便りの無いのは良い便り…か
…とはよく言ったもので、このところかなり日記が滞っているが、それは割りと子どもたちが順調であるとかであったりする。
……ネタが無いわけでもないのだが、どうにも子どもたちの個人情報や、守秘義務に触れかねないので面に出すのがはばかれるのだ。
あの息子は、今新しいバイト先でなかなかに頑張っている様子。
「俺史上一番大きい組織」ということで、いろいろ珍しいらしい。私は、そこに匹敵する近場に務めていたこともあるので、いろいろ話も盛り上がる。
……しかし、息子があちらこちらに転職するたびに、私は大変な思いをしているぞw
最初のバイト先は、私服でOKだったが、下はスラックスなどということで、直前に購入したカーゴパンツが未だに値札がついたままだ。
次に決まったバイトが、動きやすい服装とスーツを同日に着るということで、これまた散在することになった。
同時に始めたバイトが、やはり下は黒のスラックスで上は白のシャツということで、それも買った。まさかこの二つ、急病ですぐに辞めることになるとはorz
で、次がゲームのインストラクターと物まね芸人だが、幸いこれは手持ちで済んだw
次に決まったところは、下はチノパン、上は襟付きのシャツという指定。
「襟つきか~(当時は早春なので)ネルのシャツでも買うか。あと、ダンガリーも使い勝手がいいよね」
と私が言うと、息子は訝しげな顔でなぜか大声を出した。
「そんなこと言われても全然わからねえよ!」
な、なんでそんなにキレるかな、と思いつつ会話を進める。
「え、ネルは温かいし、ほら、前に買ったアレ、あれがもう一枚あれば楽でしょう、それにダンガリーとか、コットンの白シャツとかも1枚は欲しい使いまわしアイテムで…」
「だーかーらー!!!!そんなこと言われてもわからねえよ!!!!」
息子は、絵に描いたようなオタクにありがちな……いやネタではなく真剣に、ファッション…ていうレベル以前の、被服についての知識が皆無だったようだ。
これまでも、無頓着なような異常なこだわりのような奇妙さがあったが、本気で、理解できていないのだ。
そのくせ、チェックのシャツを勧めると「そんなオタクくさいの着ねーよ!」とか言うしw
「ネルは、厚手の起毛した生地で、1枚でも温かいし、ジャケット代わりにも使えるよ。ダンガリーは…」
「うっせえな! わからねえって言っているだろうが!!」
うーん、コムサデモードとかアニエスベーオムとかエンポリオアルマーニとか、そういう呪文を唱えたわけでもないのに、息子は意味のわからない単語に猛り狂う。これでは会話にならない……
「じゃあ、『もめんのふく』とかならわかる?」
RPGにありがちな表現をしてみた。荒れ狂う息子はとたんに穏やかになった。
「ああ、それならわかる。要するに、素材だな」
……ふう。
「そう。てつのよろいとか、ミスリルメイルとか」
「ミスリルはわかる」
…それ、架空の素材だけどなー……
「コットンは木綿のことで、織り方や染め方でいろんな生地があるのよ。ネルは厚手で起毛、ダンガリーは…」
いろいろ説明する。
「ああ。そういうことか」
「そう。たとえば同じ素材でもミスリルメイルとミスリルアーマーがあるように、いろいろあるわけ。今の季節なら、こういう素材の無難なシャツを少し買っておこうか、と言っている」
「わかった」
「はあ~、フリースのよろいとかあったらやだねーw」
「ああw」
…念のため、幼い頃から息子は科学や政治など、雑談していると素晴らしい理解力を見せるのだ。まさに一を聞いて十を知るとか、砂に水が染み込むようだとか、そういう聡明さもある。
なのに、こんなことがなかなか理解できずに荒れ狂う。
発達障害というのは、こういうことだと思う。
…と、そんなことがあった職場も3ヶ月で終了。
入力作業中心の職場で、息子は超余裕でこなしていたが、慢心して嫌われている様子も察したのでまあ仕方が無いかと。
で、幸いにもまさかと思った憧れの職場で採用。
…ただ、大きいだけに服装などの要求も厳しい。
上は、アイロンのかかった白ワイシャツ。
下は黒スラックス。これはなんとかある。
しかし、肌着は白。説明の時に着ていたのがほんの少しグレーの肌着だったのに、しっかり見咎められた。また、普通見えそうにもないのに、靴下の色まで指定。ひゃー。
私は仕事の合間にシャツや靴下を買わなくてはいけなくなった。今度の職場は、長く続きますように。
そういう服装の問題抜きにしても、例えバイトでも、長く務めるということは大事なことだ。
息子は、高校時代に某大手企業系のストアでバイトしていたが、そこで3年勤めた実績は、どこに面接に行っても注目されたそうだ。今のところでも「それは履歴書に書いていいじゃないの」とさえ言われたとか。
不登校暴力息子の「学歴」はあまり誇れるものではない。
まず能力の評価には繋がらないだろう。
しかし、3年もひとつのところで働くということは今の時代では結構すごいこと。
ちゃんと要求された仕事をこなし、対人関係も保て、最低限の忍耐力や問題解決能力もないとできることではなく、それができる人材が少なくて困っているというのが現状だ。
ああ、まずはバイトをさせ、めげそうになっても耐えろと教えてよかった。
「石の上にも3年とは、よく言ったものだね」
「うん」
まことに難しい時代ではあるが、子どもには社会性だけは身につけさせないといけない。それが難しい体質だとしても。
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コメント
お母様の悩みはまことに広範にわたりエンドレスですね~
私も引越しのたびに気候環境が変わり、衣類満載のタンスを開けても「今日着る服がない!」と頭をかかえる日々なのでちょっと共感してしまいました。
息子さんが実りある体験をされますように。
投稿: mura | 2011年6月 4日 (土) 16時09分
muraさん、ようこそ~いつもお世話になっております。
うちの悩みはなんというか、「それ以前!」なんで、なんとも言いがたいですw
でも、こういう子でも、なんとか社会でやっていけるように、頑張ります……
投稿: 闇鍋奉行 | 2011年6月 4日 (土) 22時53分