息子にいろいろ話してみた
最近本当にいろいろあって、むしろ自分の方が息子に心配されている状態。
で、何かと案じられ、いろいろ話しているところで、唐突に聞かれた。
「○○おじちゃんって…自殺なわけ…?」
私の上の弟は、確かに自殺している。
息子は、彼に会ったことを覚えていないと思う。
弟は、精神病院から突如抜け出して突然訪れて、生まれたばかりの息子をちょっとあやして、土産のお箸を渡して、そのまま帰っていった。
私は、生きた心地がしなかった。
かつて弟は暴力などいろいろ問題を起こし、私も結婚直前に顔に大きな怪我を負い、逃げ出すように家を離れた。
本来真面目な性分の弟は、何度も立ち直ろうとしていたのだけど結局、遠い地の精神病院に入院し、息子に会ってから1年ほどで、不可思議な死を遂げた。
…もう息子も大人だし、私の父方の男性のほとんどが、知的な面では優れているが暴力的であり、ほとんどが自殺をしている、ということや、女性だって人格障害としか思えないこと、自分もまさにおかしな人格で悩んでいるし、子どもを生むときにも、男子が生まれたらどうしよう、とさえ思ったことがある、とまで話してみた。
母子ともに無事なのが奇跡だった出産後、ちょっと遅れた産声をあげ、私の手元に置かれた息子に、文字通り薔薇色の幸福を感じながらも、顔を見て瞬時に「…これは、自分と同類だ…」と感じたこと、自分のようにはなってほしくない、と育児書のとおり毎日2時間の外出をし、公園で他の子とふれさせ、絵本を読んでやることはあっても、文字を教えることなどないように…なんて頑張っていたのに、どこに行っても他人を認識しない、教えなくても文字を読み始めやがった、など、どうあっても自分の恐れていた、自分のような、あるいは自分の弟のような少年に育っていって、本当~~~~に苦労した、ということも。
また、弟の○○という名だが、これは亡くなる直前に変えた名だ。
姓名判断をやる母の友人が、会ったことも無い私のことも名前ひとつでばしばし言い当てたうえ、弟の名前を見て青ざめ、このままでは何もいいことのないまま25、6で死ぬ、と言って改名を勧めたのだった。
親は、一応姓名判断を意識して、子どもたちに悪くない名前をつけたはずだったが、苗字の画数の解釈が違っていたのだという。
そこで慌てて新しい名前を考えたのだが、まったく不思議なことに、一応高学歴の両親がいくら考えても、なぜか同じような画数の悲惨な名前になってしまう。
結局、親戚のお寺に世話になり、仏弟子ということで新しい姓名をいただいた。
…だけど、それがそのまま戒名になってしまった。
弟の本名は、もう誰も口にしない。約20年ぶりに、今日私もその名を呼んだ。
ついでに「あんた、パパとママのお墓、買いなさいよ!」と言った。
当時、両親は自分たちの墓を買おうとしていた。しかし、自分で墓を買うのは逆縁…後継が先に死ぬ、という迷信があったので、名目だけ長男との共同購入ということにして、両親の故郷から遠いこの地に墓地を買った。
…すぐに、そこに長男が入ることになった…
さらに言うなら、弟は死の直後から、下の弟の当時の彼女に憑いて、初七日までいたらしい……とか、いろいろオカルトめいた、呪われた家系の話をした。
息子は…驚きつつも、面白がっていた。
いろいろ不可解なことだと思っていたのが、ようやくわかった、と喜んでもいた。
ただ、彼は○○おじちゃんの死因について、じーちゃんからこう聞いていたらしい。
トイレで地震にあって、鍵が壊れて出られず死んだ
だから、うちのトイレの鍵はかからないのだ
だから、うちのトイレの鍵はかからないのだ
…初耳や!
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