今の会社に再就職して、自分用パソコンをあてがわれた。私の出産前は、まだまだOA化が始まったばかりで、私が唯一ワープロを使えるスタッフだったりなんかしたこともあったのだけど、今はさすがに、こんな小さな会社でもパソコンは必須。育児中でも欝中でもワープロは使っていたし、思い切ってパソコンも買って、簡単な操作ならやれるようになっていたし、がんばろう!
と思ったのだが。私のパソコンは予算もあったのか、他のスタッフのと違って古く、ぼろかった。「動けばいいから」と購入した中古らしい。しかもマックだ。家のはウインドウズだったので、電源の入れ方、ソフトの終わらせ方など、何もかもIT教室で習ったことと違う。
「あなた、パソコンも使えないの?」ときつい言葉を投げかけられて傷ついた。言い訳になるかどうかわからないが、知り合いにワープロ検定1級取得者で、長年検定の教育に携わった人がいるのだが、この人は昔懐かしい「親指シフト」の人。それでもなんとかJIS規格にはついてきたものの、ワードになるともうついていけないそうだ。そのくらい、ソフトひとつ違ってもいろいろ違うし、ましてOSが違うとなると、根本的なことほど聞かないとわからないものなのだが。
それ以上にすごいのが、このマック君のスピードの遅さだ。起動するのに、5分。文書などのファイルを呼び出すのに3分。さあ、文章を打とうかしら。とタイピング。
私は軽やかにタイピングする。たとえば、「私立高校」と打ちたいとする。私の指は「siritukoukou」と打つのだが
s
し
しr
しり
と、この間約30秒。そのあとしばらく私は「しり」を眺めることになる。で、急に思い立ったように『私立高校』と出る。はあ。さあ、次を打とうかな…て、ブラインドタッチも何も無い。2本指でちょうどいいくらいのレスポンスだ。もしもミスタッチなどあれば大変だ。バックスペースするにもいつ反応するかわからないのでうっかりすると消しすぎたり、また打ち直したり…これでタイトルをセンタリングしようとか、書体を変えようとかすると、その間トイレにも行けちゃうのだ。
ネットなどはもってのほかである。私はそれなりに検索を得意としていたつもりなのだが、まず何か調べ物をしようとIEを立ち上げる…のに3分、ホームが出るが、ここでグーグルを使おうなんて考えると大変だ。ウインドウズだと常にお気に入りが左に出せるが、マックではいちいちお気に入りを呼ばなくてはいけない。これに2分。やっとグーグルにたどりつき、検索ワードを打ち込み、検索。ウインドウズではツールバーにグーグルを置くことができるが、マックはできない。3分もすれば、結果が出るが、上のほうは広告ばかりで、必要な情報を探すのには下にスクロールしなくてはいけない。そのスクロール1回につき、1分は要する。ようやくここだと思うところにたどり着いた時…多くは、電話に出ていたとかなのだが、突然マック君が力尽きて電源を落とす。慌てて起こすが、完全にバグった(としかいいようのない)状態で、再起動するか、強制終了するしかない。もちろん、これまで検索してたり文書を打ってたりした努力はパア。やってられるかあああああ!
5分もあれば、オルトロスが5トンの錘を落とせるよ!舞台袖のスイッチをいじって反対側の舞台袖上方から進入し、ねずみ退治をしながらオルトロスのところまでいけるよ!崩壊する魔大陸だって、エリクサーを回収しながらザコを倒しまくり、だらだらしゃべる腹の立つボス・ネラパを倒して、シャドウの到着を待って余裕で脱出できるよ!
誰が好きでぼんやりパソコンの画面を眺めるかあああああぁぁぁぁ!
パソコンがまともに使えず、ぼんやり座ってると見られる私。ああ、さくさく動くパソコンでお仕事がしたい。
先日は、「葛飾北斎」という言葉をタイピングする機会があった。マック君、とても立ち上がるのが遅いので、結構最初の打ち込みを無視してしまう。「katusikahokusai」とタイピングして、出た言葉は
「あほくさい」
だった。たしかに、「葛飾北斎」のなかには「ahokusai=あほくさい」の言葉がある。
世紀の大発見のような気がした。
…もしかして、私はとてもおもしろいマシンに恵まれたのかも????
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そんなストレス発散には「趣味の料理」が一番!
私の言う趣味の料理とは、日々の料理とは別に、本当に趣味に走った料理の事。男性がやれば「男の料理」といわれるようなものだ。日ごろは時間も無いし子供も喜ぶからワンディッシュメニューとか、面倒くさそうに料理をしているのだが、時間と、少々のお金が使える休日には、ヘンな料理を試したくなる。
今日は、生たらこをたっぷり手に入れ、辛子明太子作りに挑戦した。たらこは、スケトウダラではなくヒゲタラのもので、たっぷり入ったパックが498円だった。安い。たらこと言えばスケトウダラだが、ヒゲタラ自身の評価はスケトウダラに劣ってはいない。廃棄物同然のように…だが、「さあ、この食材を活かしてみよ」と並べてくれた問屋直営魚屋さん、ありがとう。珍しくて安い食材は、私の生きがいになってます。
濃いだし汁と、酒に塩と砂糖を煮きったものをあわせ、唐辛子を入れて調味液を作り、塩をふって余分な水を抜き、酒で洗ったたらこを漬けた。ネットで検索したいくつかの情報と、自分の勘をあわせた、とても人に言えないレシピだが、3日くらいでできるという。明太子に目がない息子は「明太子と辛子明太子の違いってなんだろう?」と、得意のこだわりを見せてうんざりさせながらも、この大量の生たらこが明太子になったら…と興味津々。「成功しても失敗しても、明太子尽くしになる時が来ると思うから、よろしく」と言ったら、「おけ~~♪」と言っていた。
どきどき…
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