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2012年2月16日 (木)

マシュマロ通信が帰ってきてた!

それは、コミックスのところにはなかった。

女性向けのグラフィック重視の書籍のところに3冊、立てかけてあったのだ。

駅の中にある小さな書店だが、ここは前々から山本ルンルンファンの臭いはしていた…
どう考えてもマイナーなんだけど、この小さなスペースにはルンルン本が必ず入っていたからだ。

分厚い、1500円もする本。
でも、買ってしまった。

あああああああああ!

書下ろし一編と、幻の単行本未収録話だああああああ!

この作品は、朝日小学生新聞に、まさに子どもらが小学生だった頃に連載されていた作品だ。
「オリオン街」で山本ルンルンの虜になっていた私は、この新連載に胸をときめかせていた。

山本ルンルンはまさに鬼才!

ポップでファニーな絵柄に、ちょっぴりの毒。
居心地のいいお菓子の家のような世界なのに、自分の子供の頃を振り返らせるような現実的なお話。
全然甘くないファンタジー。

その新連載となれば、期待しないわけがない。
で、ずいぶんオリオンよりもPOPだなあ、と思っていたら、アニメ化前提、さらにハウステンボスでは大掛かりな期間限定テーマパークをやる、ということだった。

単行本は、洋書のような体裁でオールフルカラー。
でも、小学生でも買いやすい価格設定だった。

もう、大ブレイク間違いなし、とずいぶん資金が投入された作品だったのだ。


…が、多くのファンがいたものの大ブレイクとまでいかずどこか空回り。
良作でも、資金回収ができないとなれば撤退されてしまう。

朝日小学生新聞の連載漫画は、期間ごとの交代制で、ちょうど子どもらが小学生でなくなる頃、購読をやめてしまった。マシュマロ通信は単行本で読めばいいや、と思ってしまったのが運のつき。

完結話を見ないまま、ずっと過ごしてしまったのだ。

それが読めて、感無量!

あの街が、学校が、愛すべきキャラクターが成長した姿を見られて…


★ ★ ★

個人的なことだが、連載当時これを読みながら主人公のサンディが、私をいつも叱責する上司に似ているなあ、と思っていた。

サンディは、学校新聞「マシュマロ通信(タイムス)」の鬼編集長。初期の頃はそのキツイ性格が目立っていた。

私のブログの初期には、その人にひどく罵られて落ち込んだ話が書かれているが、その人もまったく容赦なく「あんたなんか要らない!」「無能を障害のせいにしないで!」「こんな小学生でもできることもできないで恥ずかしくないの!」と私を叱責するのだ。

落ち込まないわけがない。

悔しい、ひどい、と思わないわけもない。

が、サンディは意地悪なわけではなく、より良い仕事をしたいだけなのだ。

子ども向けのその漫画を読みながら、私の問題点を冷静に眺められたし、きつい言い方をするその人に共感もした。
誰だって怒鳴って過ごしたいわけではない。
しかし要求される成果を出すためには、厳しい要求をしなくてはいけないのだ。

時に孤立するサンディの姿を通して、大の大人の私も学んだ。

そしてラストシーン。

あれ、サンディ、見た目もその人そっくりに……!

本当に個人的な感動なのでひっそりと書いておく。

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2012年2月 4日 (土)

魔王と勇者とご当地と

私は息子に、1冊のコミックスを渡した。

ぎょ、とする息子。
「…なんで、俺が気になっていた本を、オカンが買ってるんだよ…?」
息子は、たまたま表紙を見かけて絵柄が好みだなーどうしようかなーと思っていたらしい。で、私はこの本を求めて仕事の合間に這いずりまわっていたわけだが。

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あしたの今日子さん 1 (電撃コミックス) [コミック]
いわさき まさかず (著)

…まあ、息子はともかく、その母が買う本ではないわなw
電撃コミックスだし。
美少女JK勇者だし。

訝しげに、中を見る息子。
「げ!」
見覚えのある景色。息子のバイト先も、ばっちり出ている。
そう、これは
C県K市を舞台にしたご当地モノだったのだ。

1000年に一度、人間界を制服せんとK駅東口に降臨した魔王。
そこには聖剣・エクスカリバーがあった。…ちょっと前に木のオブジェがあったあたりだ。
しかしそれを軽く引き抜いた可憐なパンチラ女子高生。

私のドヤ顔はどれだけのものであったのだろうか。
どうだ、貴様のおこのみであろうが!
ご当地ネタにパンチラにロリに男の娘だ!
肩を震わせながら読みふける息子を堪能しながら、私は祝杯をあおいだ。


……で、まったく偶然に同時に表紙買いした本がこれだ。

http://www.amazon.co.jp/%E7%AB%9C%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AF%E5%B1%B1%E3%81%AE%E4%B8%8A-%E4%B9%9D%E4%BA%95%E8%AB%92%E5%AD%90%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%86-%E4%B9%9D%E4%BA%95-%E8%AB%92%E5%AD%90/dp/4781605451

「竜の学校は山の上」  九井 諒子


ぱらりとめくったら

「こっちも『勇者と魔王』かーーーーー!」

本当、私のコミックスお買い物はどうなっているんだw

一見素朴であたたかな絵柄からは想像もつかないが、RPG的ファンタジー世界を突き詰めた良質な新感覚ファンタジーが続々。
読めば読むほど味わい深く、描画も構成も何もかも極上!

はあ、やっぱり漫画はいいなあ。

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