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2012年4月30日 (月)

映画「テルマエ・ロマエ」見て来たお!~電通の凄さと裏と~

娘と一緒に話題の映画「テルマエロマエ」を見てきた。

前に、コミックス1巻をここで書いただけに、あれが映像化というのはまさに感無量。
それも、古代ローマ人の主要人物を、「濃い顔」の日本人俳優が演じるという、まさかの企画。…それが、古代ローマの雰囲気を損なわないのが凄い。前半のルシウスタイムスリップ・異文化体験には、映画館で笑いが起きた。

上戸彩さん演じる、原作者ヤマザキマリを模した漫画家志望の現代日本人女性を配し、オリジナルストーリーを展開し、完結させた意欲作でもある。

…よく、これを映像化したなあ、こういうキャストにしたなあ、とたっぷり楽しませていただいた。


…以降は、私の個人的な感想で。


テルマエロマエの魅力は、「風呂」をテーマにした古代ローマと日本の比較文化論であって、日本人としては「日本に生まれてよかった」と思えるとことだと思う。
「平たい顔族」の純朴さ、高い技術に驚愕し、より良いテルマエへ情熱を傾けるルシウスの生真面目な性格が見どころ。


映画では、前線で傷病に苦しむ兵士のために、湯治場を設けるのがクライマックスだったのだけど…


私の耳が悪いのか、温泉地の地熱を利用した療法を、「オンドル小屋を建てよう!」と言ってなかったか…

勘違いならいいのだけど…


オンドルとは、隣国韓国の床暖房システムのことだ。
冷涼な冬を乗り切るために、かまどの熱を床下に流し部屋全体を温めるという、合理的な手段。

私は、自国の文化を誇るからこそ、他国の文化も尊重すべきだと考えており、韓国の文化にも普通に敬意を持っている。ことにこのオンドルはまことに合理的で、大いに学び、取り入れたい、と思うくらいだ。

…が、映画で描かれるヒロイン実家の湯治客が、「砂風呂」ではなく「オンドル」と言うのは不自然だ。

よく言われるけど、電通はそんなに韓国におもねるのか??????

けど、あれは決してオンドルではないし、韓国文化にも失礼では?????


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2012年4月22日 (日)

飛ぶための肉

今日は八丈島のトビウオを1尾398円で手に入れた。

夜、捌いて刺身にした。

トビウオは、淡白な白身魚だが、少々クセもあるので、そのままよりも胡麻ダレ合えなどの方が美味い。
我が家では生野菜と一緒にサラダ感覚でいただくことが多い。
長い長い胸びれを外して、アラ汁の下ごしらえをしながら、ふと思う。


…この魚、数百メートル、飛ぶんだよなあ…

この淡白な白身筋肉で跳ね上がり、長い胸びれを広げて…正しくは滑空で数百メートル飛ぶ。
だから、トビウオ。

よく考えたら、こんなに飛べる生物の肉を食べることって、平凡な家庭にはないんじゃないか。

普通に口にする鶏や合鴨だって、そんなには飛べない。
飛べずに美味い肉を産するように、作られているからだ。

ニワトリは飛べない

と信じていたのに、小学生のいきものがかりの時、小屋から逃げた鶏が、3メートルくらい飛んで逃げて「ウソじゃないか><!」とべそをかいたのは懐かしい思い出だが、ずっと人間に改良され、小屋に閉じ込められていた鶏の「意地」が、あの3メートルほどなのだろう。

が、トビウオは、翔く翼もないのに数百メートル飛ぶ。
敵から逃れるには、十分すぎる。小学生や先生など、とても追いかけられないだろう。

そんな凄い生物が、食卓に乗る。

あー練ゴマを切らしていた。
今日はオリーブオイルでも使うかー

と、ふと四半世紀程前に銀座で食べた「中華風刺身」を思い出した。
イシダイなどの白身魚の刺身を生野菜のサラダの上にのせ、軽く塩コショウ、ピーナッツオイルに荒く刻んだナッツ、揚げたスナックを散らして混ぜる。味の決めては香菜(シャンツァイ)。
野菜やナッツなどと一緒に食べると、これはまさに食感と香りのハーモニー。
海原雄山はこれを嫌っていたようだが(笑)、同じく「えーこんなイシダイなんて、わさびと醤油でシンプルに食べた方が…」と、まぜまぜされるのを眉を潜めていた私も、口に入れたら
「これはこれで」と病みつきになってしまった。

イシダイなどとてもじゃないけど買えないし、私が買える真鯛は養殖で脂が乗りすぎている。

トビウオは、安くていい感じの白身。

何より、この「飛ぶ」パワーをいただきたいもの。
次はぜひ、試してみよう。

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2012年4月18日 (水)

漫画の表現は無限大

行きつけの本屋の一つで、私は「うーん」と唸っていた。

うちは、そのブログ名が示すとおり、恥を晒すばかりの身の上。
家計の維持や子どもの学費は、自分で稼ぐしかなく、独身時代の蓄えもとうに消えた。
老後も心配すぎるのだし、無駄遣いなどしてられない。

しかし、自分や子らに心や頭の栄養になりそうだと思うとつい、あれこれ手を出してしまう。

まるまる動物記

買っちまったのが、これだ。


日本漫画の面白いところは、カテゴリにまとめようとすると、すぐそれを破るようなものが出てくるところ。
表現の多様さが面白い。
で、この作品は、またカテゴリにまとめにくい作品と、また絶妙な編集が見どころ。

学習漫画なら、生物学者の監修のもと、漫画家がまとめるだけだろう。
が、これは漫画家が豊富な知識と自由な発想のもとに物語を組立て描き、生物学者が解説したり突っ込んだり、時には否定もする。

素直に読むと、漫画家と生物学者の論戦や、それぞれの見解、そして物語が楽しめて、なんか動物行動学や進化論について賢くなった的な満足感がある。

受動的であるべき「学習漫画」と

能動的な解釈が必要な大人向けの漫画。

言わば、本物の「大人向けの学習漫画」だ。


なお、我が恥さらし家では、まずその方面が専門である娘は、今ひとつ…?
寝るなーちゃんと読めー

で、それなりの読み手である息子が、かなり関心を持っている。

うん、一見地味だけど、案外これまでにない作品だと思うよ。

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2012年4月 6日 (金)

お子様と映画を一緒に

先日、日テレ系の科学エンターテイメント番組「所さんの目がテン!」で、「涙」をテーマにしていた。

玉ねぎを切って出る涙。
これは20歳前後の若者はぼろぼろ涙が出て、40~50代はあまり出なかった。
どうも、こういうガスの刺激については、年をとると慣れて、若いほど弱いらしい。

でも、年をとると涙脆くなるというけど??

ということで、今度は感動に対して涙はどう反応するかの実験になった。

そこで使われたのが、クレヨンしんちゃんの不朽の名作「オトナ帝国の逆襲」だった。

…日テレすごい。
オトナの事情を考えたら、「火垂るの墓」あたりじゃないのか、と思うのに、そこで他局のオトナ帝国とは!
被験者の大人たちは、そんなの見たことありません、と下品で知られるクレヨンしんちゃんに冷笑。

が、いざ鑑賞し始めると……そう、笑って、手に汗握って、……もう、涙涙。

一方20歳前後の被験者は、さほどでもないのだったという。

自分の経験に共感して涙脆くなる、という実験結果になった。


ああ、確かにあの映画は、子育て経験ある大人と、あとしんちゃん世代に共感を得るのだ。

あれをテレビで見たときは、息子がしんちゃん、娘がひまちゃんより上の年頃。

始まってまもなく、娘が泣き出した。自分を守ってくれるはずの親や幼稚園の先生が敵になる、という恐怖に震えたようだ。怖い、怖い、と泣く。

息子は、物凄く面白がり、泣き、感動していたように思う。

私はもう、自分が親になり、また自分が親の背中を見ていた時のことを思い出してもうぼろぼろ。

もういや~見たくない~と泣いて怖がった娘も、ラストまで行けば、笑ったり泣いたりで、大満足だった。

で、これが何年かして、またテレビで見た時がまた見もの。私は相変わらずの泣きっぷりだったけど、…当時暴れて、いろいろあった頃の息子がまた、ぼろぼろ泣いている。
最初見た時よりも泣いて泣いて、その泣き顔を隠すことなく私に感動したシーンを熱く語る。

よかったねえ。
うん、この映画はすごいわ。

親子が感動を共有できるってすごいこと。
いろんなわだかまりがあった私たちでも、昔見た映画ひとつで、あんなにも共感出来たのだから。

とある映画館の支配人がぼやいていた。
最近の親は、子ども向けの映画を、親子で見ないで子供だけ放り込む。
ファミリー向けの映画は、子供と親が一緒に見るからヒットしやすいメリットがあるのだが、そんなことをされたら劇場は収入源。いやそれよりも、そういう家庭の子に限って、ぐずったり騒いだりおしっこ~とかでスタッフが振り回されるのだとか。

ああ、もったいない。

幼い子どもらと感動を共有するということは大事なことだ。

思春期の難しい時でも、共通の話題で盛り上がったり、理解しあえたりするんだから!

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