息子が読む「レオくん」
息子は今日から違う職場にチャレンジ中。深夜のお仕事なので私としては不安もあるが、それについてはずいぶん話したし、自立を妨げてもいけない。
…という1日の朝、息子(ネトゲで徹夜明け)がにこやかに話しかけてきた。
「なあ、これ俺に読ませようとした?」
ブックカバーがついたコミックス。中を見ると、萩尾望都の「レオくん」だった。
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レオくん |
小学校に行きたい!という猫のレオくん。特別に入学を認められ、意気揚々と学校へ。
…でも、小学校はきまりが多くて大変だよ?
「いやすげえな、これ」
…読んだか。たしかだいぶ前に購入して、息子に読ませたいなと思ったのだが、当時は息子もそれどころではなかったように思う。で、私も忘れかけていたのだが、ひょんなところから息子が手に取ったようだ。
「うん。…どういう風に読んだ?」
一応聞いてみた。このコミックはたしかにすごい。息子はどのように解釈したのだろうかと気になる。
「…うん、学校に適応できないというか…発達に遅れがある子の世界っていうか…」
おおお、同じだ~!
「特に一話がすごいよねえ。発達障害…というかオリジナル発達の子は、こういう世界にいるんだというようにママも読めた。一見猫擬人化のファンタジーだけど、猫という性格を上手に活かしている」
「そう! 第一話はすごい。二話もまあ。あとは普通の…」
「うん、あとは普通の猫ちゃんカワイー的な漫画になっちゃうけど」
猫には猫の自由な発想があるけれど、学校という社会にはそぐわない。
子どもはみんなそんな自由な時代がある。でも普通の発達をすれば学校に適応していく。オリジナル発達の子は、必ずしもその波には乗れない。もっと先に行ってしまったり、違う方向へ行ってしまったり、いつまでも自由奔放だったりする。もちろん悪気なんかないし、必ずしも劣っているわけでもないし、個性と言ってしまえばそれだけ。
そんなことを描いているように、解釈した。息子も私も。
「作者がそういう意図を持っていたかはわからないし、少なくともそうは謳っていない。どう解釈するかは読者に委ねられているけれど、そういう風に読む人はネットで他に見かけたよ。逆に、それを見て買った。あんたに読ませたかったけど、うーん、やっぱりあんたもそう読んだかー」
以降、スーパー親ばかタイムー!
息子は阿呆ではあるが理解力・読解力は凡人をしのぐ。
前にも書いたが、昔あさりよしとおの「ただいま寄生中」を一読してしっかり「ただいま規制中」と読み解き、即座に「これエロ漫画だろう!wwww」と言い放った逸材である。
大きななりをして母親を殴ってはいけませんとか、家を壊してはいけませんというのを理解するのは少々難しいようだが、そういうところは簡単に理解できるのだ。
「まあ、萩尾望都はすごい。少女漫画って、本当に凄いよ。猫擬人化の先駆といえば『綿の国星』だけど、この大島弓子作品と言うのがもう…」
「…んあ、いい。凄いのはわかるけど、今はいいwww」
息子、逃げた。
先日ひょんなノリで高野文子の「玄関」も読ませてしまったけど、なんかもっともっと過激なまでに良質なコミックを読ませたい子だ。
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