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2011年1月28日 (金)

水域~水がつなぐ人々の記憶~

実はこのところ体調が優れず、会社から出社能ず、ということになってしまっている。

山のような薬、どうも誤診もあったようだけど、肺炎→インフルエンザ→謎の気管支炎かもの呼吸器系疾病マーチ。精密検査するにも時間がやたらかかってしまう。入力する仕事くらいは…と在宅でちょっとずつ作業しているが、精神的にまいる日々。

だって、今実質営業は自分だけ。
その自分が歩けず、電話で話もできずって……本気で自分どころか会社全体の危機だ……いや、そのくらいうぬぼれさせてもらえれば、だけど。

水域(上) (アフタヌーンKC) Book 水域(上) (アフタヌーンKC)

著者:漆原 友紀
販売元:講談社
発売日:2011/01/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「蟲師」の漆原友紀最新作ということで、ふらふらしながら購入。

本当に最近は女性漫画家の骨太な作品が多くて楽しい。
渇水に苦しむ街。水泳部員千波は、熱中症なのかふらりと倒れ、以後夢の中で美しい滝のある山村を訪れることになる。
人がいるような気配があるのに誰もいない、どこか懐かしい村。
そして決まって、清らかな淵から「澄夫」という少年があらわれ、どうみてもおじいちゃんのような「父ちゃん」と、タイルの風呂に入ったり、蚊帳をはって眠ったりの生活を送る。

「スミオ」
目覚めたときにつぶやいたその言葉が、千波の母を動揺させる。「言っていないはずなのに…」

女三代、昭和初期から、平成3年の大渇水をモデルにしたと思われる「水」を巡る物語が始まる…

例によって息子に勧めてみたが、どうも息子は少し読んで脱落したようでorz

うむ、私もさらっと読んだだけではよくわからなかったかもしれない。ちょっと連載中に立ち読みした部分は、まるでありふれたNHK朝の連続小説のようだったし。

しかし、検査で数時間拘束されるなかで繰り返し読むと、しみじみと数々の伏線に気づかされ、緻密に描かれた「村」の様子がまるで自分の故郷のように懐かしく思われた。

私は典型的な頭でっかちの都会っ子だったが、いとこたちと川遊びをした経験が無いでもない。ダムにこそなっていないけれど、もうあの川は子どもの立ち入りが禁止されたし、あの別の川も遊ぶ子どもどころか、集落自体がなくなりそうだ。本とテレビにしか興味を示さない幼い私を遊びに連れて行ってくれたたのもしいいとこは、今はもう亡き人か……

地域も何も違う思い出しか無い自分だが、あの「村」にはまるで自分の思い出の地のように思われた。なんとすごい描写力だろう。

ダムの底に沈む村。

ご先祖様が切り拓き、子孫が守ってきた村。

よそに嫁に行った身がなおありがたいと思う「帰るところ」……

数十年前にはそんな話が何度もニュースドキュメントで扱われていて、わかっていたはずの哀しみが、他人の話ではなく、まるで自分の物語のように思えた。

個人的にクライマックスだと思える2巻前半には、本当に涙が止まらなかったし、澄夫の指差す先に聳え立つダムに身震いした。

「…これは映像化したらすごいね~…実写でもいいし、ジブリアニメとかになったらすごいことになりそう」

別にそう望むわけでもないのだけれど、そう口にしたら息子が激しく同意してた。

息子は本当にどうなったんだ!

あれほど不運を嘆いていたのに、ひとつバイトが決まったら、盗難自転車は見つかる、縁が無くなったと思われたところから単発の仕事が次々舞い込む、落ちたと思ったバイトが、今頃になって来てほしいと連絡があり、お断りするはめに……

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2011年1月23日 (日)

鬼形が来てた~恐怖新聞スピンオフ

ちょっと前に、ふと手にしたコミックだが…

キガタガキタ! 1―「恐怖新聞」より (少年チャンピオン・コミックス) Book キガタガキタ! 1―「恐怖新聞」より (少年チャンピオン・コミックス)

著者:つのだ じろう
販売元:秋田書店
発売日:2010/12/08
Amazon.co.jpで詳細を確認する

えーと、アフィは編集不可だけど、これは間違ってるぞー。
原作はもちろん、「恐怖新聞」つのだじろうだが、漫画は西条真二。もう30年ほど昔に子どもたちを恐怖のどん底に陥れたあの「恐怖新聞」が現代に蘇る……

前作主人公・鬼形礼の血縁だという鬼形冥。彼の元に、毎夜届く予言の書「恐怖新聞」。冥は、亡き礼の遺志を感じながら、「闘い」に赴くのだ。

鬼形礼は、自分の寿命100日と引き換えに無理やり読まされる「恐怖新聞」と対峙しながらも、基本的には傍観してきた。
最後の最後になって、ようやく戦おうとしたり、人を救って見せたのだが、それまではあまりに恐ろしい現実を見つめ、超常現象が存在することを認めるだけで、寿命を削ってきたのだ。

しかし冥クンは違う。
未来がわかるという恐怖新聞を積極的に読み、恐ろしい心霊現象による惨劇を未然に防ごうと戦い続ける。友達がいなくても、周囲のかわいい女子が異常性格ばかりでも、冥クンは負けない。

そんな冥クンに呼応してか、前作では、超常現象を認めようとしない鬼形礼を導くような説教オヤジだった「ポルターガイスト」は、こんな男気のある冥の前では時に女体化し、興味深げにその行動を見つめ、嘲笑う。

そう、女体化。

恐怖新聞女体化。

この作品は、これに尽きる。

オリジナル恐怖新聞を怖がって手をつけない我が息子も、「恐怖新聞女体化」と聞いて、つい読了したくらいだw

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2011年1月21日 (金)

息子、仕事を決める

たしかに、就職事情が最悪の昨今である。

わが息子も、不慮の入院でせっかく軌道に乗りかけたバイトを2つも失い、せっかくスーツを揃えたのにその仕事にもありつけず、「求職中」と言いながらネットゲームへ…という典型的なパターンのまま、年を越すことになった。

一応、求人誌もサイトも見るし、応募はする。しかし
「なんですぐに返事をくれないんだろうなあ…」とぼやきながら、ひとつの応募に最大2週間待ちぼうけを食らうという状態だった。

…いやほんと、これはおかしい。
だめならだめと、とっとと言ってくれたほうがありがたい。
「2週間以内に電話をしますが、無かったら不採用ということで」で、待っている間にも腹は減るし年もとる。その間、次の活動をしたほうがいいじゃないか。
こんな状態があまりに続いていて、さすがの私も口を出した。

「手ごたえありそうならいいけれど、難しそうだったらどんどん次をあたりなさいよ」

これが、息子の逆鱗に触れた。とても自信のあった応募に落ちたショックや焦りもあったのだろうが、久しぶりに茶碗が飛んだ。

息子は、まじめなのである。
同時にいくつも受けて、複数受かったら断るのは申し訳ないとか、他を受けていると知れたらそれだけで落ちる、とか言う。
しかし、そうも言っていられないだろう。このままでは日干しになる、というくらいの覚悟でいてもらわないと私のほうがたまらない。高校卒業すれば一応独立ということで、いくらか生活費を入れるという約束だったのにそれがないままもうすぐ1年。娘は公立に落ちて高い私立に行き、これもバイトするということだったのに落ちまくり。老後の蓄えどころか来年の生活が不安である。ニートを養う余裕はない。

「そんなん言ってたら、なんも決まらんわなあ」
老母に相談しても、同じ考えだ。難しい時代だからこそ、同時進行でも応募していかないと、いちいち一週間も二週間も鳴らない電話を待ち続けて「ああ、落ちたなあ、来週の求人誌を待とうか」で遊んでいては、時間の無駄だ。
実家の方も諸事情があり家計は火の車で、とうとう70近い母が働くと言い出した。そしてとっととチラシ配りの仕事を得、さらに他にも仕事を見つけてきたという。

うわああああ。
こんな年齢の母が仕事を二つも決めてかけもちで働くというのに、20前の若いもんが仕事がなくて家でごろごろとは……。

今の時代はどうなっているんだ!

…しかしまあ、息子も茶碗を投げたとはいえ、3日過ぎても連絡がなければほぼないだろう、と複数に連絡をとるなどし始めた。「交通費支給」の募集だったのに「交通費無しでなら」と条件を変えてきたところには断る勇気も持ってきた。

そして、まだ1件の結果待ちのうちに訪問したところで、良い結果を得られたのである。

ああよかった、と家族で喜んでいたら、なんと夏に盗まれた自転車が見つかったという連絡も来た。

ああ、ようやく春が来た……

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2011年1月14日 (金)

歴史の中での「勝ち組」

本当に、小林よしのりはどうなってしまったんだろう。

いろいろ言いたいことはあるが、とりあえず皇統についてはこちらの本であらかた反論・説明してくれているのでご紹介。

Book 別冊正論 Extra.14 (扶桑社ムック)

販売元:日本工業新聞社
発売日:2011/01/07
Amazon.co.jpで詳細を確認する

予約殺到で部数を増やしたそうだが、それでも5万部しかないという。かなりトンデモなさすぎる(本人、気づいてないの???)「新天皇論」に疑問を感じた人へのアンサーであり、結局皇統って何なの?天皇を通して、日本は何を守ってきたの?ということが、いろいろな立場の書き手によってわかる内容だ。

特に評価したいのは…文字を読むのが辛くなってきた老眼気味の私にもうれしい、45ページにある「『正当の理念』による天皇系図」(神皇正統記による)だ。

これは、河内祥助氏のまとめたものに、新田均氏が手を加えたものだが、「天皇」の定義が固まる飛鳥―奈良―平安時代の天皇家家系図が、まさしく男系で繋がっていることが一目でわかる。

これこれ、これよ!

私は専門家ではなく、一時期天皇家の歴史にはまったことがある程度で、たしかその当時はバリバリフェミニストだったと思うのだけど、ちょっと勉強しただけで、この系図がしっかりイメージできた。

きっかけは、「日出処の天子」や「あさきゆめみし」といった漫画ではあるけれど、興味を持てばさらに知識を得たいと思うもの。「日出処の天子」は、実際の歴史の本を読んでますます面白く感じられた。

 日出処の天子 第1巻 日出処の天子 第1巻
販売元:セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)
セブンネットショッピング(旧セブンアンドワイ)で詳細を確認する

これは、少女漫画界に残る「怪書」だと思っていい。

あの聖徳太子が絶世の美少年で、超能力者で、女装して陰謀策謀を繰り広げる。
聖徳太子が、蘇我蝦夷恋しさにあんなことやこんなことを。
さらにはその妻である刀自古郎女もあんなことに。 まさに荒唐無稽としかいいようのないトンデモなさ。 だが、最近もとある男性実業家が心のバイブルのようにテレビ番組であげていたが、この作品は意外な層に受けている。 これだけとんでもないのに、きっちり史実とつじつまが合うって! ……私は、蘇我蝦夷が、血の一番近い山背大兄皇子を天皇に推さなかった理由を、この漫画と続編の「馬屋古皇女」以上に納得させる本を読んだことがないw で、あれこれ読み、たいして興味もなかった天皇の歴史に興味を持ち…ことに近親婚の激しかった飛鳥~奈良時代はその血の繋がりが複雑で、家系図一枚見たところでわからない。 一度は母系で家系図を組み立てて遊んでみたりもしたのである。 で、改めて「日出処の天子」を読み返すと、登場人物のその後も目に浮かぶ。 蘇我家の宗家…蝦夷のあとは、「大化の改新」で誰もが知る。 上宮王家…聖徳太子の血筋も、その前に滅んでいる。 華麗な女帝・推古天皇も、皇子はどうも成人できなかったと見えるし、 長女の大姫(菟道貝蛸皇女)・は聖徳太子に嫁して子に恵まれず。 ちらりと、いいかげんに描かれたその妹・小墾田皇女が自嘲気味に語った嫁ぎ先こそが、重要だった。 押坂彦人大兄皇子。 この作品中にも何度か出ているが、実に地味で覇気が無く、主人公厩戸皇子の引き立て役に徹したようなキャラクターだった。 が、歴史上では勝ち組。 この作品の主要人物の血筋が、あらかた滅んでいるのに、このいつも「コホ」と咳こんで、淡水を連れまわす貧相な彦人皇子の血筋が、今の天皇家にまで続いているのだ! それも男系で! 恐らくこの人の名は普通の中学生レベルの教科書には載ってもいないだろうし、赤線を引くこともない。 しかし「これ、試験に出ますよー!」な人物たちよりも、はるかに勝ち組だといえるだろう。 その彦人皇子が、「別冊正論」の神皇正統記による正当な家系図の太い幹に名を刻んでいる。 申し訳ないが、有名な天武天皇も持統天皇も聖武天皇も、ここでは枝の一本に過ぎない。 Y遺伝子はものの例えだろうが、天皇の歴史を知れば知るほど、いかに神に連なる男の血を尊び、意地でも守ってきたかというのがわかってくる。皇統の危機などは、長い歴史で何度もおきていて、「男系男子が足りない!」と小林よしのりのいうような意味では今に始まったことでは全然ないのだが、本当の意味での皇統の危機は、新天皇論でも詳細を避けている称徳天皇の時代以来、まさに悠久の1000年の時を越えたものだと思う。

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2011年1月 8日 (土)

某シェフと「おせち事件」を語った

2010年は、「おせち事件」で始まった。

とある新興飲食チェーンが、グルーポンというサイトの誘いに乗り、ユーザーが集まれば半額!と、おせち料理を出したのだ。100個程度の見込みだったのが、注文が500来た。

その段階で青ざめるのではなく、オーナーは「おせちだけで1店舗分の利益が出た。まだまだ仕掛けますよ」とご満悦のつぶやきをツイッターに残した。

「えええっ!500!」
その事件をちょっと知っていた某オーナーシェフは、私の話に驚いていた。

思ったとおりだ。
「もしもうちがおせちをやるなら、まずは限定20個。3万5000円。普通は原価30パーセントだけど、おせちとなれば50パーセント。それで上手くいったとして、50個。友人の店ではおせちをやっているが、限定50個で、徹夜だそうだ」

私もまあ、たかが家庭用の1個のおせちに全力投球したら最低でも3日はかかるのを経験しているし、他の寿司屋で、おせちのに使うからすみを秋から仕込んでいるのを見ているし、飲食店が顧客様の信頼をキープしたままで「さすがはこのお店」とご満足いただき、次につなげるのを見ているので、初めてのおせちで100、1万円で受けるのも、それが500になって喜ぶのも信じがたい。
自分の店のキャパシティーを越えて受注して、いいことなんかない。
このシェフでは、30人くらいは受け入れられるスペースがあるが、
貸切で同じメニューというのでもなければ、20人程度しか予約を受けないという。
そうでないと、十分にご満足いただけない、ということもある。
それもまた、オーナーシェフだから言えることであって
「オーナーが別にいると、そういうわけにもいかない。もういっぱいいっぱいなのに、オーナーはもっと入れろと言うし、食材が切れてしまっても、パスタでも何でもいいから出せという。自分としてはそれなりにおいしいものを出したとしても、お客が満足しなければ意味は無い。『何この店!』なんていう言葉も聞いた」
結構有名店のシェフを担ってきて、それなりに名も売れている某シェフだが、それでも田舎町の「オーナーシェフ」になったのは、そういうことなのだ。

高級店を利用するのは、それが大切な席だからだ。
接待、デート、記念日…相手を喜ばせるのに失敗できないからこそ、
高い金を払って使う。
だから、お店も、十分なキャパシティを見込んでサービスする。

数字しか見ない、というオーナーとは違う、現場で料理を作り提供するオーナーシェフの心意気を感じた。

なお、こちらのお店はクーポン関係をとても嫌う。

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2011年1月 2日 (日)

正月早々なんという…orz

「息子さん、どうしてるの?」

「ニー…フリーターです…」

数ヶ月に一度働くとかでも、ニートではない…ぎりぎりフリーター。
「フリーター、家を買う」の再放送を眺めつつ、まあ一時期のいつ誰が死ぬかというような悲惨さに比べればまだいいだろうと思いつつも……
それでも、早くコンスタントに働いて欲しいものだ。

ゲームの試遊イベントスタッフは、そんなにしょっちゅうやってないから!

☆ ☆ ☆

娘が、「大塚芳忠さんって、何やってた人だっけー」と聞いてきた。

う。たしかに、お名前はよく拝見するけれど、何の役というと思い浮かばない。ちょうどPCを閉じていたので、息子に検索させてみた。
「うーんと……『うる星やつら』役名なしだって」
「なんじゃそりゃw メガネと一緒にいた、あたるの同級生とかかw」
「そうかもしれないw」

そのあともいくつか役名を読み上げてくれたのだが、寡聞にして知らず……作品名は知っているけれど、なんかこう、自分のツボ!な作品をあげてくれないか。

「あー、あったあった。スラダンの仙道だって」

「あああー!」

私も娘もぽんと手を打った。なるほど、仙道君ねー

……が、私は深い霧の中に放り込まれたような気になった。
「どうしたん?」娘が案じる。

「いや……仙道の顔を思い出そうとすると、なぜか阿部の顔が邪魔するんだよ…」
「あべ?」
「…『やらないか』の…」

Abe 「ああああwwwwわかる気がするwww」
「うん、なんかこの顔が、ディーフェンス!ディーフェンス!するwwww本物が思い出せないww」

そろそろ健忘症を心配したほうがいいかもしれない。

なお、仙道くんはこちら↓

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