母と娘で萩尾望都
今、渋谷パルコ1で「萩尾望都の世界展」が催されていると知り、娘とともに出かけてみた。
デビュー作や代表作の原画展に、会場限定グッズや複製版画(素晴らしいクォリティ!)など、小規模ではあるが萩尾望都という稀有な作家のペン先に触れる良いイベント。漫画家生活40周年、おめでとうございます…。
で、高校2年生の娘とは、これまで大して萩尾作品を語ってこなかったように思うのだが、これがあると話すと「萩尾さん好き! 行きたい!」と強く希望。会場でも興味深げに原画を見ていたのだが
「11人いる!…って、読んだことないなあ、うちにある?」
あー、それ、文庫版で持っているので、文庫本入れにしまいこんでるわ。これを読まないと話にならないから、出してあげる。
「ポーの一族って、本があるのは知ってるんだけど」
ああ、前にこれを読め、と出してやったはずだが、どこかに埋もれたな…?
「ハードカバーで分厚くて、威圧感があるんで読んでないのよねー」
おおおおおいおい、あの類稀な構成力! あれを読まないでどうするの…
ちょw「クックロビン」のイラストで笑うなっ音頭の方ではないっ
「イグアナの娘懐かしい! フラワーフェスティバルはないのかなあ…半神って、なんかおもしろそう」
え、半神も読んでないっ???これはあるはずよー息子の部屋で、今どうなっているか不安だけど。
ううむ、たしかに古い作品などはとっつきにくいかもしれないけれど、萩尾望都の代表作ほど、娘が読んでいないとは。
「あれ、これも読んでない…」
あーーーー…「残酷な神が支配する」は、たしかに無い。
ちょうど育児真っ最中で私も漫画を読むのをずいぶん我慢していた時代の作品だ。おまけに、うっかりお子様が手にしたら困る、という問題作でもある。
細かな描きこみが素晴らしい原画を前に、私もむらむらと読みたくなってくる。
思えば、いつもとっても個性的な息子の手を引き、よちよちの娘をいつも抱いていて、いつになったら自由が戻るのだろう、いつまでこの子達と一緒なのだろう、と思っていたあの頃。
今や子どもらも部活やバイトで忙しく、今日一緒に出かけられたのも、娘のバイトが急遽キャンセルになり、娘の時間が空いたからなのだ。
こうして2人で原画を見、グッズにきゃあきゃあと喜び、漫画について語る…
こんな日が来るなんて。
「よし、『残酷な神が支配する』と『バルバラ異界』、買うかー」
とりあえず、会場では「ここではないどこかへ」シリーズの2、3などを購入。
最近3巻が出たのだが、どういうわけかあちこちの書店を巡っても、
2巻が見つからないのだ。
いわゆる24年組など、私の世代にとって大御所だと思える作家さんたちが、
あまり平積みにも話題にもならない御時勢。
萩尾さんなど、絵も物語りも劣化するどころか輝きを増している位なのに。
☆
で、私は明治神宮へのお参りと、宝物殿2箇所の鑑賞。
十二単の世界に、四半世紀ぶりに訪れた宝物殿で、馬車などを眺め、娘は代々木公園で私の買った本をすごい勢いで読みふけっていた。
まったく、なんで娘は明治神宮を怖れるのだろう。
ところで「サンシャインおみやげWalker」をやってみたが、宝物殿は「博物館」でなく「エンターテイメント」のカテゴリだった。
ついでに、某区の幼稚園は、「教育」でなく「動物園」だった。
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