« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月22日 (火)

表紙買い・巨悪学園

ああ、なんでこんなに世の中には面白い漫画があるのか。

本屋で、あああれも読みたい、これも読みたいと思いつつ、財布と自宅のスペース(すでにあふれかえってる)を考え、逡巡する……そんな日々である。

御贔屓の作家さんも、一体何人いらっさるか。
息子や娘が楽しみにしているシリーズ達も、買わないわけにはいかないし。

……なのに、「表紙買い」したくなる漫画というのは出てくるもので。

「巨悪学園」長澤克泰うどん著

税別714円もするのに、全然知らない作家さんなのに、好みの絵というかどうか微妙なところなのに、買ってしまったよおおお!

いや、この表紙を見たら、普通欲しくなるだろう。
「巨悪」に「学園」だ。
見るからに巨悪な面々が並び、寺沢武一が描きそうな半裸の美女が、豊満な尻を向けている。
くるりと裏表紙を見てみれば……な、なるほどォ!

経済危機も領土問題も原発利権もエロ漫画条例も、その諸悪の根源がこの本に描かれているのかァ!

私の知的好奇心が、その本をレジに運ばせた。
決して、痴的好奇心などではなく。
ええ、決して!


☆ ☆ ☆

「クラスメイトは全員ラスボス」

残念ながらセフィロスのような美形悪役ではない。

昔、少年少女がこっそり読んだ、お父さんの買ってきた週刊誌や夕刊紙に連載のバイオレンスとエロス満載の劇画……そんな雰囲気の「巨悪」な面々とエロ要員。

ある者は黒服たちにかしずかれて車椅子に乗り、ある者は葉巻をくわえ、どっかで見たような猟奇大統領っぽいのとか、なんやらの教祖さまっぽいのとか、そんな面々がずらりと教室に詰まっている。

しかし皆、高校1年生の16歳☆ 

主人公はそんな「巨悪学園」に潜入し、実態を捜査するためにやってきた転校生。


…す、素晴らしく馬鹿馬鹿しかった(褒めている)。

緻密な絵と、脱力するようなネタが絶妙で、最高に贅沢な遊びを楽しめた。
しかも、この分厚い本ですけれどね…


……これは、ネタバレすると狙撃されそうだ…

| | コメント (0)

2012年5月17日 (木)

雅子さま、順序が違います

今日発行の週刊新潮に、興味深い記事があった。

http://www.shinchosha.co.jp/magazines/nakaduri/1093/

「美智子皇后」が嘆いた「雅子妃」の「紀子妃」妨害

4pのトップ記事だ。

それは、2月の天皇陛下の心臓手術でのご入院のことだ。
17日、東大病院に入院され、18日に手術。
翌19日に、皇太子殿下と秋篠宮殿下のお二人がお見舞いにあがるという、ちょっと異例のことがあった。
その裏事情ということらしい。

秋篠宮妃紀子殿下が、手術が終わると一日も早いお見舞いを望まれた。
それに対して皇太子妃雅子殿下が「順序が違うのではありませんか」と強いご不快を示した、ということなのだそうだ。

記事中にもあるが、皇室は序列が大変重要であり、宮家の紀子様よりも、皇太子妃雅子さまのご身位が高いのは、言うまでもない。
お見舞いなどは、まずは皇太子ご夫妻から、その後宮家の皆様が伺うというのが筋である。

紀子様は、それを弁えないようなお方ではない。
常に遠慮がちに秋篠宮殿下に従い支え、また皇太子ご一家のことも誰よりも支えておいでのお方である。

なのになぜ、こんなことになってしまったのか。

昨年11月にも陛下はマイコプラズマの症状で、同じ東大病院にご入院になり、そこで心臓の不安面が明らかになったのだが、この時、雅子妃殿下はお見舞いに伺わなかった。
直前まで、愛子さまの発熱?(ただし医師は入院の必要性を認めない)症状で同じ東大病院にご入院になったのに付き添い、眺望が見事な特別室で出前の洋食やデザートを楽しまれたというのを、事実上の「プチ家出」と言われた。
陛下のご入院で、追われるように病室を開けたが、なにやらぐずぐずと、愛子さまの学校に赴かれることはあっても、陛下のお見舞いには体調不良を理由にうかがわないまま終わったのだ。

心臓手術という大きな話も、両陛下と秋篠宮家は密にお過ごしであり、情報を共有していらっしゃったようだが、東宮家はカヤの外だった。皇太子殿下は、秋篠宮殿下とのお見舞いで、初めてご病状を知ったようなご様子だったとか。

天皇家の中で、明らかに東宮家は浮いている……それが、誰の目にも明らかになっているところ。
陛下の手術が成功したあとは、特に雅子さまがお見舞いに行くか行かないか、というのは注目された。

…少なくとも、それについて雅子妃が決して積極的でなかったのは、想像に難くない。
いや、そうでなければこんな問題が起きるはずもない。

皇族方はどなたもご多忙で、お見舞いだってスケジュール調整が大変だ。
秋篠宮両殿下もスケジュールはびっしり。そんな中で一日も早くお見舞いにというのは、黙って皇太子妃のご沙汰を待っているわけにはいかない。

忘れてはいけない。皇太子妃雅子さまは、一応「療養」の身のはずなのだ。
公の場に一切出ない方が正しいくらいの状態。
前のご入院でも、体調を理由にしたものの、陛下にお会いするのを嫌がったのだという見方をする人は少なくない。
ならば、それならそれでスケジュール調整を、というのは、私は秋篠宮妃殿下のお立場としては当然だと思う。

しかし、雅子妃はそれに不快を訴えた。
「順序が違うのではありませんか」

一宮妃が、皇太子妃に先んずるつもりか!
……まあ、そこは筋は通る。
しかしこの皇太子妃がきちんと機能していて、両陛下と密な関係を持ちながら、手術後落ち着いたらすぐに皇太子殿下とともにお見舞いに伺うようなら、紀子様も決して、そのような出過ぎたことをなさらなかったと思う。

で、「順序」を叫んだ雅子妃は……動かないのだ。

皇后陛下はお嘆きになり、「皇太子と秋篠宮」お二人だけの見舞いを実現させ、皇太子妃の面子も、紀子妃殿下の立場も賢く守られた。

…やっぱりあのお見舞いは、ワケありだったのね……(´Д⊂

19日のお見舞い以降、皇后陛下だけがお見舞い…というよりはお付き添いになる様子が報道されつづけた。
雅子さまは、紀子様は、お見舞いに伺うのだろうか…と気にかけていたところ、24日金曜日の東宮定例会見で驚くような発表があった。

「皇太子妃雅子さまは、来週週明け以降にお見舞いに行かれる」

(゚Д゚)

皇太子妃がはっきりと、お見舞いに伺う意思を発表……いや、なんでこのタイミングでそれを大々的に発表??????????
同じ都内だし、お見舞いするというのなら、すぐにでもおでましできるだろうに。
公務がいっぱいの皇族方と違い、基本的に時間はずっと開いているお方だし。
なぜ、週明け以降???

体調が悪い、というのなら仕方がない。
もともと病気療養中の方なのだし、真っ先にお見舞いに伺えないとしても、誰が責めようか。
「私に遠慮なさらず、どうぞ」という一言で、全てが動き始める。
お忙しい皇族方がスケジュールを調整し、秋篠宮家を筆頭にお見舞いをされただろうし、週末には、学校のある内親王方のお見舞いで陛下を喜ばせたかもしれない。
体調を整えられた皇太子妃が、一番最後に伺ってもよかったではないか。まさにオオトリ状態で。

が、このタイミングで「皇太子妃は、来週お見舞い」と言われたら、紀子様だけでない。
皇族すべてが遠慮せざるを得なくなる。

週明け以降に…という曖昧な表現のまま、つい私も固唾を飲んで見守った。
雅子妃に誠意があれば、月曜にもおでましだろう。が、…もしも悪意があれば木曜あたりでは…と思っていたら、本当に3月1日(木)、ご退院も間近の頃に、雅子さまはにこにこ勝ち誇ったように手を振りながら東大病院におでましになった。

(゚Д゚)

…なんでこの状況で手を振りながら病院に行けるのか、本当に理解しがたい…
翌日、紀子さまがお見舞いに伺ったというニュースも流れたが、これで「思い知ったか!」というようなご気分だったのか???とさえ思わずにいられなかった。

いやあ、これはパワハラか?
かつては雅子さまファンだった私には、なんとも嫌なニュースでしかなかった。

どなたの立場も、傷つけられた。
雅子さまは、紀子様との格差をアピールされたのかもしれないが、忘れてはいけないことがある。

雅子さまのこのお振る舞いによって、すべての皇族が、遠慮させられたのだ。

同じ平民出身の妃殿下の女同士の攻防なんかじゃない。
生まれながらの皇族方も、この皇太子妃のせいでさんざん待たされた挙句、お見舞いに伺えなかったのだ!

一部の週刊誌は、雅子さまvs紀子さまという構図で面白がろうとしているようだが、それは違う。

平民出身の雅子さまが、紀子さまだけではなく、皇室そのものに遠慮をさせたのだ。

一応皇太子妃が「私は来週以降にお見舞いに行くのでそのつもりで!」と高らかに宣言されたら、もう誰も動けない。
そして陛下は、誰も見舞いにこない病室で、会いたくもない「皇太子妃」の来訪を待たされた。


…順序って、なんでしょうね。
序列が大事、という皇室なのに、何かすごい理不尽なものを感じて涙がでます。

順序を言うなら、その順序らしくふるまうべき。
率先して動くか、いっそ遠慮して配慮するか。
そういうことができずに、なぜ人の邪魔をするんだろう……

根本的な「順序」を見直したほうがいいのではないか。
あってはいけない人が、高い順位にいるというのが問題ではないのか…

そういうことを、考えさせられた。

雅子さん、「順序が違うのではないですか?」

| | コメント (77)

2012年5月15日 (火)

今年改めて読みたい「天顕祭」

何度見たかわからないのに、「風の谷のナウシカ」テレビ放送を見た。
誰もがそう思っただろうけど、大震災と放射能禍のあとではいっそう重く、深く思える。

私たちは、この世界に来てしまったんだね。

「WOMBS」熱が止まらない。
3巻発行からずっと、なんどもなんども読み返し、その世界に酔っている。
先日、古本市にふらりと行くと、白井弓子さんメジャーデビュー作の「天顕祭」が、100円で売られているではないか。

この作品も素晴らしいのだけど、合わない人の手元にあってもしょうがない。
自分も本を持っているのにも関わらず「てんけんさいください!」と100円を出した。
「…よく知ってますね」
と、売り子男性に言われた。
「ええ、大好きなんです。この間も、この作者のサイン欲しくて出かけたくらいに」
すると男性は、そばを歩いていていた女性を呼び寄せた。
「この人、これ好きなんだって」
「えええっ!」
この本を売りに出した女性も、この作品は気に入っているらしい。
「この人が今描いている作品、凄く面白いですよ~!」と「WOMBS」を教えたら、とても喜んでいた。

……ただ、この女性、リアル妊婦さんらしいと気づいてちょっと心配に……

経産婦の私には「こんな母親学級はイヤだ!w」的に楽しめた1巻も、その後の展開も面白くて仕方ないのだけど、妊娠中・育児中にはいろいろ厳しいから……

さて、久しぶりにずっしりと重い「天顕祭」を手にし、読みふけった。

……多くの方が指摘しているようだが、…なに、この予言作品…><

「汚い戦争」の後、フカシ(放射能)で汚染された地に竹が生え、汚れを吸い上げ大地を浄化する…

そんな設定は、「風の谷のナウシカ」を想起させた。
ただ、世界は昭和初期の日本のようなもので、古事記に描かれるヤマタノオロチとスサノオ、クシナダの神話をベースにしたものだ。

今年は古事記編纂1300年の記念の年。

島根県なども、石見神楽を中心に盛り上がっている。
ちょうど、なんとなくその石見神楽の「大蛇」を鑑賞して感銘を受けたところだ。

その石見神楽「大蛇」も、天顕祭にしっかり描かれているではないか。


…どういうパラレル・ワールドなのかは私には測りかねるが、「天顕祭」の世界は、たしかにその世界の延長であり、まったく悲しいことに、今の日本でもある。

本当に、竹って「フカシ」を吸うんだねえ…

ホットスポットと呼ばれるこの地は、もう新鮮なたけのこが「食べられないもの」になったよ。

四半世紀程前にアジアで見た、竹で出来た足場でちょっとしたビルを建てる様子や、もやもやとした郷愁的な感覚で面白く感じていたこの作品だけど、今読み返すと「なにこの予言書」というくらいの重さを感じる。

そして、自分で運命を選び、切り開いていこうという主人公が、また眩しいのだ。

| | コメント (2)

2012年5月 5日 (土)

久しぶりに胸がときめいたコミック~WOMBS~

映画「テルマエ・ロマエ」のラストシーンに、娘が反応した。

歴史がさっぱりわからないという娘をあちこち連れ回していたのだが、まさにその見覚えある場所が出たのだ。

…そう言えば、あそこに数年前、全裸の外国人男性が出てちょっとした騒ぎになったなあ……

あ、あれがルシウスだったか…(遠い目)

☆  ☆  ☆


と、いつになく充実したゴールデン・ウイーク。
今日は創作オンリー同人誌即売会「コミティア100」に衝動的に出かけてしまった。
初参加だ。
前々から、気になっていたのに。

だって、「WOMBS」の白井弓子さんが「サインします」とか宣言しているんだし!

「天顕祭」の世界観の番外編を出すとか言うし!

4月末に出たばかりの「WOMBS」3巻…IKKI連載を中断し、コミックス書下ろしの形態に移行して、初めての刊行だ。
貪るように読んで、もう一度1、2巻も読み返して、またその世界に酔いしれた。


「妊婦だけの特殊部隊」

1巻の帯に惹かれて手にとり、ああ、あの天顕祭の人かあ、とレジに行き、もう何度読み返したかしれない。
乱読な私としては、こんなに何度読んでも飽きない、心地よいというコミックも久々だ。

1・2巻はぼろぼろ。
同人誌即売会だけど、コミックスも売り、サインもしてくれるとなったら、もう行くしか!

漫画家のサイン会、子供の頃から何度か行ったけど、あの大友克洋も並んでいたという高野文子さん以来、即売会でサインをねだるのは豊島ゆーさくさん以来のことだ。
それほどぐーたらな私だが、天顕祭の番外編とサインは欲しい!><

…我ながらなんだろう、この胸のときめきは!
あとはもう枯れるだけ、と思っていたのに、私にまだこんな情熱があったとは!

ときめいている相手は全部女性キャラだけどな!
\(^o^)/

いや、この作品に出てくる女性キャラには、女性こそときめかずにはいられないだろう。

舞台は軍隊。
圧倒的な勢力に対し、自国の開拓史と誇りを守るために抗う国。
自分が闘わなければ、故郷も、家族も守れない。
恐怖を克服し、敵を見据え、仲間や後進を導きながら闘う「妊婦」たち。

「あの…キャラは…?」と聞かれて
「えっいいんですか!…あの、軍曹さんを…」
. (〃ω〃)

それだけでさらさらっとアルメア軍曹殿を描いてくださった…
ひゃー私、もう10代のオトメ気分だ!
頬が高潮し、胸がときめく!涙がでそう!

はっきり言う。

ミーハー精神は若返りの妙薬だ!
活力なくして国力なし!

連休明けからの仕事に、俄然意欲が湧いてきた。
私の給料など微々たるものだが、それでも税金を収め、外食や買い物で少しでも経済をまわそう。
尖閣諸島を金で買えるものならそれでいい。

自分の子孫たちには、マナのような経験をさせたくないしね…その精神を学んで欲しくても。

| | コメント (0)

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »