表紙買い・巨悪学園
ああ、なんでこんなに世の中には面白い漫画があるのか。
本屋で、あああれも読みたい、これも読みたいと思いつつ、財布と自宅のスペース(すでにあふれかえってる)を考え、逡巡する……そんな日々である。
御贔屓の作家さんも、一体何人いらっさるか。
息子や娘が楽しみにしているシリーズ達も、買わないわけにはいかないし。
……なのに、「表紙買い」したくなる漫画というのは出てくるもので。
税別714円もするのに、全然知らない作家さんなのに、好みの絵というかどうか微妙なところなのに、買ってしまったよおおお!
いや、この表紙を見たら、普通欲しくなるだろう。
「巨悪」に「学園」だ。
見るからに巨悪な面々が並び、寺沢武一が描きそうな半裸の美女が、豊満な尻を向けている。
くるりと裏表紙を見てみれば……な、なるほどォ!
経済危機も領土問題も原発利権もエロ漫画条例も、その諸悪の根源がこの本に描かれているのかァ!
私の知的好奇心が、その本をレジに運ばせた。
決して、痴的好奇心などではなく。
ええ、決して!
☆ ☆ ☆
「クラスメイトは全員ラスボス」
残念ながらセフィロスのような美形悪役ではない。
昔、少年少女がこっそり読んだ、お父さんの買ってきた週刊誌や夕刊紙に連載のバイオレンスとエロス満載の劇画……そんな雰囲気の「巨悪」な面々とエロ要員。
ある者は黒服たちにかしずかれて車椅子に乗り、ある者は葉巻をくわえ、どっかで見たような猟奇大統領っぽいのとか、なんやらの教祖さまっぽいのとか、そんな面々がずらりと教室に詰まっている。
しかし皆、高校1年生の16歳☆
主人公はそんな「巨悪学園」に潜入し、実態を捜査するためにやってきた転校生。
…す、素晴らしく馬鹿馬鹿しかった(褒めている)。
緻密な絵と、脱力するようなネタが絶妙で、最高に贅沢な遊びを楽しめた。
しかも、この分厚い本ですけれどね…
……これは、ネタバレすると狙撃されそうだ…
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