白井弓子初期短編集を読んだ
「WOMBS」がこのところ「一番繰り返し読む漫画」になっていて、初期短編集も楽しみにしていた。
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白井弓子初期短篇集 (IKKI COMIX rare) 著者:白井 弓子 |
え~!表紙イメージがないの~?><
同人誌で発表された作品の数々は、やはり作者の原点なのか、身近な世界を描きながらもファンタジー世界を構築していく女性の姿を追っている。また、「WOMBS」の、肉体に直接語りかけてくるような感覚はここから来ているのかとも思った。
ことに書き下ろしの「成人式」は出色だった。
☆
「これ何ー」と、私のバッグをまさぐる娘ら。私がしょっちゅうコミックスを買って来るので、本屋のカバーを見るとすぐにチェックするのだ。…しかし1冊は歴史関係の文庫本でがっかりw
そしてもう1冊がこれだった。
…ああ、二人とも、微妙にがっかり感を漂わせている…w
私の影響で、相当な漫画読みの二人の子だが、なんせまだ10代。女の子の顔の半分が目で、タイトルがひらがな4文字、てな漫画のほうが好みという世代に、白井弓子作品は正直、地味すぎ。食指が動かないようだった。
が、食事が終わる頃に、息子に「成人式」で私が一番惹かれたシーンを見せてみた。
この世界では、娘たちは年頃になると住み慣れた故郷を出て、世界を一周する旅に出る。無事帰ってきたら「大人」なのだという。
娘たちには他の集落の男たちがちょっかいを出してくる。この旅は、「つがう」旅でもあるようだ。
やがて子を産み旅を続けながら育てる主人公。育児疲れで寝入った隙に子供が出歩き、見つけるとそこに巨大な鳥が大きな口を開け……
この数ページに、息子が目を見張った。
「…や、やめて!そんなすごいの見せないで!」
と目を輝かせつつ、息子はこの本を手にし、やべーやべーと言いながら読みふける。
「……すごい (*゚∀゚*)ムハー!!」
どうだ、骨太なファンタジーだろう。
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