2019年8月15日 (木)

遠くて近かった「シークレット・スーパースター」

御無沙汰しております。

すっかりTwitterで遊んでいる闇鍋奉行です。

このところインド映画にすっかりはまり、ようやく第二の青春を謳歌。

…息子も娘も、元気で、きちんと納税者になっていますので、恥さらしを是とするこの日記に書く事もなかったのですが

今年8月9日から公開のボリウッド映画「シークレット・スーパースター」で、ちょっと思うところがありまして。

インドの片田舎に住むムスリムの少女・インシアは、歌を歌うのが大好き。

いつかスターになりたいのに、父親は「無学な女は貰い手が無い」と、学校の勉強だけ専念しろという。

この父親、妻に居丈高ですぐに暴力を振るう。

娘に対しても、言いなりになればいいのだが、自我を出すことなど許さない。

コンテストにも出られない…そこで彼女が始めたのは、ブルカを被って顔を隠し、自分の歌をyoutubeで聴いてもらう事…

 

と、予告編だけ観ていたら、ムスリムの世界で暮らす天才少女のサクセスストーリー、大スターアーミル・カーンがプロデューサーシャクティ・クマールとして、きっと彼女を猛特訓してスターに…(『ダンガル』では、この二人は娘に自分の夢を託すレスリングの鬼父と、最初は無理やりやらされていたけど、強い意志で頂点を目指す娘を演じていたのだ)というのを想像していたのだけど、ずいぶん違った。

まず、アーミル・カーン演じるシャクティ・クマールが魅力的すぎるクズ男であったww

「きっと、うまくいく」や「ダンガル」「チェイス」「ロボット」などでしか存じ上げないインド映画初心者だが、どちらかというと堅物っぽいキャラクターを得意とする人だとイメージしていたけど、もう、このシャクティ・クマールがたまらなく面白い。

チャラッチャラで女好き、才能はあるのだろうけど何か変w

離婚係争中の妻とのやりとり…って、これそして実質一人芝居なのだけど、本当に凄かった。

爆笑、爆笑の連続。

そして「シークレット・スーパースター」という題に込められた、本当の意味とは。

 

★ ★ ★

ここから先は、ネタバレと自分語りです。

★ ★ ★

インシアの父が本当に酷いDV親父で、ひたすら恐怖。

…いや待てよ…

これ、私の父そのものではないか(;^_^A

遠い国、違う文化の世界の物語なのだけど、振り返れば、私の15歳くらいのドキュメンタリーかという話だったw

いやー、この父の酷い行動、リアルですよ。

本当に私、これ一通りやられましたからw

夜寝ていて、キーボードを投げつけられましたしね(;^_^A

いや、一応それでも父は私に優しく、夢を応援してくれていたのだとは思うのだけど、母を人前でも罵る、手を出す、食べ物をぶちまける…

映画を観ていて、もうあの頃の恐怖を思い出して心臓発作が起きていたw

作中、大おばさんが、インシアに衝撃的な事実を告げるけど、それもリアルでやられてましたw

という頃には、もはや笑ってしまいそうになったのだけど。

理由は違うけど、私は生まれる前に父に殺されるところだった。

実はそれを知って、私は父に対する意味の分からない怒りや恐怖の正体を知り、うまく距離を持てるようになったのだけど。

なお、今の父は、すっかり好々爺。

私が可愛くて仕方が無いらしい。

ボケも入っているし、長男には死なれるし、次男も結婚できずこじれまくりだし…

私と、私の子供たちが希望のようで…

ちょっと、この映画を見せてみたい気もする。

あと、主人公のインシア、父を毛嫌いしているけれど、彼女も気分次第でモノや人に当たる。

父親の血をしっかり引いているんですよね(;^_^A

いつか彼女も、結婚して子を産むかもしれない…

その時、自身や子の中に、あの父の姿を見るかもしれない。

 

…それが、このブログの趣旨なのかもしれないし。

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2019年2月26日 (火)

久々に良い女王モノ~ルドラマデーヴィ

私は常々女性宮家反対、現代に女性天皇を出してはいけない、などとつぶやいているので勘違いした人に絡まれる事が多いのだけど、

 

 

私は無類の女帝・女王キャラ好きである。

しかし、今の日本は、腐ったフェミニズムと女系天皇(日本終了)を目論む動きが多く、大河ドラマはじめうんざりすることが多い。

そこに、インドの昔の映画「ルドラマデーヴィ~宿命の女王」が来た。

 

 

2015年に公開された南インド映画である。

最初に言っておく。正直、CGやアクションは残念だ。

「バーフバリ」が特別なのだとしか言いようがない。
しかし、インドに実在した男装の麗人女王をドラマティックに描いた「インド版ベルサイユのばら、リボンの騎士」としてお勧めである。

中世インド、カーカティーヤ朝。
王子誕生でなければ政情不穏になる…という理由で、男の子として発表された主人公・ルドラデーヴァ。
自身が女性だとも知らず、政治を学び、剣の腕を磨き、未来の王としての道を進む。

御学友的な扱いだろうか、近隣国の同世代の王子二人が友達になる。

Rd8チャールキア・ヴィーラバドラ(中央)と、ゴーナー・ガンナー・レッディ(左)である。

ゴーナーは、父王の急死により緊急帰国。

そしてルドラデーヴァは思春期の体や心の変化に戸惑いながらも、父王を支え、強欲な領主たちと渡り合い、治水に国防に福祉に…と尽力する。



女である主人公ルドラデーヴァ(女性呼称ルドラマデーヴィ)を、戦士としてだけでなく、終始政治家、王として丁寧に描いているのがいい。

戦を避け、民を幸福にするためにはインフラ重視、7つの防壁を備え、その資金を得るためにも経済対策が必要で…

時には民と直接語り合い、各々の不満を抑え、まさに未来の名君と期待される。

さて、上の3人の可愛い王子たち。

1人は、男装の麗人に。

 

Rd10チャールキア王子は、理想の女性を追い求めるイケメン王子に。
Rd15そして父王を叔父に殺され王位を奪われたたゴーナー王子は、なんと権力を憎む義賊に。
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…いや、胸が熱過ぎる展開では。

少女マンガですかと。

ルドラデーヴァ王子の失権を目論む領主ら、カーカティーヤ朝の王位を狙うマハー・ディーヴァ。
そして旧友でありながら刃を向けるゴーナー王子…

何かにつけ疑いの目を向ける領主らのために、男であることを証明し続けなくてはならず、女性と結婚までするルドラデーヴァ。

しかし、心も体も女なのである。


ある祭り…女も酒を飲み、心の底を打ち明けあってもよい…という解放的な夜、彼女は女性として装い、秘密の通路を通って外に出る。

Rd13_2

 

 

 

その美しさに、女性達は「あの美しい方はどなた?」と羨望のまなざし。
そして、かつてチャールキアの王子と遊びに行った思い出の滝の下で水浴。

そこに現れたチャールキア王子は、そこにある彫像のような理想の女性を夢見、そんな女はこの世には…いた!と、幼馴染のルドラ王子と気づかず求愛する。

はあ、もう、どこのベルばらかよ、宝塚かよ…


何より素晴らしいのは、ルドラマデーヴァは体は女性でも、またそのことに戸惑いもするけれど雄々しく、国の為に尽くす真の王である事。

一方、ラナさん演じるチャールキア王子ときたら、少年時代から基本女の話しかしねえwwww

それと知らず自分に惚れてしまい、何も仕事が手につかなくなってしまったチャールキア王子を発奮させるため、女装して彼の前に現れ、さり気なく「ルドラマデーヴァ王子の言いつけを守ってくれたら(結婚しても♡)」と焚きつけるルドラマ。

https://www.youtube.com/watch?v=RNPz04YXnA8
本当に、姿は麗しく、文武両道なチャールキア王子なんですけれどねえ(;^_^A
女である事が知られて、国民から酷い差別を受け、王宮を追放されたルドラマデーヴィ…
それでもなお、国を、国民を案じるのだが…チャールキア王子は自分の国に彼女を連れて結婚しようとする。
本当にこの男、美女との結婚しか考えとらんw
「私達の愛よりも、国民が大事なのか」
うーむ、「私と仕事、どっちが大事なの!」と言う女と同じではないか(;^_^A
ひたすら、ルドラマデーヴィが崇高な映画であった…

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2018年6月21日 (木)

我が家のデーヴァセーナ

私と息子は、最近ガルパンから、「バーフバリ」に凝っている。

空前絶後、という言葉が全然オーバーではない面白すぎるインド映画である。
http://baahubali-movie.com/
古代インドの架空の国・マヒシュマティの王位継承を巡る物語。
神のごとく完璧で民に愛される前国王の王子アマレンドラ・バーフバリと、国母の実子で民に恐れられるバラーラデーヴァの魅力、国母シヴァガミの公明正大さ、両王子に惚れられる小国クンタラの王女デーヴァセーナの気高さ、不可触民でありながら王家に忠誠を誓い、絶大な信頼を得ている最強の老戦士カッタッパなど、見どころ満載で、息子ともいろいろ盛り上がる。

が、息子は言う。

「デーヴァセーナ、あれはダメだ」

確かに、デーヴァセーナは正し過ぎ、気高すぎ。

大国の国母にも恐れず直球で逆らい、正論を通そうとする。

「dc-Cover-5mep2tc5p5mgpi5qqm3esq03d7-20170319145925.Medi.jpeg」をダウンロード
正論は、時に身を滅ぼす。

結局彼女は、バラーラデーヴァの策に次々嵌り、愛する夫を窮地に追い込み、何もかも失うはめになる。

ただ、世界中で上映される国際版だと彼女の過激さ、高慢さばかりが印象に残るのだが、今日本で上映されている完全版…というかインド上映版を観ると、ずいぶん印象が変わる。

本当に、デーヴァセーナは気高く美しく、正しく、そして可愛いのだ!

王族としての矜持が、シヴァガミやバーフバリと共通している。

正しい道を疑わず、例え誰であろうと正義を通す一方、弱き民には優しいのだ。

どこの馬の骨ともしれない男に情けをかけて雇ってあげ、武芸の一つでも仕込んでやろうと思ったら、隠してはいるがただものではないのを見抜く洞察力。
それでも正体を明かさない男に、公然と恋心を歌う…
インド版では、身分も権力も、能力さえわからない男を尊重する王女の姿がはっきりと描かれ、またなぜ王女が「マヒシュマティの王子との縁談」に激怒したのかがよくわかるようになっている。

彼女は決して、高慢でも無能でもない。
バラーラデーヴァの陰謀が無ければ、大使が無能でなければ、何もかも丸く収まっていただろうに…

だから完全版見ろよ、というのだけど、息子は頑として聞かない…

で、思い出したのが彼の高校時代だ。

いろいろあってお世話になった高校で、最初は随分かわいがってもらったのだけど、いろいろと軋轢が起きてしまった。

息子の話を聞けば、確かに息子は正しく、教師よりも優れているとは思った。

だが、その言い方ややり方は無い。

教師の体面を潰したらいかん。
正しい事なんか、言ったらいかん。
まず相手を尊重していかないとやっていけないよ?と助言したら、私はボコボコにされた。

で、結局教師に憎まれ、学校に危険人物認定され、進路が断たれた息子。

あれから数年。

なんだよ

わかってるんじゃんw


もうちょっと下手に出れば、もうちょっと相手に可愛がられつつ話を進めれば、良い結果になった。

今の息子は、バラーラデーヴァを政治家として買っている。

彼は絶対権力者である母の前では良い子を演じてまんまと王位を奪い、根回しをしてその母すら追い落とし矢を放ち、暴君として立ちあがったバラーラデーヴァ。

バーフバリは、政争など縁のない、善良で愛に満ちた象徴的な王。

バラーラデーヴァは政争に長け、力で民をねじ伏せる王。

デーヴァセーナは、力と正論と慈愛に満ちた次期国母。

それぞれに面白いキャラクターだけど、息子が正論で滅んだデーヴァセーナから、バラーラデーヴァに移行しているのは、ある種「成長」だと思う。

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2009年10月31日 (土)

小公女セイラにわくわく

私も息子も「ありえねえ!」と叫んだ。

あの「小公女セーラ」が舞台を現代日本に移して実写ドラマ化。人気コミックなどをドラマ化して何かと話題の土曜8時のTBS。日テレ土9よりもある意味ホットな枠である。

小公女セーラと言えば、昔懐かしい日本アニメーションのアニメがある。主人公セーラが無抵抗主義のいい子ちゃんで、どういうわけか見ている方まで応援するどころか嗜虐心をそそられるというアニメだったが、それを幼いころ、BSで見た息子としては、現代日本設定でアニメ化とか、ありえねえええええええと。

しかしそう思いつつもワイド版の1話、そして先週2話を見た私はこの異常な世界の虜に。

なんというか、いい感じにマンガチック。

インドで成功した日本人富豪の娘・セイラの暮らしっぷりには笑えてしまう。宮殿のようなお屋敷に、象が数匹。日本の斜陽お嬢様寄宿校に転校してみれば、生徒であるお嬢様方は髪に大きなリボンをつけるなど、眞子さま佳子さまでもなさらないような時代錯誤の姿である。

「小公女セイラ、おもしろいよ」と娘に告げてみた。
「( ´_ゝ`)フーン」と冷ややかな反応の娘。
「もう、子供に見せちゃいけないレベル」
「それは見たい(・∀・)!」

まあ、人間の心のドロドロがすさまじすぎて、清らかな心のお子様にはお勧めできないが、この時代錯誤な髪型のお嬢様方が志田未来演じるセイラを虐めまくる! あまりリアルないじめでもなく、どこかファンタジックなのもいい。

志田未来ちゃん、「女王の教室」以来こういうキワモノ企画をやらせたら天下一品だわ~

そして樋口可南子、大和田伸也などの大御所がセイラ虐めに加わり実に憎々しい演技で新境地を拓く!

そしてもう主役を食っている感があるのが、斉藤由貴だ。

いわゆる「ミンチン先生」である三村千恵子学長の妹・笑美子という役。あらまあ、かつてのアイドルもずいぶん太って、老けちゃって…と見てみたら、知的で弁の立つ姉と比べて軽薄で、姉に頭の上がらない愚かな女をまさに怪演! 姉にひたすら媚びへつらいつつ、夜自室にこもると酒の勢いで姉への不平不満をひとり芝居でぶつけまくる。

うまい、うますぎる!

脚本もすごいのだろうが、斉藤の演技が視聴者をひきつけ、状況説明の役割も担って、狂言回しとしては見事すぎる。

「これって、毎週のお楽しみかしら…」とわくわくしながらつい、大好きなアニマックス「赤毛のアン」も捨ててTBSにチャンネルオン。…そんな私の心を読むように、今週もちょっとパターンを変えながらへべれけっぷりを見せてくれた。

昼間のボケ妹っぷりと、夜のへべれけ。

彼女は誰に飲まされ、語り続けたのか???というナゾも含めてこれはワクワクせざるを得ない。

……それにしても「燃費」がいいなあ……

先週までは水割り1杯をごくっと飲んで豹変していた笑美子さん。

私なら、あの域に達するまで、水割り10杯じゃすまないぞ!

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2008年4月 6日 (日)

日曜の朝はアニメと特撮!~4月のラインナップ~

仕事で忙しいながらも、やはり3ヶ月ごとに新作アニメなどが気になる。

マイメロちゃんはずいぶん雰囲気が変わってしまった。フルCGで、絵や動きが違い、世界も変わった。柊や歌ちゃんに会う前の話だそうで、なつかしの「クロミノート」」、マイメロの白い悪魔っぷりはむしろ初期を彷彿とさせるが。

「絶対可憐チルドレン」は、可もなく不可もなく手堅い感じ。

さてテレビをだらだら流しながら水換えでも……と動き始めたところですごいことになってしまった。

「携帯捜査官7」のダイジェストが、始まったのだ。

なんだこのクオリティ! 作業用機械の暴走シーンが迫力満点で、一瞬「実写版パトレイバーか」と目が釘付け。そこに走る携帯電話が!

画面右下に「携帯捜査官7 水曜夜7時から放送中」と出ている。あー、なんかネット見てたら目の端にそんなニュースがあったような気がしたがあまり気にも留めていなかった。しかしまさかこんなおもしろそうなものだとは! さ、再放送希望!

しゃべるし走るし、表情もある携帯に、(昨日からの神経痛で)痛い胸をさらに痛ませ「ママー! アレ欲しいよー!」と息子に叫んでしまった。寝ていた息子もつい起きて見入っている。

久々の意欲作に胸が躍る。

……痛いんだけど……(明日は医者に行けるかな)。

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2007年10月11日 (木)

エレーヌいじりがとまらない~日テレ「スッキリ!」

朝、オタクで夜更かしで低血圧の息子を起こす。

「7時20分よ!目覚まし(息子の携帯が、よくわからないオタク音楽を流す)鳴ってるわよ!」
「7時30分よ!朝ごはん食べなさいよ!」
「45分! ズームインの特集、終わっちゃうわよ!」
「ほらほら辛坊さんが始まったわよ!」

と、私はいわゆる「時報番組」と同調しながら、ただの時報と成り下がっている。こんなにがんばっても。8時くらいに起きた息子は
「やべ…遅刻するよ…あ?知らねえよ、何が何度も起こした、だ。俺が起きてねえんだから起こしたことにならないだろ!」と憎まれ口を叩く。寝起きはものすごく不機嫌な息子、まともにやりあっているとそのままニュースのタネになりそうで怖い。

しかし最近、「かなりやばい」時間である8時に、素敵な目覚まし番組が現れた。正確にはその時間帯はもはや「目覚まし」ではなく、家族を送ってほっとする奥様向けの時間帯。きっちりニュース、時事、芸能スポーツグルメなど、30分ごとにプログラムを組んで送る「ズームイン!」と違ってそのあとの「スッキリ!」は、ワイドショーとエンターテイメントの中間の位置で、しかもちょっと「はずした」感を売りにしている。

かつてのこの時間帯なら、まず「主婦視点」が大切。芸能人のスキャンダルや町の話題に、毒にも薬にもならないコメントがつくのが定石だった。昔、男性の浮気に対して肯定的なコメントをした司会だかなんだかが、視聴者に袋叩きにされたことがあったくらいの時間帯だ。が、この番組はコメンテーターもどこか突拍子も無いことを言う女性漫画家だとか、ヤンキー先生とか、どこか危うい。司会からして、平気で「いいじゃないですかねえ、男の浮気くらい」と放言して、とくに何もない。大体、この無法地帯をまとめる役である局アナ自体が、いきなり他局関係者との結婚を語ったりして、また唐突に辞めてしまったのだ。

で、この女子アナに代わり起用されたのが葉山エレーヌアナである。フランス人とのハーフで、お人形のようにかわいらしく男性ウケしそうな容貌の彼女に「え? 主婦に受け入れられるのかなあ…」と少し不安になった。

果たして彼女が入ってから、番組は怒涛の勢いでエレーヌいじりを始めた。かわいいエレーヌアナは、微妙にイタイキャラクターを持っていた。それを逃さず、がんがん突っ込む。いじられればいじられるほど、エレーヌアナ、ますます奇行に走る。それを番組冒頭の昨日のスッキリ!コーナーでえぐるように掘り返す。

もともとこの、変な奥様番組が妙に気に入り「うわあ~もっと見ていてえ~」と後ろ髪を引かれるように登校していたのだが(その割には夏休みには熟睡してたな)、このところエレーヌいじりコーナー(仮称)が、実質上の彼の目覚ましになっている。

今朝も「うっせえなあ、もー!」と顔を上げたところでエレーヌアナの奇行に釘付けになっていた。

エレーヌ、番組の最中なのに食べ物に執着するのである。

グルメな話題も扱うこの手の番組では、番組途中に話題のスイーツや料理が供されることが珍しくない。「おいしい~」と出演者が顔をほころばせてハイ、次のコーナーへ、というのが通常の流れだが、エレーヌアナはCMになってもそれを食べ続けていた、というのが数日前に暴露された。食べ物を粗末にしないのは、私的には好感。

昨日は米3合使った巨大スタミナ丼が出たらしい。するとエレーヌ、「私これ、全部食べます!」と言い放ち、番組の進行まとめ役としての任務も忘れ、いきなり「大食い美人女子アナ」キャラをアピールし始めたらしい。次のコーナーに行っても彼女はどんぶり(ていうか、大きなすり鉢くらいに見える)を離さず、食べ続ける。

おいおいおい、仕事しろよ~~~!

と、一視聴者の私の突っ込みなぞ当然関係なく、食べ続けたというエレーヌ。

番組終了時、完食していれば、ギャル曽根ちゃんに対抗できる大食い美人アナの誕生だが、「もう、1合くらい食べました~」とか、「朝ごはん食べてなければいけたかも~」とか言い訳しつつ終了。

「美人でヘンなアナウンサーがいる」という印象で終わったが、

おかげで息子の今日の寝覚めは、実にさわやかだった。

「食うのおせえよ!w」と突っ込みながら、さわやかに目覚め、上機嫌で朝支度をして出かけていった。いやもう、おもしろければ何でもいいです……という我が家にはぴったりな番組だ。

☆  ☆  ☆

「食うのおせえよ!」と突っ込んだ息子、昨夜の絶景番組でのギャル曽根ちゃんの印象で言ったのだろうか。本人はもっと遅く、小食である。
大体、夕食だといってもなかなか来ず、ちょっと食べ始めると漫画やゲームに耽り始める。食事には集中しなさいというと怒る。で、肉や刺身などだけ食べてぷいっとパソコンなどに戻ることもしばしば。そのくせ夜中にはカップラーメンなどを食べる。夕食前には自分で買ったスナック菓子を食べてるし。

もちろん私はいろいろ叱るのだが、「だって、食べられないんだもん」「おなかすくんだもん」という。3時間ごとにちょっとずつ食べるって、

あんたは新生児か。

3時間ごとの夜泣きがずっと治まらなかった幼少時代。おかげで私がどれだけ気が狂いそうになったかチクショー!

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2007年5月16日 (水)

中学生日記で「腐女子」がテーマに~さすがはあの…

NHK。日本ホモ協会。そう、日本ひきこもり協会の前に、NHKにはそんな異名がある。

そのNHKの長寿番組「中学生日記」で、男子学生に対する性的虐待をテーマに、直視するのも恥ずかしいようなあんなシーンやこんなシーンが展開されたのは記憶に新しいが、今週19日には「腐女子」をテーマにした番組が放送されるという。さすがである。

自称腐女子・愛娘も、いよいよ中学生。我が家に向けて作られたような番組ではないかorz

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2007年5月15日 (火)

FFTの途中ですが、パッチギの試写会に行ってきました

日曜、縁があって「パッチギ!LOVE&PEACE」の試写会に行った。私は前作を知ってはいたけど見ていないし、一緒にいくことになった父にいたっては、パッチギのパの字も知らない。

で、いきなりの流血暴力シーン。まあ井筒監督、ずっと容赦なく過激なシーンで驚かせる。

あんまり痛そうなのは見たくないなあ…と思いつつも、1974年の東京の描写にはついつい見入る。その頃私は10歳くらいか。全然違う顔の東京に住んでいたが、なんとなくああ、わかるわかる、という感じ。ことに小物類には細部までこだわっていた。シールのぺたぺた貼られたカラーボックスやら、グラビア切抜きを飾った壁。あの魔法瓶。「コーラを飲むと骨が溶ける」もあったあった。ヒロインがアイロンを置いて電話をとるシーン。さりげなくスイッチを切っている。あああ、懐かしい。今のアイロンはサーモスタット付で、ちょっと離れても問題はないが、当時はちょっと電話に…で、火事になるのだ。演じる中村ゆりさんにとっては生まれる前の時代。きっちりと、演技指導されたのだろう。「ああ、俺も気づいた!」と父もそのシーンのさりげないしぐさを覚えていた。

最後に主演の井坂俊哉さんが、舞台挨拶と握手会に登場した。何でも「アンソンが行く!」というキャンペーンで10000人と握手するという。舞台挨拶での話では、この映画、千葉で撮影されたシーンが多いという。最初の電車乱闘、在日一族とノーベル海へ行く、戦時中の済州島、そしてクライマックスの試写会会場は、八千代文化会館だそうだ。

で、井坂さんだが、不勉強なオタクなので存じ上げなかったのだが、これからぐんぐん伸びそうな方である。スタッフの方がプロフィールを紹介していたが、「純情きらり」とか「14歳の母」よりも「ジャスティライザー」に「おお」と反応したのは、この会場でも私だけだったのではないだろうか。スポーツマンでアクションもばっちりこなせ、さわやかな笑顔と目力は、かつて劇団からNHK朝ドラ、そして大河ドラマから世界に進出した渡辺健さんを髣髴とさせる。がんばれ~。私に「あの井坂俊哉と握手したのよぉ」と自慢させて~

目下、私は子供たちに「四半世紀前に近所に来た所ジョージのステージを見たことがある」という話でとても尊敬されている。

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2007年2月 5日 (月)

不登校息子って大物かもしれない?~親バカだと笑わば笑え~

一喜一憂、悲喜こもごも、オタクで不登校でたぶん発達障害の息子の観察日記を今夜も書こう。

志望校、といえる進路を見つけて最近意欲的な我が息子。なかなか中学にはいけないながらも、がんばって夜寝て、朝起きる習慣を取り戻そうとしているし、私や祖父母のお手伝いも積極的にするようになった。一時期は、私にも祖父母にも殺意を叫んでいたというのが、嘘のようだ。定員割れするようなところだが、こういう子にはレベルやブランドよりもいい選択なのかもしれない。前に書いた、発達障害のNPOをしている方にも報告したが、何よりだと喜んでくれた。こちらのお子さんは、とにかくいろいろあって、親子ともども落ち込んでいるらしい。うちの息子は、初めて半田付けをし、ツナギを着て溶接をしたり、エンジンのボルトを緩めたりする体験を通してみるみる生気を取り戻したのだが、あちらのお子さんにはその瞬間が得られないらしい。「なんだか生き生きしていると思ったら、そういうことだったのね」と言われた。

うん、これまでこのブログでも「もう大丈夫かも!」と書いたら、のちにとんでもないことを書くことになったので、まだまだ気苦労は絶えないことだろうと思うのだけど、「4月からは女手ひとつで『無職少年』を抱えなくちゃダメかも」と絶望していたのが、「もしかしたら、あと3年は息子の居場所があるかもしれない!」と思えるだけで、顔色も血行もよく、少々は若返れる。

さて、祖父母のお手伝いをし、私のお手伝いをするうちの自慢の孝行不登校息子。ひょんな話題から小学校の担任の先生の話題になった。3年の時にお世話になった■先生はとてもユニークな先生で、独自の理科の授業を行うのだった。実験を通して児童に考えさせ、討論させ、1年間の授業の中で、中学くらいで習う物理の法則をほとんど自分たちで発見させてしまうのだ。今、息子は「まんがサイエンス」とあの授業のおかげで、授業にまったく出ず、ほとんど学習しないでも、結構中学の理科がわかるという。

「本当にあんたには恩師だったね、■先生」と私は言った。すると、息子は意外なことを言い出した。

「何言ってんの。恩師と言ったら▲先生でしょ」

▲先生とは、小学2年生の時の担任だ。厳しいことでは「悪名高い」レベル。「とんでもない先生だ」と、前にいらした学校の保護者からもうわさを聞いていたし、近所の方にも「これまで不登校の子を何人も出している。いやがって転校する子がいても意に介さない」と言われた。

たしかに、「何もそこまで言わなくても…」というような言動が目立ったようだ。また、算数の曲がり角・九九を習う学年だけに、容赦ないくらいに厳しかったという。

で、息子は、この先生のクラスで異彩を放ち続けた。授業は聞かないし、課題も提出しない。地獄のように厳しい授業のなか、紙飛行機を飛ばし、床を掘り、へらへらしていたらしい。当然先生の雷が落ち、いまどきありえないようなありとあらゆる罰が与えられたという。その様子を見たお友達の方が、精神的に参るくらいの状態だったそうだ。「なんとかしないと」という助言を同じクラスのお母さんからも受けた。それどころか当の先生から

「この子は日本の公立は無理です。海外に留学させなさい」

という助言をいただいた。 先生、それ、無茶です。だが、この怖い先生と怖いママが同時ににらんでも、へらへらしていて、「だめだこりゃw」と、先生と私が笑うシーンもあり、意外と▲先生と私と息子の関係は悪くなかったのかもしれない。また、当時息子といろいろ話してみたが、全然この先生を嫌っても怖がってもいなかったようだ。

「あの先生、九九は本当に熱心に教えてくれたもんなぁ」と、息子が振り返る。意外だ。息子、幼稚園で倍数や素数を理解できていた(FFTのせいだ)ので、てっきり小ばかにして九九のしつこいくらいの課題を提出しないのかと思ったが、自分は課題を提出しなくても、先生のなさったことは理解していたらしい。なんと賢い息子だろうか。その、賢い息子が続けて言う。

「それに、あの先生のおかげで俺、逃げ足が速くなったんだぜ~?」

ちょっと、職員室に来いや。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

NHK-BS2で「2001年宇宙の旅」をやっていたので、ちょうど夕食の時間とばかりに息子に見せてみた。これが1968年の作品だろうか。頭の弱い私には、何度見てもさっぱりわからないのだけど、卓越したデザイン、さりげなくすごい特殊効果、宇宙空間の描写の美しさにはため息が出る。仮にもオタクだという息子には一度は見せなくてはならない名画だ。これに影響を受けた日本のマンガやアニメ、ゲームなどは、数多いのだから。

息子も早速啓示を受けた。最初の、サル同然の人類が「モノリス」に影響を受け、大変な進化を遂げるところだ。それはまさにエデンの園のリンゴ。「道具」を使うことを覚え、獲物どころか同胞をも殺すことを覚えたサル。そしてシーンは宇宙時代へ…「星野之宣さんの『2001夜物語』は、まさにこのシーンから始まる。ガンダムやプラネテスを語る上でも、この映画ははずせないよ」と私は熱く、70年から80年代、そして現代のSFを語った。

息子は、「モノリス、なつかしー!」

と、これもまた懐かしいテレビゲーム「モンスターファーム」を最初から始めてしまった。そりゃ、懐かしいけどなあ……

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2007年2月 1日 (木)

がんばれ声優さん~花形役を取り戻せ!

今、「声優さん」が危うい。

声優とは、かつて洋画や海外ドラマ、アニメなどの声をあてた俳優さんのことで、日本ではとくに個性的な声の持ち主や、顔と声にギャップがある人や、主に声だけの仕事で知られるようになった人が「声優」といわれる。誰もが知ってるあの声、心ときめかせる美声。

なのに、芸能界での評価は不当に低いのが現状だ。

たしかに、何らかの理由で「メジャー」な存在ではないことが多い。芸で食べているんだから、ちゃんとした芸能人には違いないのに、なぜかポッと出のアイドルや若手お笑い芸人などにもなめてかかられる。たしかに顔を出さないことが多いが、裏方扱いのようだった。(もちろん、裏方さんあっての芸能界だと、本物の芸能人はわかっているのだろうけど)

そして訪れた本格的なアニメブーム。これまでどこか馬鹿にされてきた日本製アニメが、世界で高く評価されるようになって、ようやく声優さんにも光が…と思ったら、そうはいかない。某スタジオを筆頭に、「声優を人気アイドルにやらせて話題づくり!」という風潮が起こったのだ。

一番、あおりを食らったのは、主役を張るタイプの人だ。脇役は「声優」、主役はアイドル、ということになってしまったのだから。良い役ほど話題本位の配役になってしまう。これまで美声と名演技を誇っていた人の仕事は激減。山寺宏一さんは、いち早くその風潮に気づき、あえて顔を出し、名を売ることを選んだが、実に賢明であった。

しかしなあ…もちろん、アイドルだろうがお笑いだろうがうまい人はうまいが、時にはとんでもないこともある。。FF12では、若手アイドル候補が主役を演じたが、声の魅力はともかくあまりに滑舌が悪く、オイヨイヨ語などと揶揄された。この子なんてたしかにイケメンで、それなりに魅力はあるのだけど、何せ、勝負は声だ。どんなにキャラクターが激高する場面でも、最低限聞き取れなくては話にならない。特撮の世界でも、演技力よりイケメン優先になったばかりにオンドゥル語なんていうものも生んでしまっている。バラエティ番組では、聞きとれないコメントでも丁寧に字幕が入るのでなんとかなるが、アニメや映画の吹き替えは、それじゃ意味が無いのである。

さて、全員がオイヨイヨ語、オンドゥル語、たまに「中居君」が混じるという貴重なミュージカル映像。ビジュアル優先にするとこんなにおもしろいことになるのだ。(抱腹絶倒注意)

http://www.nicovideo.jp/watch?v=ut0UePKu4dlA0

私がこの映像を見て激しく腹筋運動をさせられるはめになっていたころ、ちょうど息子がアニメックスでアニメ「テニスの王子様」を見ていたのだが、さすがに、こんなむちゃくちゃなことは無い。少なくともせりふは聞き取れるし、内容はわかる。

改めて「声優さんって、すごいなあ」と思った。

少年役や美少女役をおばさんが演じることもあるし、(自粛)な方が美形を演じることもある。逆に若手が美少女とおばあちゃん役を上手に使い分けることだってある。声優さんの声には顔や年齢などまったく関係ない。ごく一部のマニアかもしれないが、「この人がやるのなら」とDVDを買ったり劇場に足を運ぶ価値のある声優さんもたくさんいる。

某人気アニメの続編的な位置にあるアニメ映画で、前作の中心人物の声を、有名女優にやらせようとしたプロデューサーがいるらしい。しかも、そのキャラクターは肉体を失い、声だけが流れる…というシーン。その「声」だけが、すべてのシーンだ。

幸いその監督は拒否してくれたが、いかに「声優」という存在が軽んじられているかと言うことだ。

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