「天皇の料理番」を平成生まれと楽しむ
久々に、親子でおおはまりのドラマである。
主演の佐藤健さん、影の主役である妻役の黒木華さん、命がけの役作りの変態仮面こと鈴木亮平さんという若手はもちろん、郷ひろみさん、佐藤蛾次郎さん、高岡早紀さんなど大ベテランから中堅まで、キャスティングが絶妙、脚本も構成も素晴しく、激動の明治から昭和の物語を楽しんでいる。
特に二人して萌え萌えなのが、主人公の妻役の俊子こと黒木華さん!
今時の女優さんとしては地味な顔立ちながら、圧倒的な演技力と、健気ながらも男に都合のいいわけではない、まさに大和撫子、これぞ良妻賢母!というハマリ役で魅了する。
お兄やんの死を受けてか、二度目の結婚に至るプロポーズに俊子が答えたのが、
「私は、あなたより長生きしますから」
という、死亡フラグ満々の台詞であった。
実際、秋山の妻は結核で早世している。
今週は10分拡大で、その、秋山の妻の死を描く。
で、娘は俊子に「ええ妻や~!ヨメにしたい~」と萌え萌え。
いやあんたがこのような立派な女性になるという選択肢はないのか。
☆
心臓病で命の灯が燃え尽きようとしている俊子。
秋山も、子ども達も、それを支えようとするのに、どんどんやつれていき、それでも微笑を絶やさず、大切なことを夫や子どもたちに伝える俊子。
もう、涙で画面が見えない…
という展開で、娘が言う。
「あなたより先に死ねないと約束したから、俊子が夫を殺すという展開は?」
ちゃちゃちゃーーーーん!ちゃーちゃーーー!♪
何その謎サスペンス展開?
それじゃ天皇の料理番の本編にいけないしw
☆
美しい、あまりにも美しい夫婦のやりとりで視聴者のハンカチを濡らしつつ、俊子は逝った。
最愛の妻を亡くしながらも、宮中の御奉仕に勤める秋山。
「おおみやさまからの伝言です」と、秋山は手紙を受け取る。
「おおみやさまって?」と娘が聞く。
ああ、高貴な方々は、名前で申し上げることなど大変無礼で、源氏物語など200人ほどの登場人物のうち、本名が出ているのはほんの数人。主人公を含めて本名など出ていない。宮中やお公家さんなどはそういう世界。
先週、大正天皇の皇后・九条節子様を「宮様」と表現していた(正直、藤原氏の貞明皇后を皇族を指す宮様というのには抵抗があるのだけど)ので、大正天皇崩御後の時点でそう呼ばれるのは、おそらくその和久井映美さん演じる「節子皇后」だろう、と答えたら当たってた。
「そうかー近江屋かと思ったー」
「近江屋、そちも悪よのう」
って、なんでいきなり高貴な世界から時代劇の悪徳商人みたいなことになる…
☆
でも、こういう「わからないこと」に若い世代が触れるのはとても大切なこと。
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