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2013年5月18日 (土)

義務と権利が、違ってます

週刊文春の友納記事に続いて、新潮45でも、雅子様の苦悩について核心に迫るような大きな広告に釣られて、玉砕した。
両誌とも、見事にまったく核心に触れず、雅子妃の独善的な主張で皇室や国民を糾弾するだけの内容だった。
友納女史についてもいろいろ不思議だが、今回新潮45というそれなりにステータスのある雑誌に大きく取り上げられたのは、鳴門真彦というジャーナリスト。

といっても、検索してもまったく出てこない新人さん。
なるとまさひこ… なるひとまさこ… おや、単純なアナグラム…?

それなりに期待して読んでみれば……これ、友納尚子さんとどう違いますか…?
まず、男性視点には見えない。皇室、皇統についてはまったく無知。ただ雅子様の擁護というより、何が何でも徳仁親王を皇位に就け、雅子様のお望みどおり愛子様を天皇に…という奇妙な執念しか感じられず、ただひたすら稚拙で不快なだけの文章だった。

なんとまあ、この筆者は、皇室に対して無知で、ネガティブなのだろう!

雅子様問題の核心は「男児を産めなかったこと」というトラウマで、女子に皇位継承権を与えず、皇太子妃を子を産む機械としかみなさない皇室の体質、男児を産めなかったからといって批判するマスコミやサイト、国民が共犯者であり、愛子様の登校問題について雅子妃が異常な行動に出たのも、このことに比べれば瑣末なこと!と切り捨てている。

……うちは平凡な育児ブログだけど、最近は雅子妃批判の関係で検索していらっしゃる方も多いようで……あれ、もしかして私も共犯者???

けど私、雅子妃が男児を産めなかったことについて批判したことなんか、一切ないと思いますが……

ついでに、この文章についてあまりの女性差別に立腹してしまった。

まず、「皇位継承権」という言葉だけど、これは日本の皇室については違う、と思っている。

王の定義には各国いろいろあるけれど、ヨーロッパの王室などは、日本の大名や将軍と同じ様な、封建的なものである。
継承するのは、土地と民の統治権だ。
それなら血統はともかく、男女関係なく能力のある人が継げばいい。今は民主政権との両立をする国がほとんどだし、能力も男女も関係なく、適当な人が王冠を被ればいい。他国の流儀に文句をつける気はない。

しかし日本の皇室はそうではない。
そういう次元を超越している祭祀王だ。
天皇になったって、権力を行使できるわけでなく、言動は慎まなくてはならず、義務ばかりが肩にのしかかる。
なりたくてなるというより、その血筋で生まれれば否応なく受けざるを得ない、権利ではなく義務である。

今現在、皇位継承順位をお持ちの方は正式には6名。
「権」ではなく「順位」というところに注目。
天皇になることは権利ではなく、当番制のようなものなのだ。

天皇という地位を得ることは大いなる誉れではあるが、大き過ぎる義務を背負うことになる。
人であって人でない、そういう姿勢を求められる、それが天皇なのだ。

一方、近代皇后はどうか。

一夫多妻が当たり前だった我が皇室だが、他国や大奥のようなものとはまるで違う。
古代から、天皇やその子の妻になり、子を産むことは、強い家の女性にだけ許された特権だった。
オオキミと縁を結んで援助したい豪族たちと、血統の正しさを持つ皇女たちだけが、その特権を享受した。
奈良時代以降は、藤原氏がほぼその特権を独占することになった。
そして昭和の時代、今上の時代から、「ミカドや親王の子を産む特権」を広く国民に求め、大いにその特権を与えているのである。

雅子妃は檻の中にいるのではない。

キャリアも出産育児も思いのままという環境で、
徳仁親王の子(=未来の天皇)を産むという特権を独占していた。



よく、雅子様はご優秀なのに旧弊な皇室に入って~とか言われるが、私は本当に優秀な女性なら、皇室ほどよい嫁ぎ先はないのではと思っている。

多くのキャリアウーマンにとって出産育児はデメリットになるし、そのために優秀な女性の遺伝子が残らないというのはあまりにもったいない!

けど、皇室に嫁げばそういうサポートは万全! 大いに能力を生かし、いくらでも子を産める理想郷だ。
これを子を産む機械というとは何事だ。

また、これをマイナスにしか考えられない人に皇太子妃であれ…というのは、無理だ、ということに尽きるのではないか。
皇太子妃の義務は、男児を産むことではなく、皇統を守ること。
昭憲皇太后は、一人もご出産なさらなかったけど
義務は十分果された。
日本国民、男児を産まないというだけで責めてはいない。
「徳がない」
という言葉は、人格云々ではなく、
「子孫につなげなかった」ことを言うそうで。
天皇という存在は子孫繁栄、五穀豊穣を体現しなくてはいけないから、
「男児を得る」のは天皇や皇太子の義務である。
決して、妃の義務などではない。それは、権利。

こんな栄誉を、檻だのなんだのっていうことは、もう雅子妃の公務復帰…どころか、皇室に対する理解も、絶望的っていうことなのでは…

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2013年5月12日 (日)

これが私の母の日だ

今日は母の日。

いつも自分の母親に花などを贈っていたが、今年は自分がいろいろ大変だろうと、早々に気を使わなくていい、と言われた。

なんとなくのんびり過ごし、思ったより天候もよかったのでちょこまかと片付ける。
眠くなったら、昼寝する。
子どもたちも忙しいし、これまで花などを贈られても私が大して喜ばないからと、何もない。
本当に、何事もない日曜日。
しかし体調もよくちょっとやる気が出たので、かつて貧乏のどん底にあったときのような料理を作った。
今日のメインは、揚げだし豆腐だ。
特売で1丁29円の豆腐を水切りして4分割し、片栗粉をまぶしてじっくりと揚げ、1本100円ほどの大根を少しおろし、かんずりと青ネギをちらしてポン酢をかけた。
ダブルキャストのメインは、1本15円の手羽元を大根、にんじん、春キャベツと干ししいたけ、そしてしょうがであっさり塩コショウ味で煮たもの。

副菜と言っても侮れないのが、活きほたてひもの酢の物。
昨日、大神社展に出かけ、アメ横で買ってきた安い活き帆立を、貝柱と精巣・卵巣をさっと湯通しして冷水で〆、貝柱を通常の横切りでなく縦切りにして食感を楽しんだのだ。
その、余ったひもを塩で洗い、今日は塩抜きをして三杯酢にごま油を混ぜたものと和えてプチトマトでも添えればなんだか幸せ。

という料理を出したら、食べ終えた息子が「何これ!豪華!揚げだし豆腐うめえ!」と謝意を示した。
「あはは~今日の豆腐29円♪」と答えれば、
「そんなん関係ねえ!揚げだし豆腐っていうだけで豪華!オレも年とったなー。豆腐とか野菜とか、手間かかる料理がありがたくて仕方がない。今日の煮物も、オレの好みだし」

そうして、どこのレストランでもファストフードでも食べられない母の手作り料理のありがたさをかみ締めさせる、

それが私の「母の日」。

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2013年5月 7日 (火)

皇太子妃の「優先順位」

天皇皇后の心得は、「外国人に会ってはいけないこと」だった!

というのは、トリビアになるのだろうか。

一度臣下に降りてから即位された宇多天皇が、生まれたときには臣下だった我が子・醍醐天皇のために認められた寛平御遺戒(かんぴょうのごゆいかい)」は、明文化された帝王教育の唯一のものとして知られる。
ただし、原本ならび全文を残した写本も現存せず、断片的に他の書物でその存在が知られるのみなのだが、この中で確実に戒めとして書かれているのが、「外国人には直接あってはならない」ということ。
明治時代でも、女官たちは外のものを穢れとして忌み、帝が穢れることのないように守り続けた。


が、時代は変わる。


祭祀王として御簾の奥深くにあられた天皇と皇后は、諸外国の君主と同様に、国民の前に出、諸外国の使いや王族と親善を行う役割を担うようになった。
…少年時代は御所の奥で、髪を結い、化粧を施されて和歌や蹴鞠に親しまれたという明治天皇は、いかめしい軍服に身を包み、天武天皇が禁じた牛肉など西洋料理を召し上がり、国会に姿を見せたり、戦争時には視察にまわったり…そして、天皇として初めて外国人と西洋風な挨拶、握手を交わされたということでも、知られている。
昭憲皇太后とて、本来なら、お輿入れの後は夫や家族以外には顔も見せないで一生を終えたであろうという姫君であるが、洋装をお召しになり、社交を奨励し、国民、とくに女子教育に力を注ぎ、時には数万の軍人を励ましにお姿を見せておいでだった。

この両陛下の順応力が、日本を一気に近代国家にしたのだ。

さて、鎖国状態から諸外国との外交をする近代国家にするにあたり、昭憲皇太后のご功績はまことになみなみならぬものである。

今も残る皇室の装いは、昭憲皇太后が定められたものである。
最近話題の雅子様がオランダの即位式でお召しになったローブ・モンタントというクラシックなドレスは、まさにこの時代の西洋女性の正装で、今も皇室は頑なにこの装いを守っている。…さすがにちょっと、古いかもしれない…

しかし、洋装や舞踏会、女子の海外留学というただの洋風好みかというとそういうことでもない。

昭憲皇太后は、御親蚕という古い皇室の伝統を復活させ、自ら蚕を飼い、絹糸をとることで当時の日本の主要産業である養蚕・生糸事業の奨励にあたられた。
質の良い絹糸、優れた技術で日本の絹織物は外貨を稼ぎ、日本を豊かにした。

また、学習院や御茶ノ水、公立の学校など教育機関を設け、華族から庶民まで高い教育を受けられるようになさったのも昭憲皇太后のお力である。極東の小さな島国出身の女性である小和田雅子さんなどが、高い学歴を身につけられたのも、ひとえに昭憲皇太后のおかげである。

また昭憲皇太后は日本赤十字社を設立なさり、日本国民の健康はもちろん、国境を越えて広く人民の健康と幸福に尽力する機関を持たれた。
時には、戦争の相手国の兵士にも手厚く看護を施し、義手・義足などを与えて祖国に帰した、という日本赤十字社。
こういった高い精神性が国内外から愛され、昭憲皇太后は、一度も出産をなさることのない蒲柳の身ながら、今も尊敬されており、日本という国の評価も高いのである。

そのお志を継がれた大正天皇の后・貞明皇后は、大変に気丈でお体も強く、4人もの親王を挙げられたが、特に大切にされたのが、祭祀の重要性だ。

天皇とは、諸外国の王とは違い、神の血を持つ子が祭祀を行うという祭祀王の性格をもつ。
いかに日本が西欧化し、近代化しようとも、これを失ってはいけない、と後の昭和天皇にも厳しく当たられた。

そんな貞明皇后に「いつ見ても不細工だね」などときつく言われることがあっても、しっかりそのお志を受け継がれていたのが、昭和天皇の后・香淳皇后である。

宮様の生まれではあるが、人が嫌がる掃除をきちんとやっていたあかぎれだらけの手を貞明皇后に認められ、入内が決定。我を出されることなくひたすら夫と姑に仕え、子を産み続け、「女腹」のそしりを受けてもちゃんと親王を得て、あの恐ろしい戦争の時代も、帝と親王と国を守るために黙々と働かれた。
時代がまた一転し、現れたお后は、民間出身ながらも才色兼備な美智子様。

実質公家が支配し、士族が「次こそは」と狙っていた皇室に爵位もないまま飛び込まれた美智子様は、まさに四面楚歌。

しかし美智子様はきちんと伝統を引き継ぎ、その時代に求められた役割をこなしつつ、温かな家庭を築かれた。

よく、美智子様が養育係や乳母制度を廃止しお子様を手元で育てるように改革したなどといわれるが、これは大きな誤解である。

子どもを手元に、というのは、少なくとも大正天皇の時代には皇族方の悲願であった。
また、親王や内親王をお育てするのは養育を任された平民であり、聖域で育たなければ皇族じゃなーい! なんていう小林よしのりの嘘はありえない。

ともあれ、お子様を自分で育てるのはもとから皇族の悲願。

もしも、美智子様がその資格がない女だと思われれば、大切な親王の育児は任されなかったであろう。
そして、その美貌と語学力、国際感覚は戦後の外遊に生かされた。

これも誤解されがちだが、別に今の両陛下は海外旅行を楽しまれたのではない。

かつての敵国や新しい国とも良好な関係を持ち、世界中にいる日本人の立場を守る。

…って、笑顔の影に、どれだけのスキルと覚悟が必要か。

サッカーでいえば、アウエーで確実に結果を出せ!

と言われるようなものだ。

両陛下は、時折、皇族にはご法度の「わがまま」をおっしゃる。

周囲の反対を押し切って、あそこに行きたい! とおっしゃる。

それは、反日感情の濃い沖縄だとか、国民が厳しい状況であえいでいる被災地とか、危険を顧みずに飛び込まれようとなさることで、まことに困ったことではあるが、もうその我が身を顧みない御行動には、皇室に敬意をもつ普通の日本人は愚か、皇室という存在に懐疑的だった左翼系の人でも頭が下がってしまう……

そういう皇室を、日本人はいただいている。


さて、それぞれに時代に即した変革を行ってこられながらも、伝統を守られてきた皇室。

次代を担う皇太子同妃殿下は、どのようにお考えなのか、まったく見えてこない。

今回のオランダ御訪問が、回復に必要だなどというが、それを信じる人はいるのか?

前の、オランダ御静養だって、回復に必要だということで、陛下の承認も得ずに強行されたというではないか。

オランダ王家は大変に歓待してくれていたのに、ベアトリクス女王陛下直々のお誘いであるクルーズは断ったとか、さらに最近、女王陛下直々に美術館にお誘いだったのに、たった15分で逃げ出したとか、待ちかねていたレストランにはトイレだけ入って挨拶もなく出て行ったとか、信じられないような非礼の話題が出てきていて…
今回だって宮内庁の「異例の苦言」で、浮かび上がってきたのが日本とオランダの国家間の正式なやりとりではなく、オランダ在住の雅子様の父親小和田恒氏が、皇太子妃の父という立場にも関わらず、日蘭双方の政府に勝手に働きかけたものだとか。

さらに、ウィレム現国王が皇太子殿下に直接誘って返事をしていたとか、マキシマ妃が雅子様に直接電話をかけて決意したとか、皇太子夫妻という立場なのに、政府を通さず勝手に話を進めていたことが発覚。

では、これは公務なのではなく、個人的な御行動ということだろう。

このご訪問の前後の、宮中参殿参拝を、雅子様は「体調を考えて」避けておいでだ。

別に高山に登るわけではない、すぐそこの神殿に、外国という穢れに触れる事に対して神にお伺いを立て、清めていただくことが出来ないとはどういうことか。

この日、皇后美智子様は御養蚕の大切な「山つけ」に臨まれた。
ご高齢の上に頚椎症でお悩みの皇后陛下に、次期皇后は何をしているのか。
とうに、この作業を引き継ぎ、なさっているはずではないのか。

もうすぐ日本赤十字大会も行われる。

今現在、皇太子妃は名誉副総裁として、また次期名誉総裁として、何が何でも出席し、学ばなくてはいけないはずだが、雅子様はここにずっと欠席されている。


東宮職医師団という謎の組織の一部が、大野裕医師であると、このオランダ御訪問で正式に発表されたが、患者が皇太子妃である以上、

祭祀>>園遊会など国内公務>>養蚕>>>>>>>>>>>>外国の即位式

であるのに、なぜ海外行きを優先して、皇太子妃必須のことを休ませるのだろうか??

庶民の子どもに例えたら、「ネトゲのイベントに参加するために、がんばって不登校を続けようね」と医師が指導するっていうくらいのことだ。


で、こんな状態では、もう50になられる雅子様が歴代皇后のお志を受け継ぐことはない、という結論になるだろう。
昭憲皇太后から受け継がれた象牙の扇や、皇后陛下から受け継がれた第一ティアラなどは早々に返上なさり、裸一貫の小和田雅子さんとして、まったく新しい皇太子妃像を作り出されるしかないのでは?

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