなかったのだけど……でも公立はともかく、私立ならそういう評価も得られたわけだ。

アルバイトでお金の大切さを学んだ息子は、ようやく悟る。

3万円は、大きい。20万円はとてつもなく大きい。

今思えば、机に座って話を聞くだけでそれだけの負担が軽減できたわけかーーー!

覆水盆に返らず。

が、こぼれたものは今更回収できないが、自身にまだあふれるほどの水があれば、いくらでも取り返せるだろう。

すんごく遠回りをする羽目になったが、それも自分が選んだ道。

またそういう道を通らなければ、そんな当たり前のことが理解できなかったのだから仕方がない。

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コメント

私は母親を自殺で、娘を急病で亡くしていて、お母様の辛さも、闇鍋さんのショックも(姑に、なんでこんなになるまでほっといたんやと言われた。)少しはわかる気がします。


私は息子の事が理解できなくて、そんな自分がすごく嫌いです。


暴力をふるわれて、それでも息子さんを愛し続けている闇鍋さんを心から尊敬します。


投稿: みりょこ | 2010年5月21日 (金) 00時19分

こんばんは。
闇鍋さんの様な方は、世間にたくさんおられます。
お茶目な息子さんも同様です。
こうすれば得なのにとか、とりあえず周りに合わせようとか、考えられないタイプ。
生きるのが下手なんですよね。
古今東西、小説家とか芸術家に多い資質と聞きます。
だって実生活に満足し世間に適応できてる人は、敢えて自分の心を知ってもらいたいなんて考えないでしょうし。何かを語りたい人は、大勢でいても周りに理解されない孤独で繊細な心の持ち主だと思います。
世間には、こういった人が結構います。だからこそ、闇鍋さんのブログを語りたい方が多いのです。

投稿: ハル | 2010年5月21日 (金) 19時51分

みりょこさん、ようこそ~!
どこの家庭にも、何かしら問題があるもの…と、どれだけ言われたかわかりません。自分を責めたり、「こんな血を残しちゃいけないんじゃないか」と苦しんだり。
「とても個性的」なお子さんを理解できないのも無理はありません。私の場合は、その典型な父親一族と、自身も「典型」だったので、「自分がこうだったから、こうだろう」ともなんとも考えられましたけど…。
私も、ずっと「利己的で攻撃的、自分本位で頭でっかち」という社会評価で生きてきました。けれど、本人は「社会は汚い。自分ほど世界のことを考えている人間はいない」というくらいに考えていたりします。
すごいギャップですが、そういうものだと思います。
ほんの少し、自分の考えや個性を受け止めてもらえれば心を開くし、なぜ自分が失敗するのか、つまずくのか、評価されないのか、一方で、世の大多数がどういうものの考え方をするか、どうふるまえば満足されるかを理解できれば、とても生きやすくなるのですが…
よちよちの1歳の子でも簡単に上れる段差が、大きな体で、難しい本もすらすら暗誦できて、身体健康なのに乗り越えられない。
そういう状態なので、その目の前にある小さな段差を乗り越えられるように、ほんのちょっと手助けをしてあげるのがよいのではと……
まあ、私もとうにその手助けをしたはずなのに、それを乗り越えるのに3年かかるという…
orz

投稿: 闇鍋奉行 | 2010年5月21日 (金) 23時28分

ハルさん、ようこそ~!
…多い、と思います。昔は「こんな家、うち以外にない。自分は世界一不幸」とか思っていましたけど…。
…うちの日記を語りたい人が多いって…どこかでヲチされているのでしょうか…。
まあ、良くも悪くも、参考にしていただければ幸いです。

投稿: 闇鍋奉行 | 2010年5月21日 (金) 23時36分

「…妹が特待生で、俺は肩身が狭い…('A`)」

発言の中身はおいておいて、こういう弱音を親に言えるというのはとても素敵なことだと思います。
それもこれも闇鍋さんの普段の息子さんとの会話(ヲタ話含むw)賜物だと思います。

以下自分語り
親仕事で忙しい→子供、親に話しかけても親は無視&口が達者としかる→親子関係氷河期→ふとした喧嘩のときにお互いの情報が無いため言い過ぎる→断絶
他人から見ればしょうもないことだと思うかもしれませんが、うちは今こんな感じです。

闇鍋さんも女手ひとつでお子さんを二人育てて毎日疲れきっていたでしょうに、すごいです。

恥更科日記、内容は濃いので少しずつしか読めませんが、日記開始時点でのログも読むことはできますでしょうか?
てか、書籍化してほしいです、マジでw
コミケとかでもいいですからw

投稿: べぢ | 2010年5月22日 (土) 11時44分

あぁ、よくよく読むと厨二病全開ですね、私、M妃みたいだ、何やってるんだろう。
ボンボニエールに頭ぶつけて逝ってきます。

投稿: べぢ | 2010年5月22日 (土) 16時25分

べ、べぢさんようこそ~!

いやあ…どこのご家庭でもたいてい通る道ではないでしょうか>断絶
それもまた、親離れ子離れの過程なのだと思います。…我が家の場合、それが流血&家破壊にいたるだけだというw
それでもお互いまったく無関心よりは、きっといいのだろう…と、いまだに引っ込まないこぶを撫でつつ自分を慰めてます。
過去ログ…どうなんでしょう…ほとんどの日記は消してないので、ココログフリーの限界ぎりぎりまでは残ってるんじゃないかなあと思いますが、自分でも「読み返すのはいやだ!」というくらい膨大な「自分語り」です。
ブログを始めた頃は、いろんなものを抱えながらも、世もすなるブログを書いてみんと欲すが何を書けばいいのか? 子どもの自慢やお洒落生活は書けないぞ??で、だんだん「王様の耳はロバの耳」と叫ぶ穴みたいなつもりで悲惨な家庭環境を書き始めたような…
奥さま、麗しいボンボニエールをそのようなことに使ってはいけませんわw

投稿: 闇鍋奉行 | 2010年5月22日 (土) 23時17分

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