トリビュートの功罪?~エロイカより愛をこめて~
やっと… やっと、「エロイカより愛をこめて35周年メモリアルブック」を手に入れた…!
私のPCの壁紙は、エロイカより愛をこめて35周年限定イラストだし、この本が出ると知って、楽しみにしたものである。発行は、9月14日だった。
が、すごい勢いで品薄になってしまったのだ。
かつて、昔からの顔なじみだった地元の書店でエロイカの20巻あたりを買ったとき、ご主人は言った。
「これ、昔から決まった人が買っていくよねえ…」
正直、この作品は新たにファンがどんどん増えるというようなタイプではない。
好き嫌いがはっきり分かれるし、好きな人は永遠に好きだし、興味を持てない人は持てない。
で、決して数は多くないとしても、決まった人が新刊を買っていく。
だから、仕入れもある程度決まるのだそうだ。
同じく大ファンの友人が、一度出産か何かで数ヶ月新刊を買いそびれて「どこにもない!」と騒いでいた。
決まった量しか入らないし、恐らく出版側も決まった量しか刷らないだろう。
それが売り切れたら最悪、入手できなくなるかもしれない。
幸い、私の家の近くで見つけられたので送ってあげたが、普通のコミックスとは違う妙な連帯感のある、常連さんだけの世界なのである。
これまでも青池保子さんの作品は大抵安定して買い込んできた私は油断していた。
あ、もう出たんだっけと思う頃には、ネットで「買えなかった!」「アマゾンでも品切れ!」と騒いでいる。
そんな馬鹿な、と仕事の合間に本屋を巡ったが、本当にない。
店員に聞いても、「店頭は無く、取次にも在庫が無く…」と申し訳なさそうに言われる。
再版される見込みなんかわからない本だ。
うわあどうしよう、と娘に嘆いてみたが、娘はさほど読んでないので「ふーん」と無関心。
だがなあ。
「高橋葉介さんが、トリビュートイラスト描いているらしいんだけど…」
とつぶやくと
「ええええええええ! それは見たい!!!!!!」
と目の色を変えた。
そう、最近はトリビュート流行りで、少年ジャンプあたりの作品がよく話題になる。
9月に行われたベルサイユのばら40周年展でも、ファイナルファンタジー25周年記念展でも、人気漫画家たちによるトリビュートイラストが目玉だった。
で、この本では我が家の崇拝する高橋葉介さんばかりか、里中満智子先生、大和和紀先生、萩尾望都先生、魔夜峰央先生、美内すずえ先生、ゆうきまさみ先生などの大御所や、二ノ宮知子さん、よしながふみさん、かわぐちかいじさん、岡田屋鉄蔵さん、安野モヨコさん、とりのなん子さんなどの今をときめく方々、意外な面々など、漫画好きにはたまらない豪華メンバーが原稿を寄せているのだ。
木原敏江先生はさぞまつげばしばしかと思ったら、驚く程忠実に模写していた。
酒井美羽さんは、ミーシャ萌えだったのか。
中山星香さんは…本当に日ペンの美子ちゃんの頃からいろいろ変わらないなあ。
そしてラストの和田慎二先生に涙…
すごい、すごすぎる。
こりゃあ、エロイカファンじゃなくても、それぞれの作家さんファンや漫画マニアも買ってしまうだろう!
単行本派には垂涎もののカラーページの数々やグッズ、珍しいあんなページやこんなページは、まさにファンのためのものなのに、そんなファンの手元に来ないのでは本末転倒ではないか!
なら最初から予約でもしておけ、と言われればそうだが…orz
☆
ところで、「エロイカより愛をこめて」のwikiに、略称は「エロ愛」とあるそうだがそれはない!
「エロこめ」「イカ愛」「よりをこめて」いずれもない。
「エロイカ」で通じる!
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コメント
闇鍋さーん、こんばんは。
いや私の場合、エロイカ とだけ言うと、
池田理代子先生の
こちらの作品を思い浮かべてしまうもので。
http://ja.wikipedia.org/wiki/栄光のナポレオン-エロイカ
投稿: まーく | 2012年10月 2日 (火) 22時15分
まーくさん、お久しぶりです~
では、愛をこめる方のエロイカは
「毛が有り余るエロイカ」
英雄の方のエロイカは
「男は毛じゃないエロイカ」
で。
投稿: 闇鍋奉行 | 2012年10月 2日 (火) 23時15分
こんばんは。
メモリアルブック、そういう事態になっていたんですね。
のんびり再版を待ってもいいんですが甘いかなあ…
表紙のキャラを見ると、誰もが愛おしくて、ご贔屓の一人を選べないです。
投稿: mura | 2012年10月 3日 (水) 00時36分
muraさんようこそ~!
再版するほど勢いがあればいいですが、微妙ですよね…
私は、取り寄せに応じてくれた書店に藁にすがる思いでお願いし、同時にうろうろ探していたら、なんとか入荷してくれて手に入れましたけど…
なんだかんだで、長いお付き合いのキャラたちですよね…
で、彼らは年をとらず、作者とファンだけが年をとる、とw
投稿: 闇鍋奉行 | 2012年10月 4日 (木) 00時14分
エロイカ、全巻そろっております。しかも無理やり息子の書棚に!(一応彼も読みます)
今のエロイカを知っている人が、1巻、2巻を読むと、ひっくりかえるかも。全然話の構想も違うし。
青池先生って、途中ちょっと休筆されてましたよね?
アルカサルも大好きで全巻そろえているのですが、完結編が急に出たのにはびっくり。これからというところだったので。
で、絵柄が。
私てきには少し残念なことに。
頭が大きくなっちゃったんですね。全体のバランスがちょっと。
大佐が大好きでした。最初の方の絵です。
カラーページで、半ケツ状態の絵がどこかにあったと記憶しています。
猛烈魅力的で。その絵を見て、うっとりしていたものでした。
投稿: りっこ | 2013年2月22日 (金) 18時07分
りっこさん、ようこそ~
息子さんも読んでいるとはうらやましい。うちの子ら、結構私の古い漫画を読みますが、青池ワールドだけは、いくら勧めても、どちらも手を出さなくてorz
休筆というか、エロイカは19巻で完結し、アルカサルに行ったかと思ってました…まさか冷戦終了後に復活するとは。そしてアルカサルが休んでしまうとはorz
結局、ばたばたと完結してしまって、アルカサルの世界をもっとじっくり楽しみたかった私には、少し残念。
絵…たしかに少々馬面で、頭身も、あの少女漫画全開とはいかなくなりましたね。
私は、イブの息子たちのようなのも好きですが、アルカサルの頃が最高だと思ってます。
投稿: 闇鍋奉行 | 2013年2月22日 (金) 21時12分